the「燃費」排気量250cc以上400cc未満って、どうなの? BMW Motorrad「G310R」を実走計測

排気量312ccの水冷単気筒エンジンを搭載するBMW Motorrad「G310R」は普通二輪免許で運転できるネイキッドモデルです。気になる燃費を実際に走って計測しました。

250以上400未満ってどうなの? 燃費を実走計測

 最近気になる燃費研究班の話題といえば「燃費が良ければ車両価格は高くて良いのか? 省エネ(昭和な響き)はサイフに優しいからこそ嬉しいハズ!」そしてもう一点「排気量が小さいほど、エンジンのシリンダーの数が少ないほど燃費は良い」という通説、そんな答えを探して今日も燃費実走計測の旅に出るのでした。

実際の燃費はどうなのか? BMW Motorrad「G310R」(2021年型)を走らせる筆者(松井勉)
実際の燃費はどうなのか? BMW Motorrad「G310R」(2021年型)を走らせる筆者(松井勉)

 今回連れ出したバイクはBMW Motorrad「G310R」です。BMWモトラッドのラインナップの中では最小排気量モデルであり、164kgの車体に搭載されるエンジンは排気量312ccの水冷単気筒。250cc以上ながら400ccクラスよりはだいぶ手前なモデルで、最高出力25kWと最大トルク28N.mというパワースペック、最高速は143km/hと発表されています。ということは、WMTCの燃費テストはカテゴリー3-2で計測しているハズ。その燃費値が30.3km/lです。バイクが軽く、排気量が小さく、シリンダーが1本なのです。

 インド生産で世界に送り出されるこのモデル、そのお値段(消費税10%込み)は68万1000円から69万4000円(選んだカラーで異なります)となっています。ユーロ5になった2021年モデルは、バイワイヤー式の電子制御スロットルやLEDの灯火類の採用、その他装備の充実もあり、乗り味にも興味津々。まさに燃費研究班の疑問に答えてくれる1台にちがいない! 実走燃費はどうなのか? ETC2.0車載器が標準装備となるBMWバイクに乗って、the「燃費」ルートを走ってきました。

2021年型より灯火類は全てLEDを採用
2021年型より灯火類は全てLEDを採用

 the「燃費」では、市街地、高速道路、快走路(ツーリング路)の3つのパターンを同一ルートで実走燃費を計測しています。記事記載の距離、燃費値は車載のトリップメーター、平均燃費計が示した数値を表記しています。「G310R」はこの平均燃費計が1/10単位の表示が無いタイプです。例えば30.0km/lから30.9km/lだとしても、30km/lと出たまま表記しています。走行ペースは休日にツーリングを楽しむような交通の流れに合わせたもの。燃費記録を狙ったような走りはしていません。

軽快なフットワークと落ち着いた重厚感、市街地も楽しい

 the「燃費」の市街地燃費は、都内外苑周辺をスタート。青山一丁目交差点で国道246号を経由し、赤坂、永田町を経て皇居へ。桜田門を通過し銀座方向に。途中、丸の内のオフィス街を回ってから銀座、晴海、豊洲と抜け首都高湾岸線沿いを走る国道357号の東雲付近までを走行します。

いざ、燃費の実走計測へ。都内にある石畳のブティック通りも経由する
いざ、燃費の実走計測へ。都内にある石畳のブティック通りも経由する

 午前10時にスタートして、市街地ルート12.4kmを30分ほどで走行できました。皇居から丸の内、銀座から東雲付近までは交差点で赤信号での停止時間が多かったこともあり燃費データはあまり伸びず、27km/lでした。それでもコンパクトな車体と250ccクラスとはトルク感が段違いのエンジンが生み出す機敏な動きは、BMWモトラッドの大型モデルとも似た、動きが軽いのに落ち着いた重厚さを併せ持ち、テスト序盤から良い物に乗っている感が伝わります。単気筒エンジン的なドコドコとした振動がありつつ、回転の上昇は滑らかでパワーが湧き出すキャラクターです。パワー不足を感じることもなく楽しく走れます。

さすがBMWバイク、高速道路では十分なパワフルさ

 市街地での燃費計測後、アクアライン経由で千葉県木更津エリアに向かい、高速道路の燃費計測に移ります。

東京都内から千葉県木更津エリアへ移動し、高速道路での燃費計測に向かう
東京都内から千葉県木更津エリアへ移動し、高速道路での燃費計測に向かう

 計測区間は次の2つ。区間1は、アクアライン連絡道の「袖ケ浦IC」から館山道に接続して南下。終点の「富浦IC」までの52.8km。区間2は、快走路燃費計測を終えた場所、館山道「富津中央IC」から北上し、アクアライン連絡道「木更津金田IC」までの24.8kmで計測します。

 両区間ともアクアライン連絡道は制限速度が80km/h。館山道は南下ルートでは100km/hから80km/h、70km/hと変化し、対向1車線となります。北上ルートでは館山道の制限速度は100km/h区間のみとなります。

「G310R」はネイキッドバイクながらメーターバイザーが適度に風をいなしてくれるためか、上半身に当たる風は100km/h走行時でもそれほど気になりません。また、アップダウンが連続する館山道でもパワーがあるので速度維持もラク。312ccと250ccクラスでは60cc程度しか排気量は違いませんが、250ccクラスより25%弱の排気量アップ! と言えば納得の走りです。

 燃費結果は南下ルートで35km/l、北上ルートでは33km/lでした。じつは市街地計測を終え、首都高湾岸線からアクアラインで移動した区間で44km/lをマークしていたのでもう少し伸びるかな、と思ったのですが、条件、走行速度が異なると数値は正直に出るようです。アップ&ダウンヒルが連続する館山道は、燃費的にキツイのかもしれません。2区間の平均燃費は34km/lという結果になりました。

ツーリングシーンで実力発揮!? 駆け抜ける歓び

 快走路燃費の計測は、房総半島南部を走る3区間で行なっています。最初の区間は高速道路燃費計測を終えた館山道「富浦IC」直近のコンビニエンスストアを出発し、「安房グリーンライン」などを経由して房総半島南端エリアまでを走る24.1km区間、2区間目は南端エリアから国道410号や県道34号などを経由して鴨川市にある「大山千枚田」までの35.6km区間、3区間目は「大山千枚田」から県道34号、県道182号「もみじロード」などを走り、館山道「富津中央IC」までの25.3km区間です。

the「燃費」の計測ルート。房総半島最南端エリアにて
the「燃費」の計測ルート。房総半島最南端エリアにて

 3区間で合計85kmとなる設定ルートは、それぞれの区間に平坦路とアップダウンのワインディングロードが混在する、房総半島のお勧めツーリングルートです。

「G310R」は快走路でも余裕の走りを見せます。ハンドリングに一体感がありエンジンレスポンスとトルク特性が掴みやすく、走りを楽しめます。とくにアップダウンが多い区間ではトルクに厚みがありアクセルワークだけで速度維持が簡単。312ccのパワーを感じる場面です。

 燃費結果は、区間1が43km/l、区間2が40km/l、区間3が41km/lとなりました。コンマ1単位の表示がないのがちょっと歯がゆいですが、快走路燃費の平均は41.3km/lでした。

単気筒、小排気量だから抜群とはいかないものの、走りと燃費の総合性能に納得

 市街地、高速道路、快走路の計測区間175kmの平均燃費は36.5km/lとなりました。容量11リットルの燃料タンクを満たせばかなりの距離を移動できる計算になります。

実際の燃費はどうなのか? BMW Motorrad「G310R」(2021年型)を走らせる筆者(松井勉)
実際の燃費はどうなのか? BMW Motorrad「G310R」(2021年型)を走らせる筆者(松井勉)

 以前、the「燃費」で計測したホンダ「GB350」は、「G310R」と比較して車体が重たく、エンジン排気量も大きいですが、燃費結果では「G310R」を上回りました。エンジンの特性、ギアリングも大きく影響しているのでしょう。排気量、重量、シリンダーの数、という単純な通説だけでは、燃費は計れないようです。

■BMW Motorrad「G310R」(2021年型)燃費結果
総合評価:☆☆☆☆★(ホシ4つ)
総走行距離:175km
市街地:27.0km/l
高速道路:34.0km/l
快走路:41.3km/l
総平均燃費:36.5km/l

【画像】BMW Motorrad「G310R」(2021年型)の燃費性能は? 実際に走って調査!(9枚)

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Writer: 松井勉

モーターサイクル関係の取材、 執筆、プロモーション映像などを中心に活動を行なう。海外のオフロードレースへの参戦や、新型車の試乗による記事、取材リポートを多数経験。バイクの楽しさを 日々伝え続けている。

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