機能美が光るヤマハの新型e-BIKE スポーツサイクルに電動アシスト機能搭載で「楽しむ」乗り物へ

ヤマハの新型「WABASH RT」と「CROSSCORE RC」は、電動アシスト機能を搭載するスポーツサイクルです。キャラクターの異なる2種のe-BIKEに試乗しました。

電動アシストは“体験”を提供する機能美

 自転車ファンのなかには、アシスト力に依存するという意味がヨコシマであると断言する人もいるでしょう。しかし「体験を提供する」というとお膳立てありきの受動的な印象にとらえられてしまうかもしれませんが、e-BIKE(電動アシスト自転車)はあくまでも「ペダリング=努力」に対する福音であり、自分だけの力では到達できない場所へ誘ってくれるモビリティなのです。

ヤマハ新型「WABASH RT」に試乗する筆者(山本健一)
ヤマハ新型「WABASH RT」に試乗する筆者(山本健一)

 つまりは独力ではたどり着けない場所、距離や時間を、e-BIKEを介することで実現することができ、ひいてはライドするモチベーションにも変換できる機能美だと言えます。

 ヤマハから新登場となった「WABASH RT(ワバッシュ・アール・ティー)」と「CROSSCORE RC(クロスコア・アール・シー)」は、スポーツe-BIKEである「YPJ」シリーズに加わったニューモデルです。いわゆる生活に密着した汎用タイプではなく、ライド体験を獲得することにフォーカスした、“遊び”の幅を広げるモデルです。それぞれどのような特徴があるのか、両モデルに試乗しました。

 まず「WABASH RT」は、外見から想像できるようにスポーツアクティビティに特化したオールロードタイプ(舗装路も未舗装路にも対応できる)のスタイル。標準装備は未舗装路の走行に特化したタイヤを装備した、グラベル向けロードバイクとなっています。

ヤマハ新型「CROSSCORE RC」カラー:フレイムオレンジ
ヤマハ新型「CROSSCORE RC」カラー:フレイムオレンジ

 一方の「CROSSCORE RC」は、コミューティングやレジャー向けのアクティブなアウトドアでの活用を目指したスタイリッシュなバイクです。

 両モデルともメインフレーム設計や電動アシストユニットの仕様は共通とし、構成パーツのスペックを特化させることでそれぞれのターゲットに適したバイクに仕上げています。フレームや電動ユニットの、ゆとりある対応能力がなせる技と言えるでしょう。

共通する部分と、異なるキャラクター

「WABASH RT」に乗り、最初に感じたのはペダリングのスムーズネスでした。オートマチックにアシスト力が変化する電動ユニット、「PWシリーズ ST」ドライブユニットが、グラベル(=砂利道)や林道といった路面状況が変わる場面と相性の良さが際立っています。

ヤマハ新型「WABASH RT」カラー:セレスタイトブルー
ヤマハ新型「WABASH RT」カラー:セレスタイトブルー

 未舗装路は路面走行抵抗が高い状況にあるのでギアが軽く設定されますが、ギア比が軽いとペダルを回す早さ(ケイデンス)も比例して軽く(早く)なります。そういった早いケイデンスの状況でもスムーズに電動ユニットがアシスト力を変化させ、一定のトルクを維持し、スムースなペダリングをサポートしてくれます。とくに急勾配の上り坂では顕著で、立ち漕ぎをしなくても走れるので、悪路でも失速せずに走り切ることができます。

 また、ペダリングアシストがあることでゆとりが生まれます。悪路ではハンドリングにも集中する必要があるので、意識をコントロールに向けることができることで走りに余裕が生まれる点は魅力でしょう。

「CROSSCORE RC」は前述のとおり、「WABASH RT」と同様のフレーム、ドライブユニットを搭載しています。しかしホイール径とタイヤ形状やボリュームの違い、フロントサスペンションの有無などから、まったく違った趣旨のバイクに仕上がっています。

 コンフォータブルな設計で、乗車姿勢にも余裕があり、ゆったりとした気持ちで走りを楽しめます。アシスト力は「WABASH RT」同様に、急な坂道ではパワフルに駆け上ってくれました。

ヤマハ新型「CROSSCORE RC」に試乗する筆者(山本健一)
ヤマハ新型「CROSSCORE RC」に試乗する筆者(山本健一)

 ストップ&ゴーにも強く、走り出しの重たい漕ぎ出しが無く、ペダリングに応じたスムーズなアシストコントロールは非常に楽です。都心などはコーナーを曲がったとたんに急勾配の坂が出現するなど、自転車では失速することも多いのですが、そういったシーンでは抜群の威力を発揮してくれるでしょう。

 フロントサスペンションがあることで、街中の舗装路に多い硬い段差からの衝撃を吸収してくれます。また、ある程度の未舗装路の走行も楽しめそうです。ただしスリックタイヤなので、ぬかるみや激しい悪路には向きません。

 サスペンションの必要がない滑らかな路面では、ストロークをロックすることもできます。リゾート地などの湖畔を走ったり、一日中サイクリング楽しむといった用途に向いているでしょう。

 両モデルに共通した印象としては、スピードが出た場面でもバッテリーなどの重さの偏りなどを感じさせない重量バランスで、とてもコントロールしやすいものでした。

「WABASH RT」と「CROSSCORE RC」共通となる最新の電動アシストユニット「PWシリーズ ST」は、オートマチックアシストモードが特徴
「WABASH RT」と「CROSSCORE RC」共通となる最新の電動アシストユニット「PWシリーズ ST」は、オートマチックアシストモードが特徴

 電動アシスト機能を搭載することで、タイヤの空気圧がよりトラクションに影響を生みやすいので、体重や乗り方に合わせてしっかり調整をすると、より快適に、パワフルに走ることができるでしょう。

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 ヤマハ新型e-BIKEの価格(消費税10%込み)は、「WABASH RT」が43万8900円、「CROSSCORE RC」が31万7900円です。

【画像】ヤマハ新型「WABASH RT」と「CROSSCORE RC」の詳細を見る(19枚)

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Writer: 山本健一

サイクルジャーナリスト(人力バイクのほう)。ジャーナリスト歴20年、自転車競技歴25年の公私ともに自転車漬け生活を送る。新作バイクレビューアー、国内外レースイベントやショーの取材、イベントディレクターなど、活動は多岐にわたる。

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