これって違反!? 大音量で音楽を鳴らしながらバイクに乗る行為
スピーカーを積み、音楽を鳴らしながら走行するバイクをたびたび見かけることがありますが、こういった行為は違反にはならないのでしょうか。
バイクで走りながら音楽を鳴らす行為は違反?
クルマで音楽やラジオを聴きながら運転することは、ドライブの楽しみ方のひとつです。しかし、バイクはクルマのようにボディが覆われていないので、どうしても外に音が聞こえ、周りの人に迷惑がかかってしまいます。
さらに、最近では見かけなくなりましたが、ビッグスクーターにスピーカーを積んで、街中を爆音で走行するスタイルでバイクを楽しむ人も存在します。
こういった、バイクで音楽をかけて走行する行為は、違反にあたるのでしょうか。

結論からいうと、バイクで音楽をかけながら運転することについて、道路交通法上で明確に禁止する記載はありません。
はっきりとしたルールが存在しないため、バイクで音楽をかけながら走行することは、基本的に問題ないといえます。しかし、道路交通法施行細則や騒音防止条例といった、自治体ごとに定められたルールがあり、都道府県によっては音楽をかけての運転を禁止しているケースもあるので、自身が運転する地域のルールをよく確認しておくことが大切です。
バイクはボディが覆われていないという構造上、外からのエンジン音や風切り音などの雑音がダイレクトに聞こえます。そのため、スピーカーからの音は、かき消されやすい傾向にあります。また、フルフェイスなどの耳まで覆われる密閉性の高いヘルメットを着用している場合も、外部からの音が聞こえづらくなります。そのため、音楽を聴く際はどうしても通常よりボリュームを上げてしまう人もの。
これらの理由から、バイクに乗っている際は無意識のうちに周囲に響きわたるほどの大音量で音楽をかけてしまっていることも少なくないでしょう。しかし、当たり前のことではありますが、街中や住宅街など人に迷惑がかかるような場所を走行する際は、特に周囲に気をつかう必要があります。

バイクに乗りながらイヤホンを使う方法は、音が外に漏れづらいので、周囲に迷惑がかからないという点では、スピーカーよりも有効。
この方法もスピーカーと同様に、道路交通法上では違反であると明記されていません。しかし、イヤホンは両耳を完全に塞いでしまうことから、周囲の音が聞こえない状態とみなされ、安全運転義務違反に問われる可能性も高いでしょう。
安全のために音量を小さくしていても、両耳にイヤホンを付けているだけで、警察官によっては違反とみなす場合もあるようです。ただし、片耳だけイヤホンをしている場合は、もう一方の耳で音が聞こえる状態なので、違反にはならないよう。安全面をはじめ、反則切符を切られないためにも、イヤホンをしてバイクで走るときは、片耳だけ装着するのが良いでしょう。

では、どんな違反に当たるかというと、スピーカーで大音量を流しながらの運転もイヤホンの使用も、どちらも取り締まりをおこなう警察官によっては「安全運転義務違反」とみなす場合があるようです。
道路交通法の第70条では「道路、交通および当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」と定められています。
例えば、スピーカーの音によって救急車やパトカーなどのサイレンや、他のクルマのクラクションなどが聞こえなくなる場合が考えられますが、周囲の警告音などが聞こえず安全を確保できない状態での運転は、安全運転義務違反とみなされ、反則切符を切られる可能性があるということ。
これらの内容から、音楽を聴きながらバイクを運転しても、周囲の音が聞こえる程度の音量であれば違反になることはないといえます。しかし、運転中に音楽を聴くことで耳から入ってくる情報が減少することは確実なので、いつも以上に慎重に運転する必要があるでしょう。