ふたつの「Z」に、想いが重なる ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.156~

レーシングドライバーの木下隆之さん(筆者)は、日産新型「フェアレディZ」への想いが、カワサキ「Z900RS 50th Anniversary」に重なると言います。どういうことなのでしょうか?

アメリカで成功した、往年の「Z」へのオマージュ

 日産フェアレディZは、1969年にデビューしてから日本を代表するスポーツカーの王道に君臨してきた伝統のブランドだが、それも7代目となり話題沸騰である。6代目の「Z34型」の誕生は2008年だから、驚くことに14年ぶりの刷新になる。それが、新型は53年の歳月を遡り、初代フェアレディZをオマージュして誕生したのである。

カワサキ「Z900RS 50th Anniversary」は、往年の名車「900 super4(通称:Z1)」(1972年)誕生から50周年を記念した特別仕様車(2022年2月1日発売)
カワサキ「Z900RS 50th Anniversary」は、往年の名車「900 super4(通称:Z1)」(1972年)誕生から50周年を記念した特別仕様車(2022年2月1日発売)

 フロントライトは、初代の丸型2灯をイメージしているし、全体的なフォルムも初代に限りなく近い。そもそも、エンブレムの書体も初代の復刻であり、貼られている位置も角度も初代そのままである。

 V型6気筒3リッターツインターボは405psを発揮。ATに加えて6速MTをラインナップ。機能そのものは最新の技術が投入されていることは言うまでもないが、雰囲気は初代を追い求めている。

 販売も驚くほど好調だ。初代を知らない世代にとっては新鮮なスタイルに映る。かつての栄華を懐かしむシニア層にももちろん支持されている。さらに、単なる懐古趣味の対象ではなく、先進性を感じるユーザーも多いという。

 そんなフェアレディZを試乗していて頭に浮かんだのは、カワサキ「Z900RS 50th Anniversary」のことだ。

 ホンダ「レブル1100」に乗りたくて、還暦を過ぎてから大型自動二輪免許を取得した僕(筆者:木下隆之)は、今度は新型「NT1100」でツーリングを楽しむ日々を過ごしているのだが、憧れの「Z2(ゼッツー)」の原型である「Z1(ゼットワン)」(=900 super4)をオマージュして登場したカワサキ「Z900RS 50th Anniversary」に恋焦がれている。その気持ちと新型フェアレディZへの思いが重なるのだ。

 僕は「Z1」の栄華を知らない世代だ。初めてバイクの免許を取得した当時は排気量が750ccを上限として定められており、900ccの「Z1」はアメリカで人気だというメディア報道でその存在を知るだけで、現実的ではなかった。だからこそ、いま乗りたいと心から希望している。

 日本車でありながらアメリカで大成功した初代フェアレディZ。そのオマージュである新型フェアレディZへの恋心と、アメリカを席巻した「Z1」の再来であるカワサキ「Z900RS 50th Anniversary」。気持ちはひとつの糸で結ばれている……。

【画像】カワサキ「Z900RS 50th Anniversary」を見る(8枚)

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Writer: 木下隆之

1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

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