夜道の走行で大活躍?「コーナリングライト」機能とは
昨今、バイクの進化もめざましく、さまざまな電子制御システムを搭載しているモデルも増えてきました。夜間の走行で活躍するという「コーナリングライト」機能もその内のひとつですが、これはどういったシステムなのでしょうか。
夜道の走行で大活躍?「コーナリングライト」機能とは
最新のバイクの電子制御技術はめざましい進化を遂げていて、「クルーズコントロール」や「電子制御サスペンション」など、様々な安全装備や快適装備が標準装備されていることが多くなっています。「コーナリングライト」もそのひとつですが、どういった機能なのでしょうか。

バイクはその性質上、曲がる時に曲がる方向に車体を傾けながら進みます。ヘッドライトの光軸は直進時(つまりバイクが直立した状態)でロービーム、ハイビームの配光が最適化されています。もちろん、コーナリング時に車体が斜めになっても、進む方向に光が飛ぶような配光部分もありますが、直進時と比較すれば照度範囲が限られます。
例えば左カーブを走る時、車体は左に傾きます。ヘッドライトが照らす明るい部分は車体が斜めになるため、カーブのイン側に集まる傾向があり、手前が明るく、ライダーが見たいコーナーの先にはダークスポットができてしまいます。

実際に明かりのほとんどない夜間の峠道などを走った際に、カーブを走っていて「カーブの先が見たいのに暗くて見えにくい」と、不安を覚えた経験のあるライダーも少なくないかもしれません。しかしコーナリングライトは、コーナリング中にバイクの正面を照らすだけで、進行方向は照らしてくれない、という部分を補正し、しっかりと進行方向を照らしてダークスポットを減らしてくれる機能です。
まず、コーナリング開始をセンサーで感知し、コーナリングライトを点灯するよう電子的に指示を出します。そして、車体の速度や傾きに合わせてその明るさまで変化させ、必要なエリアを照らし、ライダーに安心感を与えてくれます。
また、バンク角度が増すにつれてライトの光量が増え、コーナーのイン側が明るくなると同時に、カーブの奥もはっきりと見えるようになります。

コーナリングライトは、現行の国産バイクだとカワサキ「Ninja H2 SX SE/SE+」や、ヤマハ「TRACER9GT」、ホンダ「CRF1100Lアフリカツイン」などに標準装備されています。
装備されているか・いないかでは、夜間走行の暗い視界に大きく差が出るコーナリングライトですが、いまだに一部の上級ツアラーにしか標準装備されない傾向があります。これには、なにか理由があるのでしょうか。
コーナリングランプのバイクへの装備を、自動車基準調和世界フォーラム通称WP29が許可したのは2013年のことです。ただ、コーナリングライトを装備するにあたって、注意点もあります。クルマのコーナリングライトの場合は、ハンドルの切れ角に応じて照射するようになっているのに対し、バイクには「バンク角に応じて照射する方式のみ許可」という条件が設けられています。
つまり、IMU(慣性計測装置)を付けないとコーナリングライトを付けられないため、採用がなかなか簡単にはいかないようです。
IMUを搭載しているバイクは、そのセンサーによって、ヨー、ピッチ、ロールを6軸で計測し、正確かつリアルタイムに車両の姿勢を検出することで、クイックシフター、ウィリーコントロール、電子制御式サスペンション、ABS、コーナリングライト等をより的確に制御できるようになっています。

コーナリングライトも、車体の状況をIMUで常にモニタリングしているので、カーブに入り、ライダーが視線を向けた頃にはすでにコーナリングライトは必要な照度・範囲で点灯させ、カーブを終えて直進方向にバイクが向く頃には自然に消えてくれます。IMUのおかげで得られた、的確でスムーズな電子制御は、ライダーに安心で快適なライディングをもたらしてくれます。
現在コーナリングライトを標準装備していることが多いツアラーバイクは、季節や天候、時間などさまざまな条件下で長時間走ることが多いため、コーナリングライトは必須レベルで必要な装備といえるでしょう。
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夜間走行の視界を照らし、カーブでの視野を確保するとともに、路上の障害物などの早期発見にも繋がるコーナリングライトは、バイク中央のヘッドライトとポジションランプだけよりも、存在を把握してもらいやすく対向車からの視認性が高まるというメリットもあります。
昼間だけでなく、夜間走行をする機会の多いライダーは、優れたコーナリングライトを採用したバイク、という視点も次の愛車選びの参考にしてみるのも良さそうです。





