「アウトランダー」や「モンキー」は愛される呼び名 ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.167~

レーシングドライバーの木下隆之さん(筆者)は、「モンキー」は差別用語ではなく、愛されていると言います。どういうことなのでしょうか?

モデル名から受ける印象もさまざま?

 アメリカに住む僕(木下隆之)の友人から、こんなメールが届いた。

「三菱とも親しいよね。だったら伝えて欲しいんだ。新型のアウトランダーはいいクルマだと思うけれど、その名称はアウト(はずす)・ランド(地面)、つまり、コースアウトに聞こえるんだよ。アメリカで販売するのならば、改名したほうが良いと思うよ」と。

三菱アウトランダーの名称には「コースアウト」のイメージが!? アウトランダーPHEVは、2021年度のPHEV国内販売台数No.1を獲得したという(日本自動車販売協会連合会調べ:2021年4月~2022年3月)
三菱アウトランダーの名称には「コースアウト」のイメージが!? アウトランダーPHEVは、2021年度のPHEV国内販売台数No.1を獲得したという(日本自動車販売協会連合会調べ:2021年4月~2022年3月)

 なるほど、疑いもしなかった。確かに、日本人的に直訳するとそうなる。アメリカ在住の友人の忠告なのだから、間違いはないのだろう。

 ただし、その名称は三菱自動車の知財部が念入りにチェックしているはずだ。車名が重複していれば訴訟問題にもなりかねない。名称によっては人権侵害で混乱を招く。車名がスラングや放送禁止用語であるのか否かを含めて綿密な調査をしたはずだから、そんな間違いはするはずがないと思う。

 という話を返したのだが、そのアメリカ在住の友人は、ホンダ「モンキー50」をカスタムしてたいそうかわいがっている。

「モンキー(猿)」はたびたび差別用語として扱われる。日本人の差別用語は「イエローモンキー」だ。同じ人間でも人種は様々あり、肌の色に対する蔑視になる。

 米国大統領はラテン系市議会議員の黒人の子供を「猿のようだ」として抗議活動にまで発展した。

 サッカー日本代表の吉田麻也選手が韓国戦で活躍すると、彼の顔に猿の絵文字でバカにされたこともあった。

 ファストファッションの「H&M」は、黒人モデルに「ジャングルで一番クールなサル」と書かれたパーカーを着させたことで炎上した。

自身も所有する新旧モンキーとたわむれる筆者(木下隆之)
自身も所有する新旧モンキーとたわむれる筆者(木下隆之)

 モンキーという単語は、時に蔑視の対象にもなる……だが! ホンダ「モンキー」は愛されている! そのキュートなスタイルは素直に愛らしいし、あの小さなバイクに巨漢がまたがっちゃうと、それはそれで可愛い。モンキーが差別用語などとはまったく感じられないのだ。

 三菱アウトランダーもホンダ「モンキー」も、もはや愛されているからそのままで良いと思う。

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Writer: 木下隆之

1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

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