整列するトレーラーと巨大ホスピタリティ バレンシアGP開催地「サーキット・リカルド・トルモ」のパドックをブラ歩き

2022年11月6日にMotoGP第20戦バレンシアGPが行なわれた、スペインの「サーキット・リカルド・トルモ」のパドックをぐるりと歩いてみました。その様子を紹介します。

圧巻。巨大な建物やトレーラーが綺麗に並ぶ光景に震える

 2022年シーズンのMotoGPで、11月6日に決勝レースが行なわれたMotoGP第20戦バレンシアGPでは現地に赴いてレースの模様を取材していた筆者(伊藤英里)ですが、ライダーをはじめ世界最高峰のロードレースに臨む関係者が過ごすパドックも気になるフィールドです。スペインのサーキット・リカルド・トルモのパドックをぐるりと歩いてみました。

「#Grazie Vale」の文字とともに描かれているロッシの壁画
「#Grazie Vale」の文字とともに描かれているロッシの壁画

 パドックはコースの外側に位置しています。そして、サーキット・リカルド・トルモは反時計回りのコースレイアウトです。というわけで、パドックからサーキットのメインストレートを正面に見る形で立つと、向かって左が最終コーナー、右が1コーナーという位置関係となります。

 最終コーナー側には特徴的なコントロールタワーがあります。ここをさらに最終コーナー側に出るとレストランがあって、その壁には、2021年にこの地で引退したバレンティーノ・ロッシ選手の壁画が大きく描かれています。どこかにロッシ本人のサインも入っているはず……なのですが、撮影位置からは木の陰になっていたようで、確認できませんでした、残念!

ドゥカティのトレーラー。この奥を進むとピットがある。トレーラーの前ではファンがライダーを出待ちしている姿をよく見かける
ドゥカティのトレーラー。この奥を進むとピットがある。トレーラーの前ではファンがライダーを出待ちしている姿をよく見かける

 さて、くるりと方向転換して、1コーナー側に向かって行きましょう。向かって左手(メインストレート側)はピットになり、チームのトレーラーがずらりと並んでいます。例えばドゥカティ・レノボ・チームのピットの裏には、ドゥカティ・レノボ・チームのトレーラーが止まっているわけです。

 このトレーラー群、その鼻先がぴしりと美しく揃っているんです。トレーラーの間隔も見事に整っていて、見ているだけでもそれを行なうスキルやコントロールを感じて震えるほど。全てにおいて、プロフェッショナルが集う場所なんですね。

チーム・スズキ・エクスターのトレーラー(ピット裏)はちょっと洒落ている。これが今季限りというのは、なんとももったいない……
チーム・スズキ・エクスターのトレーラー(ピット裏)はちょっと洒落ている。これが今季限りというのは、なんとももったいない……

 MotoGPクラスの各チームのトレーラーは、それ自体がちょっとした建物のようになっています。チーム・スズキ・エクスターなどは2階建ての構造です。

 おっと、歩いているとアレックス・マルケス選手がバイクに乗って移動しているところに遭遇しました。ライダーやスタッフたちはスクーターやスクータータイプの電動バイク、電動キックボードでパドックを移動することが多いです。パドックを歩いていると、あのMotoGPライダーがバイクに乗って走り去っていった……なんてシーンを見かけることもしばしば。

後ろ姿をかろうじてキャッチしたアレックス・マルケス選手。スクーターの後部シートに座り、タンデムで移動するところだったらしい。ライダーが誰かを後ろに乗せて移動する姿を見ることもある
後ろ姿をかろうじてキャッチしたアレックス・マルケス選手。スクーターの後部シートに座り、タンデムで移動するところだったらしい。ライダーが誰かを後ろに乗せて移動する姿を見ることもある

 さらに1コーナー側へと進んでいくと、ピット側のトレーラーはMoto2クラス、Moto3クラスのトレーラーになっていきます。サーキット・リカルド・トルモの場合、ピットの割り当てとして最終コーナー側からMotoGPクラスのチーム、続いてMoto2クラス、Moto3クラスになるからです。

 チラリと目を右側へ向けると、チームのトレーラーの対面には、ミシュランなどサプライヤーのトレーラーなどが並んでいます。

 最も1コーナーに近い位置はテントピットになっていました。常設のピット数は限られているため、サーキット・リカルド・トルモの場合、Moto3クラスの一部チームはテントピットを使用します。ここでパドックのほぼ端まで来たことになります。

ピット裏に停められたトレーラーの向かい側。ミシュランはトレーラーの間にタイヤサービスが設置されていた
ピット裏に停められたトレーラーの向かい側。ミシュランはトレーラーの間にタイヤサービスが設置されていた

 しかしパドックはまだ終わりません。ピット裏とサプライヤーのトレーラー群の裏(駐車場側)に向かい、今度は1コーナー側から最終コーナー側へと歩いていきます。

 このエリアは、左手にMotoGPライダーたちのモーターホームがずらり。MotoGPライダーたちは、パドックのホスピタリティ(後述)で食事をとり、パドックに停められたモーターホームで寝泊まりする週末を過ごします。まさに、レースに最大限集中できる環境にいるわけですね。

マルケス兄弟(マルク・マルケス選手とアレックス・マルケス選手)は同じモーターホームらしい。それぞれのイメージカラーが施されている
マルケス兄弟(マルク・マルケス選手とアレックス・マルケス選手)は同じモーターホームらしい。それぞれのイメージカラーが施されている

 先に進むと、MotoGPクラスのホスピタリティが見えてきます。ホスピタリティはチームがゲストを迎えたり、打ち合わせをしたり、ライダーを含むスタッフたちが食事をとる場所です。チームにもよりますが、各日終了後の囲み取材が行なわれることもあります。

 中はちょっとしたレストランのようにテーブルや椅子が並び、大型のテレビではレースの映像が流れ、コーヒーやエスプレッソなどのドリンクを提供するカウンターが備えられています。年間20戦、世界中を転戦する中で、楽しみのひとつである食は大事ですからね。そういう設備ひとつとっても、しっかり配慮されているのだなあと感じるところです。

モーターホーム群を抜けて最終コーナー側に進むと、ホスピタリティが立ち並ぶエリアに入る
モーターホーム群を抜けて最終コーナー側に進むと、ホスピタリティが立ち並ぶエリアに入る

 この大きなホスピタリティも、レースが終われば解体されてまた次の場所へ移動していくのだから、本当に驚きです。バレンシアGPは火曜日に公式テストがあり、その取材のためにサーキットを訪れると、ゆるやかに解体作業が始まっていました。MotoGPには、本当にたくさんの人が携わっているんですね。

ヤマハのホスピタリティは未来感がある。決勝レース後はファビオ・クアルタラロ選手の囲み取材がここで行なわれた
ヤマハのホスピタリティは未来感がある。決勝レース後はファビオ・クアルタラロ選手の囲み取材がここで行なわれた

 ということで、MotoGPバレンシアGPが行なわれた、サーキット・リカルド・トルモのパドックをぐるりと一周してみました。いかがでしたでしょうか。

 歩いていると、パドックは華やかであると同時に、その週末にライダーやチームクルー、その人たちを支える人々が快適に、ベストなパフォーマンスを発揮できるよう、機能的に整えられていました。パドックも含め、MotoGPは世界最高峰の場所なのかもしれません。

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Writer: 伊藤英里

モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。

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