不動の「ダックス50」をプチレストア! ガソリンタンク&バッテリーを装着【vol.3】

ホンダ DAX50のプチレストア計画・第3回目。前回で無事にエンジンがかかったので、今回はガソリンタンクを装着して、バッテリーも新品を用意! 燃料と電気の安定供給を図ります。

グリスで滑らせて、ガソリンタンク装着!

 ガソリンタンクの中にサビは見られませんでしたが、劣化したガソリンがこびりついていたため、今回の取材日までに細井さん(ナインゲート店主)がエンジンコンディショナーで洗浄してくれていました。

 エンジンコンディショナーをタンク内にたっぷり吹き付け、20分ほど浸け置き。パーツクリーナーでコンディショナーを洗浄します。

エンジンコンディショナーでタンク内を洗浄します
エンジンコンディショナーでタンク内を洗浄します

 それだけですっかり綺麗になったとのこと。

 あらためて確認しましたが、やはりサビはなかったようです。ひと安心!

燃料ホース取付口
燃料ホース取付口

 次に燃料ホースを装着します。

 ガソリンタンクの底部からホースの取付口が2つ出ています。ひとつは通常のガソリン吐出口、もうひとつはリザーブ(予備タンク)です。

 ダックス50は向かって右側がリザーブです。わからない場合は、タンク内を覗いて確認。ガソリンを吐出するためのパイプが低い方……つまり、底の方にあるガソリンを送り出せるパイプがリザーブ側ということです。

燃料ホースを取り付けます
燃料ホースを取り付けます

 純正ホースは残念ながら廃盤。基本的には内径と長さが合えば使えるので、今回はスーパーカブ用を流用することにしました。

 マーカーで赤いラインを引き、リザーブにします。

一旦、エアクリーナーボックスやキャブレターを取り外す
一旦、エアクリーナーボックスやキャブレターを取り外す

 さて、タンクを装着します……が、ここからが大変です。

 まずは、前回装着したエアクリーナーとキャブレター、インテークマニホールドを外します。

エンジンには養生を忘れずに
エンジンには養生を忘れずに

 エンジン内に異物が入らないよう、マスキングテープなどで養生するのを忘れずに!

ラバーパーツにはグリスを塗ります
ラバーパーツにはグリスを塗ります

 タンクの装着はフレーム内に滑り込ませるようにして入れ込みます。これがじつに大変なので、滑りやすいようにラバーグリスをマウンティングラバーに塗り込みます。

 ガソリンタンク底面にもラバーグリスを塗っておくとベター!

マウンティングラバーを設置
マウンティングラバーを設置

 マウンティングラバーをフレーム内に設置。

ガソリンタンクの装着
ガソリンタンクの装着

 ガソリンタンクをフレーム奥の方へ滑り込ませるようにして入れていきます。この際、燃料ホースを傷つけやすいので、要注意です。

ガソリンタンクの装着
ガソリンタンクの装着

 しっかり奥まで入ればOKです。

エアクリーナーボックスの装着
エアクリーナーボックスの装着

 エアクリーナーの吸気吸入口はフレーム内に入れるので、キャブレター装着前に必ずエアクリーナーボックスを装着します。

 続いてインテークマニホールド、最後にキャブレターを取り付けます。

燃料ホースの装着
燃料ホースの装着

 燃料ホースは適度な長さで切ります。短すぎるとアウトなので、余裕をもって切断し、長すぎたら調整……という風に切っていくのがベターです。

ガソリンコックは社外品を装着
ガソリンコックは社外品を装着

 前回、異常が見られなかったガソリンコックですが、なんとガソリン滲みを発見! 長期間ガソリンを通していなかったので気づかなかったのですが、(おそらく)数年ぶりにガソリンを通したことで負担が一気にかかり、パッキンなどが逝ってしまったのでしょう。

 しかし、純正コックはすでに納期未定のバックオーダー。しかも価格は7,000円!(2022年9月現在)……というわけで、社外品を装着しました。

フューエルタンクブラケット。ガスケットは劣化が激しい
フューエルタンクブラケット。ガスケットは劣化が激しい

 写真はガソリンタンクを車体に固定するためのブラケット。ガスケットの油分が抜け切ってひび割れていたので、新品に交換します。

新品ガスケットにグリスを塗ります
新品ガスケットにグリスを塗ります

 ガスケットの溝部分(ブラケットとの装着部)にラバーグリスを塗ります。「ゴムパーツは油分を与えることで、持ちが良くなります」と細井さん。

 ナインゲートでは、原則としてゴムパーツにはすべてグリスを入れていくそうです。

バッテリーの土台を装着
バッテリーの土台を装着

新品バッテリーは“補充電”で長持ち!

 バッテリーも土台が外されていたので、まずは取付けから。

 フレームに引っ掛けるようにして装着し、ボルトで固定します。この際、アースの装着を忘れずに!

フューエルタンクブラケットを装着
フューエルタンクブラケットを装着

 先程のガソリンタンクブラケットを装着。シートと共締めなので、同時にシートの装着も完了です!

MFバッテリー
MFバッテリー

 バッテリーはカスタムジャパンのMF(メンテナンスフリー)バッテリーを採用。リーズナブルで性能も良いのでオススメです。

 バッテリーはそのままでは使えません。付属のバッテリー液を注入するのですが、劇物のため取り扱い要注意!! 液を入れる際は銀紙を破かずに、そのままバッテリー本体に刺しましょう。

バッテリー液を補充
バッテリー液を補充

 白い容器からバッテリー液が完全になくなるまで放置。

補充電
補充電

 続いて補充電。バッテリーの多くは、「液を注入すれば、すぐに使える」と謳われていますが、必ず補充電をしましょう。バッテリーの持ちは確実に良くなりますよ!

バッテリーを装着
バッテリーを装着

 充電が完了したら、車体に取り付けます。

 取付け時は必ずプラス端子から! マイナス端子から取り付けた場合、プラス端子を取り付ける際にショートする可能性があって、とても危険。

 ちなみに、取り外す際はマイナス端子から。この順番は頭に叩き込んでおきましょう!!

ガソリンタンクとバッテリーの装着が完了
ガソリンタンクとバッテリーの装着が完了

 燃料タンクとバッテリーの装着が完了しました。

バッテリーカバーを被せて完成
バッテリーカバーを被せて完成

 さらにバッテリーカバーを被せて、ガソリンを入れたら完成です!

メインスイッチをON
メインスイッチをON

 前回はエンジンをかけたら点灯したインジケーターですが、今回はスイッチを入れただけで点灯。バッテリーがしっかり働いている証拠ですね。

 ウインカーやブレーキランプなどもチェックします。

エンジンを始動
エンジンを始動

 キックスタートでエンジン始動。再取付けしたキャブレターも問題なくアイドリンは安定し、吹け上がりも良好。

 燃料ホースやガソリンコックからもガソリン漏れはなく、今回もミッションは無事に完遂しました!

 次回は足周りに着手……まずはフロントフォークのメンテナンスです。
(つづく)

【画像】ホンダ「ダックス50」プチレストアの様子を画像で見る(25枚)

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Writer: 佐賀山敏行

カスタムバイク専門誌の編集長を経て、現在はヤマハSR400/500に特化したWEBマガジン「The SR Times」を運営する。自身も現在93年式と14年式の2台のSRを持つフリークだが、基本的にはバイクは何でも好き。

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