ハーレー「ブレイクアウト117」 排気量を1923ccまで拡大した2023年モデルの乗り味とは?
ハーレーダビッドソンの新型「ブレイクアウト117」の乗り味について、チョッパージャーナル編集長の渡辺まことが解説します。
排気量の拡大でより重厚なトルクを実現
2023年に創業120年を迎え、それを記念したアニバーサリーモデルが発表されたことで注目を集めるハーレーダビッドソン。その中でもここ日本で高い人気を誇るのがFXBR「ブレイクアウト117」(以下:ブレイクアウト)です。

2023年1月18日に世界同時配信のデジタルコンテンツで2023年のニューモデルを発表したハーレーダビッドソン社(以下:H-D)ですが、ブレイクアウトに関しては2023年1月26~29日の期間で東京・代官山“T-SITE”(東京都渋谷区猿楽町16-15)内の特設会場で“ジャパンプレミア”として一般公開。このように単一車種でイベントを開催することからもお分かりのとおり、やはり日本でも注目のモデルとなっています。

今回はそのブレイクアウトの2023年モデルに試乗する機会を得たのですが、最大の特徴は117ci(≒1923cc/※ciはキュービック(立法)インチの略称)まで排気量が拡大されたミルウォーキーエイト・エンジン。従来モデルに搭載された114ci(≒1868cc)と比較して55ccほど大きくなっているのですが、原付一種 約1台分とはいえ、この排気量拡大はかなり効いています。

ちなみに、従来モデルの114ciエンジンのスペックは最大トルク155Nm/3250rpm(2022年式FXBRSブレイクアウトでは馬力未発表)でしたが、2023年モデルでは168Nm/3500rpmと大幅にトルクアップ。馬力も102HP/5020rpmとなっています。今年も114ciの排気量をキープするファットボーイやヘリテイジ・クラシックなどのモデルが94 HP / 5020rpmということを見ても、なかなかのパフォーマンスアップです。
実際にエンジンを掛け、アクセルを捻って車体を発進させてみても「グググッ」とリアタイヤにトルクがかかり、かなりの力強さを感じます。これはともすればこれは240mmサイズ幅の極太ワイドタイヤというセットアップの恩恵かもしれません。

通常、極端にワイドサイズ化されたタイヤを装備したハーレーのカスタム車両の場合、道路の轍(わだち)でハンドルがとられたり、ハンドリングがダルい印象となることも多いのですが、新型ブレイクアウトの場合、個人的にはさほど気になるレベルのものではありません。幾分広めのワイドドラッグバーというハンドルポジションも相まって、思ったよりも扱いやすい乗車フィーリングとなっています。

一方でフロントサスの動きのシブさ、追従性の悪さは気になったポイントのひとつで、今回の試乗の際、最初はハンドリングも重く感じ、リアサスの動きもシブかったので「やっぱハーレーって相変わらずだなぁ」と思ってしまったのが正直な気持ちですが、リアサスのダイヤル式イニシャル調整を緩めて走らせてみるとハンドリングの重さも若干、改善されたのもお伝えしたいポイント。
ハーレーといえばスーパースポーツなどに比べて、走行性能をあまり語られることもないのですが、やはりバイクはバイク。サスのセッティングやタイヤの空気圧ひとつで大きく印象が変わるのは他メーカーのバイクと同じです。

低めのハンドルバーとアシを前に投げ出すフォワードコントロールのポジションにしてもユーザーひとり、ひとりに合わせてカスタムを楽しめるのもこのバイクの魅力です。実際に跨り、走らせてみるとルックスのイメージより乗りやすいでしょう。
また、2023年モデルのルックス面に関して言えばブレイクアウトが再び“カスタム然”としたスタイルになったことも大きな魅力のひとつ。2013年にCVOモデル(ハーレー社のカスタム特別仕様モデル)として登場したFXSBSEブレイクアウトも、カスタム車らしいスタイルで話題となりましたが、26本スポークのアルミキャストホイールを装着し、各部にクロームパーツが散りばめられたニューモデルの雰囲気は、初代ブレイクアウトを彷彿とさせるものです。

車両本体価格は今回試乗したブラックデニムとバハオレンジ、アトラスシルバーメタリックが331万9800円。ビビッドブラックは326万4800円となっていますが、この高級感とパッケージングなら「買い」ではないでしょうか。
Writer: 渡辺まこと
ハーレーや国産バイクなど、様々な車両をベースにアメリカン・テイストのカスタムを施した「CHOPPER」(チョッパー)をメインに扱う雑誌「CHOPPER Journal」(チョッパージャーナル)編集長。カスタム車に限らず、幅広いバイクに対して深い知識を持つベテラン編集者。



















