2023年シーズンから電動バイクレースのMotoEが「世界選手権」に格上げ 開催数も過去最多の全8戦16レースに
2023年、電動バイクレースMotoEは新しい段階を迎えています。2023年シーズンの開催スケジュールと週末のタイムスケジュールを確認していきましょう。
2023年は、MotoEにとって新章の始まり
2023年シーズン、電動バイクレースであるMotoEにふたつの大きな変化がありました。ひとつはドゥカティがマシン供給メーカーとなること。「V21L」というMotoEのために開発された電動レーサーによって争われることになるのです。

そしてもうひとつは、MotoEが「世界選手権」に格上げされたことです。
初年度である2019年から2022年までは「FIM Enel MotoE World Cup」という名称だったところ、「FIM Enel MotoE World Championship」となったのです。
「World Championship(世界選手権)」となるにあたっては、FIMによる次の条件を満たす必要があります。
・様々な国籍のライダーが参戦していること
・8戦以上の開催数
・6カ国以上の国での開催
この三つの条件を満たした2023年、MotoEは晴れて世界選手権となったわけです。ここでは2023年シーズンのMotoEがいつ、どこで、週末にはどのようなタイムスケジュールで行なわれるのかを紹介します。

なお、MotoE全戦がMotoGPのヨーロッパ開催グランプリに併催であることについて変わりはありません。2023年シーズンのMotoE開催カレンダーは以下の通りです。
■2023年シーズン FIM Enel MotoE World Championshipカレンダー
第1戦(5月12日~14日)フランスGP(ル・マン)
第2戦(6月9日~11日)イタリア(ムジェロ・サーキット)
第3戦(6月16日~18日)ドイツ(ザクセンリンク)
第4戦(6月23日~25日)オランダ(TT・サーキット・アッセン)
第5戦(8月4日~6日)イギリス(シルバーストン・サーキット)
第6戦(8月18日~20日)オーストリア(レッドブル・リンク)
第7戦(9月1日~3日)カタルーニャ(バルセロナ・カタルーニャ・サーキット)
第8戦(9月8日~10日)サンマリノ(ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ)
2023年シーズンは2022年に引き続き、全戦で2レースが開催されます。このため、フランスを開幕戦として最終戦のサンマリノまで、2023年シーズンのMotoEは2019年以来最多の全8戦16レースが予定されています。この中で唯一、イギリスだけが2019年からの4年間で開催されたことがない初開催のサーキットで、また、MotoEが海を越えて開催される初めてのレースでもあります。
つまり2023年は開催数だけではなく、同時に開催エリアも拡大されたということです。気の早い話ですが、2024年以降のアジアや日本での開催も期待したくなります。
2023年は土曜日に2レース開催に変更
2023年はMotoEの週末のスケジュールも変更されました。発表されているタイムスケジュールでは、金曜日にプラクティス1、2、そして夕方17時から予選のQ1、Q2が行なわれます。土曜日には12時10分にレース1、16時10分にレース2が開催される予定となっています。

2022年も全戦2レース制でしたが、土曜日に1レース、日曜日に1レースというスケジュールでした。それが2023年は、土曜日に2レース開催。世界選手権となったにもかかわらず、MotoGPクラス、Moto2クラス、Moto3クラスの決勝レースが行なわれる日曜日から外されてしまったのは、若干の疑問を覚えます。
3月17日にイタリアのヴァッレルンガで行なわれたMotoE発表会の中で、MotoGPとともにMotoEをプロモートするドルナ・スポーツのカルメロ・エスペレータ氏は「(MotoGPクラスの)スプリントレースとMotoEのレースを一緒にできないかとレースについて考えました。土曜日には観客数が多くなるだろうと考えています。土曜日はさらに多くの観客を惹きつけるためのベストなスケジュールだと思います」と述べています。
2023年はMotoGPでも週末のスケジュールが変更され、土曜日にはスプリントという日曜日の決勝レースの半分の距離で争われるレースが導入されました。つまり、土曜日にもMotoGPクラスのレースが行なわれるのです。

確かに、2022年シーズンのMotoEのレース2は、日曜日に開催されるMotoGPクラスの決勝レースという最大の人気レースのあとにスタートしていました。注目を集めるという点では、土曜日に2レースというのも方法のひとつかもしれません。
ただ、メインレースが日曜日であることに変わりはありません。電動バイクが新しいテクノロジーを用いたレースとして展開されるならば、土曜日の観客と日曜日の観客、それぞれに(もちろん2日間とも来場するファンも多いでしょうけれど)アプローチしてもいいのでは……とも思えます。
いずれにせよ、MotoEは2019年から4年間の序章を終えました。マシンサプライヤーがドゥカティとなり、世界選手権となった2023年シーズンは、MotoEにとって新章の始まりと言えるでしょう。
Writer: 伊藤英里
モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。






