2023年シーズンの電動バイクレースMotoEに唯一の日本人ライダー大久保光選手を含む18人が参戦 元MotoGPライダーも

2023年シーズンの電動バイクレース『FIM Enel MotoE World Championship』には18人のライダーが参戦します。2022年にチャンピオンを獲得したドミニク・エガーター選手がエントリーリストに名を連ねていない今季、どんなライダーがタイトルを争うのでしょうか。

タイトル争いがより複雑になりそうな予感

 2023年シーズンの電動バイクレース「FIM Enel MotoE World Championship」に挑むライダーの数は、これまで同様18人です。9チームが参戦し、各チームから2人のライダーが走ることになり、このうち5人がMotoE初エントリーです。2019年のMotoE初開催から見続けてきた筆者(伊藤英里)の目線で、注目のライダーを紹介します。

2023年シーズンのMotoEには、9チーム18人のライダーが参戦する
2023年シーズンのMotoEには、9チーム18人のライダーが参戦する

 このエントリーリストには、日本人ライダーとしてただ1人、MotoEに挑み続ける大久保光選手も含まれています。大久保選手は2021年からMotoEに参戦。3年目のシーズンである2023年はチームを移籍し、「Tech3 E-Racing」からの参戦です。

 大久保選手は2022年のフランス大会レース1で、自身としても日本人ライダーとしてもMotoEで初めての表彰台となる、3位を獲得する快挙を成し遂げました。今季でMotoE参戦3年目となり、経験も十分。表彰台の頂点に立つ姿に期待です。

チームを移籍した大久保光選手。MotoE参戦3年目のシーズンを迎える
チームを移籍した大久保光選手。MotoE参戦3年目のシーズンを迎える

 そしてMotoEルーキーとしてティト・ラバト選手が参戦します。ロードレース世界選手権に125ccクラス時代から参戦し、2014年にはMoto2クラスでチャンピオンに輝いた実力者です。MotoGPやスーパーバイク世界選手権(WSBK)での参戦経験もあり、ポテンシャルのみならず、豊富な経験を持つライダーでもあると言えます。

 2022年に圧倒的な安定感を誇り、チャンピオンを獲得したドミニク・エガーター選手は、2023年シーズンのMotoEにエントリーしていません。そんな中でチャンピオンシップの有力候補としてピックアップしたいのは、ジョルディ・トーレス選手とエリック・グラナド選手です。

 トーレス選手は2020年、2021年シーズンのMotoEチャンピオンで、MotoEでの経験値だけではなく、速さと強さを備えています。明るく愛嬌のあるキャラクターの一方、激情家でもあって、2021年のチャンピオンがかかった最終戦サンマリノのレース2では他のライダーと接触して転倒し、なんとかバイクを起こしてゴールしたあとに号泣する姿を見せていました。

 ちなみにレース後、接触したライダーにペナルティが科されたため、トーレス選手がチャンピオンになったわけですが、とにかく、どこか憎めないキャラクターの持ち主です。

2022年は怪我による欠場が響いた2020年、2021年王者ジョルディ・トーレス選手。今季は再びタイトル争いに加わるか
2022年は怪我による欠場が響いた2020年、2021年王者ジョルディ・トーレス選手。今季は再びタイトル争いに加わるか

 そしてグラナド選手は、MotoE初年度である2019年からエントリーリストに名を連ねるライダーです。グラナド選手をチャンピオン候補として挙げるのは2023年が初めてではなく、筆者はずっと、いつかグラナド選手がMotoEチャンピオンになるのではないか、と考えてきました。

 しかし、ここぞというところで転倒してしまう、それがグラナド選手の欠点でもありました。2022年にはMotoEライダーで最多の5勝を挙げ、最後までエガーター選手とタイトルを争いながらも最終戦サンマリノのレース1で転倒し、自滅する形となったのです。

 2023年のプレシーズンに行なわれた2回のテストで、グラナド選手はトップにつけていました。また、2023年はMotoEとともに、WSBKにも「PETRONAS MIE RACING HONDA TEAM」から参戦しています。今季も注目ライダーであることに間違いはないでしょう。

MotoE初年度の2019年から参戦し続けているライダーの一人、エリック・グラナド選手。速さは確か。あとは安定感だ
MotoE初年度の2019年から参戦し続けているライダーの一人、エリック・グラナド選手。速さは確か。あとは安定感だ

 最後に注目したいのが、ニコラス・スピネッリ選手です。今年23歳になるイタリア人ライダーで、MotoEには今季が初参戦のルーキーながら、プレシーズンテストに行なわれたレース・シミュレーションではトップでゴールしています。

 また2023年はスーパースポーツ世界選手権(WSSP)にも阿部真生騎選手のチームメイトとして参戦しており、フル参戦としてデビューイヤーとなる今年、開幕戦のオーストラリアのレース1では2位表彰台を獲得しているのです。MotoEのタイトル争いで頭角を現すライダーになるかもしれません。

 2022年の全6戦12レースから、2023年は全8戦16レースとなり、2戦4レース増加しました。レース数も増えたことで、タイトル争いはより複雑になりそうです。

 2023年シーズンのMotoE開幕戦は、MotoGP第5戦フランスGPに併催で、5月12日から13日にかけて行なわれます。

【画像】2023年シーズンのMotoEに挑む注目選手を見る(6枚)

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Writer: 伊藤英里

モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。

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