生活に寄り添うヤマハ製品がスゴイ ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.188~
レーシングドライバーの木下隆之さん(筆者)は、ヤマハ製品無くしてこれまでの生活は語れないと言います。どういうことなのでしょうか?
ハートにそっと寄り添う、ヤマハというメーカー
意外に思われるかもしれないが、僕(筆者:木下隆之)は楽器の演奏を趣味のひとつにしている。中学時代はトランペットを吹き、高校時代には軽音楽部でバンドを組み、サイドギターをボロリと弾きながらサブボーカルを担当した。

そして思いおこせば、楽器のすべてがヤマハ製だった。トランペットもサックスも、ギターもピアノもヤマハ製。そればかりか、高校時代に8万円で購入した中古バイクは2ストロークエンジンの「RD350」である。大人になってマリンスボーツに目覚め、初めて買った水上バイクがヤマハ「GP760」だ。気がつけば、僕の生活はヤマハ無くして語れなくなっていた。
ヤマハは楽器やバイクだけではなく、通信や建物など手がける産業は幅広い。あたりを見渡せば、必ずどこかに「YAMAHA」のロゴを発見することができるだろう。それほど生活に溶け込んでいるのである。
ヤマハの源流は1887年(明治20年)、山葉寅楠が浜松尋常小学校のオルガンを修理したことからはじまる。
バイクの世界では、スズキは1909年に大工だった鈴木道雄が起こした「鈴木式織機製作所」が源流だ。ホンダは本田宗一郎が創始者であることで有名だが、創業は意外に新しく1948年。戦後の動乱期に、陸軍が使用していたが無線機の発電用エンジンを自転車に取り付けたのが始まりだ。逆にカワサキの歴史は意外に古く、1878年(明治11年)に、築地に造船所を起こしたことからはじまる。
いずれの国内メーカーも将来のモータリゼーションの発展を予測し、後の成功につなげた。そんな中でヤマハは、オルガンの修理から発展したというから、どこかホッコリと親しみやすい。
生活に寄り添い、趣味性の強い分野での浸透が素晴らしい。生活を支えると言うよりも、生活を華やかに彩る。そこにヤマハの魅力を感じる。
マリン業界でも成功を収め、マリンエンジンに加え船体も製造している。ヨットでも老舗である。ハートにそっと寄り添うヤマハ、そんなイメージか僕にはある。
Writer: 木下隆之
1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。