正しい方法を徹底解説! 安全な走りの基本はタイヤの定期的点検から
どんなに高性能なバイクでも、路面に接しているのは前後のタイヤのみ。つまり、タイヤに命を預けていると言っても過言ではありません。そんなタイヤの性能を、正しく発揮させるためには定期的な点検が大切です。そんなタイヤの定期点検の方法をご紹介します。
タイヤ点検の基本は空気圧にあり
どんなに高性能なバイクでも、路面に接しているのは前後のタイヤのみ。つまり、バイクを走らせることは、タイヤに命を預けていると言っても過言ではありません。
そんなタイヤの性能を常に性能を発揮させるためには、定期的な点検が重要です。点検をすることでタイヤが持つ本来の性能が発揮できるのはもちろんのこと、最後までしっかりと使えるなどランニングコストの軽減にもつながります。

タイヤは空気を入れることで形を維持するだけでなく、走行時の衝撃や荷重に対する剛性を確保しています。また空気が減ってくると転がり抵抗が増えるので燃費に悪影響を与えたり、タイヤが変形しやすくなるため、内部の繊維が切れて寿命が短くなったりもします。
乗り心地については個人の好みがありますが、性能面では空気圧が少なくていい事はありません。
そして、タイヤからは空気が自然に漏れていきます。なぜなら、ゴムの分子よりも空気の分子のほうが小さいから。風船が翌日になるとしぼんでいるのと同じ原理です。そのため空気圧の点検と必要に応じての補充は、バイクに乗る上で重要。1か月に1度ぐらいの割合で、給油をする際にガソリンスタンドで行なうのがオススメです。
最近は、セルフのスタンドが増えていますが、自由に使える充填機が置いてあるので、探してみましょう。またフルサービスのスタンドなら、お願いすると見てくれます。

肝心の空気圧の既定値ですが、各バイクの取り扱い説明書以外にも後輪のチェーンカバーあたりに貼られているステッカーに明記されています。
バイクの場合は1名乗車と2名乗車でそれぞれ指定値が違うこともあるので、その数値に合わせると良いでしょう。また普段はひとりで乗っている人も、タンデムをする際は必要に応じて空気圧を変えることが重要。もちろん2名乗車のほうが空気圧は高くなります。
ちなみにクルマに比べて、バイクはかなり高い数値が指定されていることがほとんどなので、クルマを基準にしないようにしてください。
なお、空気圧でよく言われる点検する温度が冷間か温間かという問題。これは、空気は温まると膨張するため数値が違ってくるのが理由です。メーカーの指定は冷間なので冷えているときに測るのが理想ですが、街乗りであればそれほど違いはないので温まっているときでも構いません。
重要なのは定期的にチェックして、適宜、補充するということです。
溝の状態など、見た目もチェック
タイヤには、パターンと呼ばれる溝が刻まれています。これは、オフロード用の場合はダートでのグリップ力を高めるためだったりしますが、一般的にはウエット性能を高めるために付けられているものです。
溝が路面とタイヤの間の水分を除去する役割を果たすにですが、ゴムが溶けて浅くなるとその性能は落ちてしまいます。そのため、溝の残量は重要で、法律でも0.8mm以上と定められています。
この溝が既定値内にあるのかは、わざわざ測らなくてもスリップサインと呼ばれる溝の中にある1段高い部分の状態で判断することが可能。スリップサインが出る場所は、サイドに三角印などで示してあるので、事前に確認しておくと良いでしょう。
スリップサインが表面に出るのはギリギリの状態なので、性能確保という点では早めに交換してください。

合わせて、タイヤの表面の点検も重要。タイヤはゴムでできているので、内部に含まれている油分が抜けたり、紫外線の影響などで自然に劣化してしまいます。つまり溝の残量や形は新品と同じでも、ゴム自体が劣化していることがあり得るのです。
そのため、タイヤ全体を目視してみて、表面にヒビや亀裂が発生していないかを点検しておきましょう。
路肩側を走ることが多いバイクは釘などを踏む確率が高いので、異物が刺さっていないかの確認も大切です。

また、タイヤは自然に劣化することもあり、タイヤメーカーによって構成される業界団体では、生産から5年ほどが使用の目安としています。
いつ生産されたかは、タイヤのサイド部分に記載されており、1122のように4ケタの数字で表されていて、下2ケタが西暦の下2ケタ、上2ケタが何週目かを示しています。例えば1122であれば、2022年の11週目に作られたという事。表記はサイド部分にありますが、片側だけなのでよく見るようにしましょう。
いつ作られたがわかると、そのタイヤの使用期限がわかる上に、中古タイヤを購入する際には素性を知ることもできます。
このように、ひと口にタイヤと言っても点検や確認すべきポイントは多くあるので、覚えておいてください。