“OLD&CHOPPER DNA”という新たなコンセプトを掲げ開催されたカスタムショー「JOINTS2023」 主催者が語るこの先の展望とは
2023年4月30日に愛知県名古屋市のポートメッセなごや3号館にて毎年恒例の「ジョインツカスタムショー」が開催されました。ここではショーをレポートするとともに主催者である高橋充氏に話を伺ってみました。
趣をかえ開催された新生「ジョインツ」
2023年4月30日、愛知県名古屋市のポートメッセなごや3号館にて毎年恒例のジョインツカスタムショーが開催されましたが、今年はこれまでのイベントとは趣を異にした新たなスタートといえるのかもしれません。

2007年開催の第1回以来、チョッパーやハーレーを中心としたアメリカン・カスタムを中心にしてエントリーが募られてきたジョインツですが、今年はショーのコンセプトを若干変更し、“OLD&CHOPPER DNA”というサブタイトルを掲げ、開催。
今までの同ショーといえば派手なバガースタイル(ハーレーのツーリングモデルをベースにしたカスタム)が数多く出展されるイメージだったのですが、今年はそうしたカスタムやハイテックなマシンは2023年9月24日に同会場で開催される予定の“JOINTS NEXT”への参加を呼びかけ、4月30日は純粋な“チョッパーショー”としてスタートを切っています。

確かに当日の会場の雰囲気は、同じくアメリカン・カスタムカルチャーの祭典にして日本最大規模を誇る“YOKOHAMAホットロッドカスタムショー”のプチバージョンといったムードでハイテック系カスタムが抜けた分、ホットロッドを中心としたカーショーを同時開催。このようなショーのコンセプトチェンジが果たされたゆえ、会場は今までとは違う空気感となっていたことが印象に残りました。

ちなみに今回のショーコンセプトの変更と純粋な“チョッパーショー”の開催は、実のところ以前から多くの出展者より要望されていたとのことで、コロナ関連の規制が撤廃された今年にいよいよ実施に至ったと主催者の高橋充氏は語ります。
「チョッパーとハイテックなカスタムといえば、どちらも同じアメリカン・カスタムカルチャーなので興味のない一般の人から見れば同じようなカテゴリーと捉えられがちなのですが、じつはユーザーの皆さんの趣味趣向も異なります。お客さんや出展者の皆さんから“カテゴリーを分けたショーの開催”の要望を受けていたのですが、5類に分類され、コロナ明けといえる今回のタイミングで実験的に“やってみようかな”と思ったのが正直なところです。
もちろん、チョッパーもハイテックなカスタムバイクも個人としては全般的に好きなんですが、お客さんの求めるものがそれぞれの“層”で異なるのもまた事実です。なので今回は“OLD&CHOPPER DNA”という、ふんわりとしたサブタイトルをつけさせて頂いたのですが、これは旧車一辺倒のショーにするつもりもなかったからというか。
“CHOPPER DNA”というタイトルにすることで“ハンドメイドのチョッパー全般”を対象にしたつもりです。エントリーの皆さんの解釈や実際の会場の様子を見るまで正直、ショーのムードがどんな感じになるか予想することが難しかったのですが、当日の会場の雰囲気を見る限り、ひとまずはうまくいったのではないかな、とも思います」。
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実際、当日の会場を見てもこれまでのジョインツとは少し違うムードだったのですが筆者(渡辺まこと)が個人的に感じた限りでも、それは良い方向に転化しているのではないかと思った次第です。
当日のショーといえば午前中が生憎の雨天だったにもかかわらず、多くの人が入場ゲート前で列を連ね、最終的には1万人オーバーを動員。こうした部分でも今回のショーコンセプトの変更は成功したと言えるのではないでしょうか。

今年の9月24日に同会場で開催される“JOINTS NEXT”では、ショーコンセプトに則り、ハイテックなカスタムが中心になる予定とのことですが、現行車を扱うメーカーサイドやパーツメーカーなどからの出展も募り、ビギナーも楽しめるものにしたいとも語る主催の高橋氏。この先も様々な形でショータイトルの通りカスタムシーンの色々な要素を“繋ぎ”、更なる盛り上がりに貢献してくれることを期待するばかりです。
Writer: 渡辺まこと(チョッパージャーナル編集長)
ハーレーや国産バイクなど、様々な車両をベースにアメリカン・テイストのカスタムを施した「CHOPPER」(チョッパー)をメインに扱う雑誌「CHOPPER Journal」(チョッパージャーナル)編集長。カスタム車に限らず、幅広いバイクに対して深い知識を持つベテラン編集者。