【現地】2023年「マン島TTレース」 珍しく好天が続いている予選3日目の様子
現存する世界最古のバイクレースとして知られる「マン島TTレース(Isle of Man TT Races)」が、2023年5月29日~6月10日の日程で始まりました。予選3日日の模様をお伝えします。
とにかくハイスピード!! トップライダーたちは平均200km/hオーバー
1907年からモーターサイクルの公道レースとして開催されている「マン島TTレース(Isle of Man TT Races)」(以下、TTレース)のクオリファイ(予選)3日目となる5月31日、水曜日も前日同様に雲ひとつない快晴の下、現地時刻18時30分から行なわれました。気温約18度と絶好のコンディションで、各カテゴリーのベストラップ更新に期待がかかります。

最初のセッションは「スーパーバイク」と「スーパーストック」クラスの混走で始まり、ここ数年は表彰台の常連となっているディーン・ハリソン選手がカワサキ「Ninja ZX-10RR」でスーパーバイククラス最速の平均時速133.514マイル(213.622km/h)を記録して予選ウィークのトップに立ちました。
一方、スーパーストッククラスはピーター・ヒックマン選手がBMWモトラッド「M 1000 RR」で平均時速133マイルを超える133.284マイル(213.254km/h)を記録。前日までトップだったホンダ「CBR1000RR-R Fireblade」に乗るマイケル・ダンロップ選手を抜いてトップに浮上しました。
ヒックマン選手は続くセッションで、スーパースポーツクラスでも最速の平均時速127.206マイル(203.53km/h)を叩き出し、ダンロップ選手を上回りました。

「スーパーツイン」クラスは、カワサキ「Z650」に乗るジェイミー・カワード選手が平均時速120.912マイル(193.459km/h)を記録したものの、初日にPATON(パトン:イタリアのバイクメーカー)で好タイムを刻んだダンロップ選手には及ばず2番手となりました。
「サイドカークラス」は、ベンとトム・バーチャルの兄弟チーム(Honda LCR)が期待通り最速の平均時速118.523(189.637km/h)で再びトップを守りました。
日本から参戦している山中選手は、スーパースポーツクラスをホンダ「CBR600RR」で走り、49台中48位となっています。

ところで……TTレースではリザルトをラップタイムではなく、「平均時速」で語ることが伝統となっています。もちろん、1周約60kmを17分ほどで走ってしまうと聞くと「速いなあ」と感じると思いますが、それはクルマやバイクで移動する経験があるからこそ。
1周4.8kmのモビリティリゾートもてぎを1分43秒で走る、と聞いても、あまりピンとこないのではないでしょうか。
マン島TTレースが平均時速でレースを語る理由は、TTレースが発祥した1900年代、公道レースが当たり前だった時代に、車両の信頼性や性能を示すための指標として、全世界で比較できる値として用いられていたからです。
MotoGP日本GPで、もてぎのレコードラップの平均時速が166.5km/hに対して、TTレースでは平均時速217.989km/hと聞けば、TTコースがどれほどまでに高速コースで、そこをハイスピードで走るかがお分かりいただけるかと思います。

次の予選(クオリファイ4日目)は6月1日、木曜日の18時30分(日本時間:午前2時30分)に開始される予定です。
Writer: 小林ゆき(モーターサイクルジャーナリスト)
モーターサイクルジャーナリスト・ライダーとして、メディアへの出演や寄稿など精力的に活動中。バイクで日本一周、海外ツーリング経験も豊富。二輪専門誌「クラブマン」元編集部員。レースはライダーのほか、鈴鹿8耐ではチーム監督として参戦経験も。世界最古の公道バイクレース・マン島TTレースへは1996年から通い続けている。











