16のテントピットが配置された「アッセン」 ライダーのコースインを間近で感じるMotoGPオランダGPのパドックを「ぶら歩き」
MotoGPオランダGP取材のために訪れた伝統のサーキット「TT・サーキット・アッセン」をぶら歩き。今回はテントピットエリアに注目します。パドックとコースを行き来するレーシングマシン……そのとき、パドックの一部は緊張感にあふれます。アッセンのテントピットエリアで見た光景をお届けします。
テントピットエリアは、ちょっと特殊な場所
2023年シーズンのMotoGP第8戦オランダGPの取材で訪れたTT・サーキット・アッセンは、アムステルダムのスキポール空港から東北に向かってクルマで約2時間の場所にあります。このサーキットは1925年に公道レースで始まり、1949年にスタートしたロードレース世界選手権の第1回大会から2023年シーズンまで、新型コロナウイルス感染症の影響で中止となった2020年を除いて開催されている長い歴史と伝統を持つサーキットで、「ロードレースの大聖堂」と呼ばれています。

そんな伝統のサーキットに初めて訪れた私(筆者:伊藤英里)は、アッセンのパドックをぶらぶらと歩いてみることにしました。
アッセンのパドックは、最終コーナー側からメインストレートに沿い、1コーナー側に向かってコースの内側にパドックが配置されています。最終コーナーに最も近いピットからMotoGPクラスのチームが並び、1コーナー側に向かうにつれてMoto2、Moto3クラスのチームのピットになっていきます。
常設ピットの前には各チームのトレーラーが並び、通路エリアを隔てて右手にサプライヤーなどのトレーラー、ホスピタリティの列が続きます。
トレーラーやホスピタリティによって通路がつくられ、それぞれが区画のようになっています。これはどのサーキットでもそうなのですが、きっちりと整備されたパドックは小さな町のようだ、と訪れるたびに思います。

さて、ピットに近いエリアを1コーナー側に進んだ先は、テントピットが並ぶエリアになります。テントピット自体はどのグランプリでも配置されていて、常設のピット数には上限があるため、入りきらなかったMoto2、Moto3クラスのチームがテントピットになるのです。ただ、アッセンは常設ピット数が34とあまり多くはなく、そのためテントピットエリアも少し広めでした。
テントピットエリアを詳しくのぞいてみましょう。
アッセンのテントピットは合計16。最も手前には、このオランダGPで4戦連続表彰台を獲得したMoto3ライダー、佐々木歩夢選手が所属するリキモリ・ハスクバーナ・インタクトGPのピットが配置されていました。
Moto2、Moto3クラスの走行が始まると、各ライダーはここからコースに出ていきます。テントピットはパドック内にありますから、パドックをレーシングマシンが通過してコースインするわけです。

もちろん、この時間帯はテントピットエリア、そしてバイクが通過するために設定されたエリアの立ち入りは制限されます。とは言え囲っているのは柵だけなので、非常に近くでピットイン、ピットアウトする、セッション中のライダーの様子を見ることができるのです。
そのエリアに入ってくるときにはすでに減速しているとは言え、セッション中のライダーの、メカニックの緊張感。それはぴりぴりと肌を刺すほどで、ただ見ているだけでも圧倒されるものがあります。

セッションが終わればテントピットエリアはパドックの一部に戻ります。パドックにいる人は誰でも、ピットの中や、そこで行なわれている作業を眺めることができるのです。
常設ピットの立ち入りは常に制限されていますから、テントピットエリアはパドックのなかでもちょっと特殊な場所かもしれません。
テントピットエリアが気になった、アッセンのぶら歩きでした。
Writer: 伊藤英里
モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。














