苦戦しながらも追い上げのレースを見せたMotoE最終戦! レーシングライダー大久保光のレースレポート
レーシングライダーの大久保光選手が参戦したMotoE世界選手権最終戦 サンマリノGPのレポートです。
新型マシンと新たなチームに苦戦した2023年
皆様こんにちは!レーシングライダーの大久保光です。
MotoE世界選手権の最終戦を、無事に終えました。振り返ってみると今年はとても難しいシーズンとなったと思います。ランキングは13位、最高順位は開幕戦、フランスラウンドのレース1の5位となりました。
今季は、エネルジカからドゥカティにマシンコンストラクターが変更され、新しいマシン、新しいチームでのレースとなりましたが、その辺りを最後までアジャストすることができませんでした。
来年に関しましては、MotoEへの参戦はまだ未定ですが、交渉中なので、うまく交渉していければと思っています。
今回は最終戦となるミサノラウンドについて、書いていきたいと思います。

最終戦ではまず、公式のプログラムが始まる前の木曜日に、来年に向けての新しいタイヤテストをするための、走行時間が設けられました。
走行時間は15分が3回あり、それぞれ新しいコンパウンとのフロントタイヤ、リアタイヤが用意されていましたが、個人的にはそこまで大きな変更はないような感触。タイヤライフという面では、今までのものより良くなっているように感じました。
そして金曜日からは、いつも通りに公式走行がスタート。非公式ではありますが、木曜日にタイヤテストでしっかりと走り込むことができたので、セットアップも順調に進んでいきました。
とは言え、ほとんどのライダーが同様の状況なので、タイムも接戦。そのためQ2への進出を逃してしまいましたが、良いフィーリングを持って予選に挑むことができました。

しかし予選Q1ではフロントに問題を抱えてしまい、フリー走行より1秒以上遅いラップタイムとなってしまいます。その際にチーフメカニックと揉めてしまい、難しい予選となりました。最終戦ということもあり、チーフメカニックとはもうそれきり口を聞くこともなく、土曜日のレースに臨む状況となります。
なんとか土曜日のレース前にチーフメカニックと再び話し合う事ができたのですが、私の方から「もうバイクに触らないで欲しい」という旨をしっかりと伝え、どうにかライダーのライディングでアジャストして、レースを戦うことを決意しました。
そして予選15番手からのスタートとなりましたが、レース1ではしっかりと追い上げていくことができ、9位でチェッカー。レース2は12位と、レース1より追い上げていくことができませんでしたが、しっかりと順位を上げてチェッカーを受けることができました。
冒頭に書いたように、まだ来年のMotoEへの参戦は未定ですが準備は怠ってはならないということで、すでにシーズンオフのトレーニング計画をいくつか立てています。
今はまだモルドバに滞在していますが、しっかりと体作りをモルドバで行い、日本に帰った暁にはしっかりとバイクに乗り込んで行けるようにしていきます。
最後になりましたが皆様、1年間応援ありがとうございました。
今年のレース(予選のみを含む)で乗ったバイク達。
— Hikari Okubo 大久保 光 (@hikari_No78) September 21, 2023
•フロントフォーク+エンジン
•フロントフォーク+バッテリー
•フロントスイングアーム+エンジン
と…それぞれいろいろな特性を持っていました。 pic.twitter.com/J40ATHxnzx