「フレーム」はバイクの大切な骨格! どんな種類がある?
バイクのカタログや、メーカーHPに掲載されている「スペック」や「仕様」、「諸元」の表には、購入時の参考やライバル車との性能比較など、役立つ情報が含まれています。走りに直結する「フレーム形式」は、たくさんの種類がある!
フレームには様々な形状がある
エンジンや懸架装置(サスペンション)を組み付け、バイクの骨格となるのが「フレーム」です。バイクの乗り味や、ハンドリングなどの走行性能に大きく影響するので、バイクメーカーは様々なフレームを開発し、かつてはそれぞれに名称を設けていた時代もありました。しかし現在のスペック表では、ある程度の種類の表記に収まっています。

現在のスポーツバイクのフレーム形式の表記でもっとも多いのが「ダイヤモンド」です……が、多いがゆえに、少々複雑なのでダイヤモンドは最後に回し、まずは見た目の形状的にも判りやすいタイプから見て行きましょう。
かつての高性能フレーム
まずは「ダブルクレードル」です。クレードルとは赤ちゃんを入れる「ゆりかご」のことで、横から見るとエンジンをグルリと囲っている形がゆりかごに似ていることが由来となっています。

絶版旧車で人気のカワサキ「Z1」など、昔の大排気量スポーツ車や、現在もクラシック路線の「メグロK3」などが採用しています。いわゆるジャパニーズネイキッドが多く採用しました。
ステアリングヘッドパイプ(フロントフォークの取り付け部)から下方に伸びるパイプ(ダウンチューブ)が2本あるため、「ダブルクレードル」と呼びます。
重量やコストに優れる「セミダブルクレードル」
次に「セミダブルクレードル」について。こちらはステアリングヘッドパイプから伸びるダウンチューブが、最初は1本で途中から2本に分かれるタイプのクレードルフレームです。

フレーム剛性(ごうせい:力が加わった時に変形しにくい強さ)はダブルクレードルに譲りますが、軽量・スリムに作れるため、単気筒や2気筒エンジンのモデルに多く使われています。
1970~80年代の中排気量車や、現在もホンダの2気筒1100シリーズ(アフリカツイン、NT1100、ホーク11)が採用しています。
ルックス通りの「背骨」
ホンダの「スーパーカブ」シリーズや、人気の「リバイバル125」シリーズなど、ホンダ伝統の横型エンジンのバイクに使われるのが「バックボーン」フレームです。

馬や牛など4足歩行の動物の背骨(バックボーン)のようなフレームにエンジンを吊り下げる方式です。
足を揃えて乗るためには必須の形状
足を揃えて乗るフロアボード式のスクーターに多いのが「アンダーボーン」フレームです。

スクーターはエンジンと後輪、スイングアームが一体になった「ユニットスイング」を、アンダーボーンフレーム下側の後端に繋ぐレイアウトになっています。
エンジンもフレームの一部!?
それではいよいよ、現行スポーツバイクに多い「ダイヤモンド」ですが、これは“エンジンをフレーム剛体の一部に使う”フレームのことです。そのため材質はスチール製のパイプやアルミの角材、アルミの鋳造など様々で、形状も多岐に渡ります。

「ダブルクレードル」や「セミダブルクレードル」が、エンジンを抱くようにして「搭載」するのに対し、「ダイヤモンド」はエンジンとフレームを“合体”するイメージでしょうか。ダウンチューブを持たないため軽量で、エンジン下にフレームが無いので最低地上高やバンク角を確保しやすいのも特徴です。
ちなみに、1980年代半ばから流行したレーサーレプリカや近年のスーパースポーツ車は、アルミ製で幅の広いフレームが主流で「ツインスパー」や「ツインチューブ」と呼ばれますが、スペック表の表記では「ダイヤモンド」となっています。
細いパイプが特徴的な「トレリス」
ほかにも、スポーツバイクのフレーム形式に「トレリス」があります。有名なところではかつてのドゥカティや、国産車ではカワサキ「Ninja H2」や「Z H2」等がトレリスフレームを採用しています。

「トレリス」は「格子」の意味で、細めのスチールパイプを格子状に組み合わせています。この場合もエンジン自体をフレーム剛体として使うので「ダイヤモンド」フレームの一種と考えられます。
Writer: 伊藤康司
二輪専門誌『ライダースクラブ』に在籍した後(~2005年)、フリーランスの二輪ライターとして活動中。メカニズムに長け、旧車から最新テクノロジー、国内外を問わず広い守備範囲でバイクを探求。機械好きが高じてメンテナンスやカスタム、レストアにいそしみ、イベントレース等のメカニックも担当する。

















