インドネシア「カスタムフェスト」で開催された「YAMAHA yard built」に見る「XSR」カスタムの可能性
インドネシアで開催されたカスタムカルチャーイベント「カスタムフェスト」でヤマハ主催のカスタムバイクプロジェクト“Yamaha Yard Built – XSR 155”が開催されました。ここでは渡辺まことさんがレポートします。
メーカー主導の“Yamaha Yard Built”
車検もなく、保険も安く抑えられることから人気の原付二種モデルですが、2023年12月8日にヤマハ発動機から発売されたXSR125(50万6000円/消費税10%込)に興味を抱いている方もきっと多いはずでしょう。

水冷・4ストローク・SOHC・4バルブのシングルエンジンを搭載し、6速リターン式ミッションを採用したこのモデルは、いわゆる“本格的なバイク”の装備が与えられているゆえ、バイクビギナーはもとよりリターン・ライダーの方々からも高い注目を集めそうですが、去る2023年10月7~8日にインドネシアの古都、ジョグジャカルタで開催されたイベント、“KUSTOMFEST”内で行われた“Yamaha Yard Built – XSR 155”は、その“XSR”のカスタムの可能性を存分に感じさせるものです。

“KUSTOMFEST”というイベントは2012年から開催され、まさに東南アジアのカスタムシーンを牽引してきたといっても過言でないイベントで、その観客動員は2万5000人規模。回を追うごとにバイクメーカーとの関係を強め、“ホンダ・ドリームプロジェクト”というアストラホンダ(ホンダ技研のインドネシア現地法人)主導のカスタム・イベントが毎年行われているのですが、今年はその中に現地法人のヤマハも参入。KUSTOMFEST内ではじめて“Yamaha Yard Built”が開催されました。
ちなみに “Yamaha Yard Built”はヤマハ・ヨーロッパが主導となり著名なカスタムビルダーにコンセプトカスタムを製作させるプロジェクトが発端となったもので、まずは2011年にフランスのルドヴィク・ラザレスとドイツのマーカス・ウォルツ、アメリカのローランド・サンズに「V-MAX」ベースのカスタムを依頼し、それをプロモーションとして展開しています。
その後は「XJR1300」やボルト、「SR400」などがベース車両に使用され、名うてのビルダーたちが参加。日本人ではニューヨークで活躍するケイノ・ササキ(佐々木敬之介)氏、カリフォルニアのシンヤ・キムラ(木村信也)氏などが選ばれました。

XSR125が持つカスタマイズに対するポテンシャル
去る12月3日に神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で開催された日本最大のアメリカン・カスタム・カルチャーイベントである“YOKOHAMA HOTROD CUSTOM SHOW”においても、ハーレーダビッドソンやインディアンモーターサイクル、BMW Motorradやロイヤルエンフィールドなどが日本のカスタムビルダーに作品の製作を依頼し、それぞれが新車のプロモーションにつなげていたことが記憶にも新しいですが、メーカーサイドが“カスタム=違法”ととらえるのではなく、“バイクの楽しみ方”のひとつの提案としていることはイチ・カスタムファンとしても喜ばしい限りです。
実際、インドネシアのKUSTOM FESTで行われた “Yamaha Yard Built”にしても、ニューモデルの“XSR”のカスタムの可能性を示唆するものとなっており、エントリーした車両はどれも秀作揃い。

加えてメーカー主導のカスタム・コンテストだけに基本はフレーム切断や溶接などの大幅な改造はNG。ノーマル車両の基本骨格をキープするという部分も様々な国の法律に準じたものとなっています。
ベースとなった“XSR155”といえば基本的に海外向けモデルなのですが、エンジン以外の装備は12月8日に日本国内で発売されたXSR125と共通なので、今回の“KUSTOMFEST×Yamaha Yard Built”に登場したマシンも大いにカスタムの参考になるはずです。
参加車両はカーボンボディとなったDM Work MotorcycleのマシンとPap n Mam Modifiedによるリトラクタブルライト付きのモダンフラットトラッカー、Disaster Tigabelasによるチョッパーに往年の“TW”を彷彿とさせるW Bike Kustomのマシンなど四者四様。同じベース車両でこれほどまでにスタイルが変わるのもカスタムの醍醐味でしょう。
インドネシアのシーン、我々にとっても相変わらずかなり刺激的です。
Writer: 渡辺まこと
ハーレーや国産バイクなど、様々な車両をベースにアメリカン・テイストのカスタムを施した「CHOPPER」(チョッパー)をメインに扱う雑誌「CHOPPER Journal」(チョッパージャーナル)編集長。カスタム車に限らず、幅広いバイクに対して深い知識を持つベテラン編集者。




















