インディアン「スポーツチーフ」で、キング・オブ・ザ・バガー気分が味わえる!?
エンジンの潜在能力を引き出せる
「あ、そうなるのか」……走り始めて約10分で、私はこの車両の存在意義が理解できた気がしました。どこからどう語るかで迷うところですが、まず大前提として、「チーフ」シリーズが搭載するサンダーストロークは相当にアグレッシブでパワフルなのです(最大トルク162Nm/3200rpm、最高出力は未公表)。

もっとも、搭載されるライディングモードを穏やかな「スタンダード」か「ツーリング」にすれば、大排気量クルーザーならではの心地いいマッタリ巡航が堪能できるのですが、「スポーツ」の加速は、ちょっと身の危険を感じるほど強烈です。だから私は、日本の道路事情では「スポーツ」の出番はほとんどないと感じていたのですが……。
「スポーツチーフ」では気軽に、とまでは言いませんが、いろいろな場面で「スポーツ」モードを選択して、ワイドオープンが楽しめました。その理由は言わずもがな、足まわりの刷新によって制動力や旋回性、トラクション性能が向上しているからで、既存の「チーフ」シリーズとは異なり、このモデルは何かと制限が多い日本の道路でも、自信と余裕を持ってエンジンの潜在能力を引き出せるのです。
もちろん、だからと言って同社の「FTR」を含めた一般的なスポーツバイクのように、ワインディングロードをガンガン攻められるわけではありません。とはいえ、怒涛のトルクを発揮するエンジンと300kgオーバーの巨体を実感しながらのスポーツライディングは、キング・オブ・ザ・バガーに参戦しているレーサーを思わせるところがあって、それはそれで非常に楽しいことでした。

そんなスポーツチーフで私が気になったのは、ガンファイタータイプのシートが着座位置を後方に固定してしまうことと、既存の「チーフ」シリーズよりバンク角が増えていても、その気になってコーナーを攻めるとすぐにステップを擦ってしまうことです。
もっともこの2点はアフターマーケットパーツで解消できそうですし、バンク角の少なさは乗り手の自制心に役立っている気がするので、問題と言うほどではないのかもしれません。
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インディアン「スポーツチーフ」の価格(消費性10%込み)は328万円からとなっています。
Writer: 中村友彦
二輪専門誌『バイカーズステーション』(1996年から2003年)に在籍し、以後はフリーランスとして活動中。年式や国籍、排気量を問わず、ありとあらゆるバイクが興味の対象で、メカいじりやレースも大好き。バイク関連で最も好きなことはツーリングで、どんなに仕事が忙しくても月に1度以上は必ず、愛車を駆ってロングランに出かけている。


















