「手曲げマフラー」……滑らかなラインが作り出す造形美 カスタム用語集Vol.15
カスタムマフラーを選ぶ際、時折目にするのが「手曲げ」と「機械曲げ」。字を読めば、その違いはなんとなく分かりますが、具体的にそれぞれどのように作られて、どういったメリットがあるのでしょうか?
その名の通り、手で曲げて造形するマフラー
マフラーのうち、エキゾーストパイプ(エキパイ)はエンジンの排気ポートからサイレンサーまでを繋ぐため、どうしても複雑な形状となります。当然ながら一直線というわけにはならず、数箇所を曲げなければなりません。
手曲げとは、その曲げ作業を職人が自らの手で行うこと。対して機械曲げとは、機械で行うことを指します。

もちろん、手で行うといっても、鉄やステンレスのパイプを腕力だけで曲げるわけではありません。万力などでパイプを固定し、曲げる箇所をバーナーなどで炙ります。そして、柔らかくなったところで職人が曲げるのです。そのままだとパイプが潰れてしまうので、あらかじめ中には砂などを詰め込んでいるのもポイントです。

こうして完成した手曲げマフラーは、パイプ全体が緩やかなカーブを描いているのが特徴です。機械の塊であるバイクに、職人技による優美なラインを持つマフラーがひと際存在感を放つため、カスタムユーザーから高い支持を得ているのです。
機械曲げは進化している
対して機械曲げは、専用の機械(ベンダー)を使ってパイプを曲げます。

ひと昔前の機械曲げは、まさに“機械的”なもの。全体的に優美なラインを持つ手曲げマフラーに対して、かつての機械曲げマフラーは曲げられているポイントと真っすぐなパイプがはっきり分かれたデザインとなっていました。
しかし、ベンダーが進化して、今では手曲げのような複雑なアールを描く機械曲げマフラーも作られています。それでいて手曲げマフラーより安価に設定されているものがほとんどなので、機械曲げマフラーの魅力も大きいといえるでしょう。
とはいえ、やはり比べてみると細かい箇所の作り込みやラインの美しさでは、まだまだ手曲げマフラーの方に分があるようです。
カスタムマフラーはサウンドや性能など、チョイスのポイントはさまざまですが、手曲げか機械曲げかにこだわってみるのも良いのではないでしょうか。
Writer: 佐賀山敏行
カスタムバイク専門誌の編集長を経て、現在はヤマハSR400/500に特化したWEBマガジン「The SR Times」を運営する。自身も現在93年式と14年式の2台のSRを持つフリークだが、基本的にはバイクは何でも好き。






















