2024年シーズンのMotoGP、Moto2、Moto3クラスに参戦する日本人ライダーは?
2024年シーズンのMotoGPには、全クラスで6名の日本人ライダーが参戦します。各クラスに参戦するのは、どんなライダーなのでしょう。シーズン開幕前に、おさらいをしていきたいと思います。
ロードレース世界選手権で戦う日本人ライダーたち
2024年シーズンのMotoGP開幕に向けて、例年通り2月初旬にマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで公式テストが行なわれてきました。各チーム、ライダーが現地でテスト走行を繰り返し、マシンの調整や、自身の状態などを開幕に向けて作り上げていきます。
公式テストが始まると、3月の開幕まであと少しというところですが、今シーズンのMotoGPには、全クラスで6名の日本人ライダーが参戦します。シーズン開幕前に、各クラスに参戦するライダーを紹介していきたいと思います(※ライダーの年齢は、記事掲載時点のものです)。
■MotoGPクラス
中上貴晶選手/1992年2月9日生まれ(33歳)/ゼッケン:30

ロードレース世界選手権125ccクラス、Moto2クラスの参戦を経て、2018年よりホンダのサテライトチームからMotoGPクラスへの参戦を続けています。MotoGPパドックでは「タカ」の名で親しまれているライダーです。
2020年テルエルGPでは、ポールポジションを獲得。2021年アラゴンGPでは、日本人ライダーとして最多のロードレース世界選手権出走、通算200戦を達成するなど、日本人ライダーをけん引する存在です。
近年はホンダとして苦戦のシーズンが続き、中上選手も厳しい戦いを強いられています。ただ、2023年シーズンもホンダライダーの転倒、負傷が相次ぐ中、中上選手はホンダライダーの中で唯一、全戦に出走しました。
欠場のない中上選手の走りは、ホンダにとって貴重なデータをもたらし、貢献した存在であると言えるでしょう。
中上選手は2024年シーズンも引き続き、ホンダのサテライトチームから参戦し、MotoGPクラスで唯一の日本人ライダーとして、世界最高峰の舞台で戦います。
■Moto2クラス
小椋藍選手/2001年1月26日生まれ(23歳)/ゼッケン:79

2019年にロードレース世界選手権Moto3クラスへのフル参戦デビューを果たし、2020年には同クラスランキング3位を獲得しました。2021年はMoto2クラスにステップアップ。2022年は最終戦までチャンピオン争いを繰り広げたのち、ランキング2位を獲得しています。
また、2022年日本GPでは、日本人ライダーとして16年ぶりとなる母国グランプリでの優勝を果たしました。なお、16年前に優勝した日本人ライダーは、当時小椋選手が所属していたイデミツ・ホンダ・チームアジアの監督、青山博一氏。感動的な巡り合わせを含んだ勝利でもありました。
2023年は開幕前に負った左手首の怪我による序盤数戦の欠場が響いて、苦しいシーズンとなりました。しかし、日本GPで2位を獲得して表彰台に立ち、声援を贈る母国のファンを沸かせ、芯の通った強さは健在です。
2024年シーズンはチームを移籍。ただ、クルーチーフをはじめとして、イデミツ・ホンダ・チームアジアで戦ってきたメカニックもともに移籍します。「Moto2のチャンピオンになりたい」、それが小椋選手の今の最大のターゲットです。
佐々木歩夢選手/2000年10月4日生まれ(23歳)/ゼッケン:22

佐々木選手は2017年にロードレース世界選手権Moto3クラスへフル参戦デビューし、同年はルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得しました。佐々木選手の転機は2022年、チームを移籍したことで「チャンピオン」という同じ目標を持つチームと、信頼できるクルーチーフをはじめとするスタッフに出会ったことでした。
2022年、ランキング4位を獲得すると、その勢いのまま2023年シーズンを戦いました。
2023年は1度の優勝を含む11度の表彰台を獲得しています。当然ながらチャンピオン争いを繰り広げましたが、カタールGPでライバルのライダーとチームが採った作戦により、チャンピオンを逃しました。
しかし、その翌週に行なわれたバレンシアGPで涙の優勝を果たします。チャンピオンシップでも、わずか6ポイント差のランキング2位を獲得しました。そして7シーズンにわたり戦ってきたMoto3に別れを告げました。
2024年シーズンは、満を持してMoto2へステップアップし、新しいクラスと新しいチームでの戦いとなります。
■Moto3クラス
山中琉聖選手/2001年11月6日生まれ(22歳)/ゼッケン:6

アジア・タレントカップ、レッドブルMotoGPルーキーズカップ、FIM CEVレプソルMoto3ジュニア世界選手権(現在のFIMジュニアGP世界選手権)など、ロードレース選手権への登竜門と呼ばれる選手権参戦を経て、2020年よりロードレース世界選手権Moto3へフル参戦を開始。2023年は前年のチャンピオンチームであるガスガス・アスパーチームのライダーとなり、シーズンを戦いました。2024年はMT Helmets MSiから、Moto3にエントリーします。
鈴木竜生選手/1997年9月24日生まれ(26歳)/ゼッケン:24

2015年よりロードレース選手権Moto3クラスに参戦。これまでに、Moto3で3勝(2019年サンマリノGP/2020年アンダルシアGP/2023年アルゼンチンGP)を飾っています。過去には長くイタリアのチームに所属しており、MotoGPのパドックで主に話される英語だけではなく、イタリア語も堪能だそう。2024年はチームを移籍し、10年目となるMoto3のシーズンを戦います。
古里太陽選手/2005年7月15日生まれ(18歳)/ゼッケン:72

2021年、アジア・タレントカップにおいて全戦優勝でチャンピオンを獲得し、2022年からロードレース世界選手権Moto3デビュー。2023年は次第にポテンシャルを発揮し始め、タイGPでは自身として世界選手権における初の表彰台となる2位を獲得しました。2024年、注目の若手ライダーの1人です。
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2024年シーズンMotoGPは、3月8日から10日、カタールのルサイル・インターナショナル・サーキットで開幕戦カタールGPが始まります。
■Moto2クラスとは……
Moto2クラスはトライアンフ「ストリートトリプルRS」の3気筒765ccエンジンをベースに開発されたオフィシャルエンジンと、シャシーコンストラクターが製作したオリジナルシャシーを組み合わせたマシンによって争われる。タイヤは2024年よりピレリのワンメイクとなる。クラスとしては、MotoGPクラスとMoto3クラスの中間に位置する。
■Moto3クラスとは……
Moto3クラスは4ストローク250cc単気筒エンジンのレーシングマシンで争われる。Moto2クラス同様、タイヤは2024年よりピレリのワンメイクになった。MotoGPクラス、Moto2クラス、Moto3クラスの中で参戦するライダーの年齢層が最も低く、Moto2クラス、MotoGPクラスへの昇格を目指す若いライダーたちがしのぎを削る。
Writer: 伊藤英里
モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。








