メンテのお供「パーツクリーナー」 便利だけど使う場所には要注意!!
メンテナンスや洗車時に便利な「パーツクリーナー(ブレーキ&パーツクリーナー)」は、シューッとひと吹きするだけで頑固な油汚れも簡単に落ちるスグレモノ。つい多用したくなるけれど、注意しないと取り返しのつかないことに……!?
簡単にキレイになるけれど……
バイクを快適に乗る上で、日頃のメンテナンスや洗車は欠かせません。そしてメンテナンス用に様々なケミカル用品が販売されていますが、多くのライダーが使っているのがスプレー式の「パーツクリーナー(ブレーキ&パーツクリーナー)」ではないでしょうか。

バイクには多くの可動部分があり、潤滑のためにグリスが塗布されたり、エンジンにはオイルが入っています。それら油脂類のわずかな滲みにホコリが付着すると、汚れによって見た目が悪いのはもちろん、動きが悪くなるなど機能的にも問題があります。
それらの油汚れはけっこう頑固で、カーシャンプーなどの洗剤ではなかなか落ちません。ところがパーツクリーナーを吹きかけると簡単に油汚れが落ちるため、つい多用しがちになります……が、使用する場所には注意が必要です。
樹脂パーツや塗装が溶ける!?
パーツクリーナーの成分表示を見ると、多くの製品の主成分が「石油系溶剤」となっています。そして石油系溶剤は、ゴムやプラスチック、塗装などを溶かしたり、変色や変質させる危険があります。そのためパーツクリーナーのスプレー缶をよく見ると、使用方法や使用上の注意として、ゴムやプラスチック、塗装面に付着しないよう記載されています。

種類によってはプラスチック等への攻撃性が低い製品もありますが、それでも石油系溶剤が主成分なら、まったく傷まない……ということは少ないでしょう。
じつは、バイクにはパーツクリーナーが使えないゴムやプラスチックなどの樹脂パーツが多く、金属製の燃料タンクやアルミ製のホイールなども塗装されているためパーツクリーナーを吹きかけるのはNGです。
また油汚れの代表格とも言えるのがチェーンですが、汎用品のパーツクリーナーを吹きかけると、グリスを封入しているゴム製のOリングが傷み、グリスが漏れ出てしまう危険が大きいので絶対にNGです(チェーンメーカーが販売しているチェーン専用のクリーナーのみ使用可能)。
ブレーキ清掃も要注意!
「ブレーキ&パーツクリーナー」という製品名も多いので、当然ブレーキまわりの清掃に使えると考えますが、コレも注意が必要です。とくにブレーキキャリパー周りに直接吹きかけると、ブレーキパッドにパーツクリーナーの成分が浸透する場合があり、それが原因でブレーキの効きが悪くなる可能性があります。

また、ブレーキキャリパーのゴム製のダストシールやオイルシールを傷める危険もあるので、直接吹きかけることは避け、ウエスやペーパータオルなどにパーツクリーナーを吹きかけて汚れを拭いましょう。
というワケで、パーツクリーナー(ブレーキ&パーツクリーナー)は基本的に塗装していない金属パーツ(メッキやアルマイトなら大丈夫)の汚れを落とすためのケミカル剤と考えると良いでしょう。

とは言え、金属パーツであってもバイクに装着されている状態でパーツクリーナーを吹きかけると、周囲の樹脂パーツや塗装パーツにもパーツクリーナーが付着する危険があります。したがって前述したブレーキ清掃のように、ウエスやペーパータオルに吹いたうえで拭うか、分解して金属パーツのみにした状態で吹き付けると安心です。
パーツクリーナーの石油系溶剤の特性でバイクを傷めてしまったら本末転倒、上手に使いましょう。
Writer: 伊藤康司
二輪専門誌『ライダースクラブ』に在籍した後(~2005年)、フリーランスの二輪ライターとして活動中。メカニズムに長け、旧車から最新テクノロジー、国内外を問わず広い守備範囲でバイクを探求。機械好きが高じてメンテナンスやカスタム、レストアにいそしみ、イベントレース等のメカニックも担当する。











