罪に問えたりする? 勝手に愛車に跨られた際の不快感

損害賠償は、物理的な損害に対してだけでわない!

 損害賠償は、バイクを壊されたときの修理代などの物理的な損害に対してだけでなく、精神的に受けた苦痛に対しても慰謝料として請求することが認められるケースがあります。

 損害賠償の請求と聞くと、裁判をイメージする人も多いかもしれません。しかし民法による不法行為に基づいた損害賠償の問題は、加害者と被害者の当事者間で解決する必要がある民事の問題であるため、警察は介入しません。そのため損害賠償は、当事者同士の話し合いによる和解で成立する事がほとんどです。

他人がバイクに跨ったことが原因でボディに傷がついたり、バイクが倒れて損傷したといった場合は、民法の不法行為に基づき、損害賠償の請求が認められるケースがある
他人がバイクに跨ったことが原因でボディに傷がついたり、バイクが倒れて損傷したといった場合は、民法の不法行為に基づき、損害賠償の請求が認められるケースがある

 そんな損害賠償請求では、まずは示談交渉を進めていき、和解を目指すスタイルが一般的。ただし、示談交渉では当事者同士の関係があまり思わしくない状況だと、なかなか交渉が進まずに和解が成立しない場合も少なくありません。

 相手が事実関係を認めなかったり、金額面で折り合いがつかないなど、示談が成立しない理由はさまざまです。そのような場合、示談をスムーズに成立させるためには、事実関係を証明できる証拠を準備する必要があります。

 なお、不法行為の成立には、いくつかの要件をすべて満たさなければなりません。それは、「故意または過失があること」「権利・利益の侵害があること」「損害が発生していること」「侵害行為と損害の間に因果関係があること」の4つです。

 そして原則として不法行為の要件については、被害者が立証責任を負わなければなりません。つまり、損害賠償を加害者に請求する際は、不法行為における要件を被害者がすべて立証しなければならず、一つでも立証できなければ被害者の請求は棄却されてしまいます。

バイクに跨られて損害を受けたとしても、罪を問うまでにはいくつものハードルがある
バイクに跨られて損害を受けたとしても、罪を問うまでにはいくつものハードルがある

 このように、バイクに跨られて損害を受けたとしても、罪を問うまでにはいくつものハードルがあり、相手が自分の非を素直に認めてスムーズに交渉に応じてくれればよいですが、そもそも勝手に人のバイクに跨るような非常識な人が相手。そのため、勝手にバイクに跨られて損害を受けても、実際に被害を立証するのは非常に難しいと言えるでしょう。

 被害に遭わないためにもバイクから離れる際は、勝手にバイクに触れられないように何か対策を考えておいたほうが良いでしょう。

 また、跨られる以外にも、バイク買い取りの違法チラシを自分の愛車に貼られた経験がある人も多いと思います。大切にしている愛車に勝手にペタペタとチラシを貼られて、気分のいい人はいないでしょう。

 他人のバイクに勝手に違法チラシを貼る行為も罪に問えないかと考える人も居ると思いますが、このようなチラシの貼り付け行為もバイク自体に損害を与えているわけではないので、実際には罪に問うのは難しいのが実情です。ただし、チラシの貼り付け行為をしたことで、他の罪が認められるケースもあります。

 たとえば勝手に他人の家の敷地内に入り込み、停めてあるバイクにチラシを貼り付けた場合。チラシの貼り付け行為自体は罪にはなりませんが、不法侵入としてみなされる可能性があるため、住居侵入罪が成立するケースも考えられます。

 この場合、その住居の居住者が「入るな」といった貼り紙などで侵入を拒否する意思を示していることが条件です。

 また、チラシを貼り付ける際にバイクにキズが付いたり、バイクを倒されて損傷したりなどといったケースでは器物損壊罪に該当する可能性があります。ただし、バイクに跨られて損害を受けたときと同様に、実際に被害を立証するに至るまでには大変な労力と時間が必要なため、かなり困難と言えるでしょう。

【画像】 愛車に勝手に他人が跨がった際の扱いを画像で見る(6枚)

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