海外でも大人気の軽トラをメンテナンス トランポもリフレッシュしよう!! Vol.1
昭和の時代からハイエース50系でトランポ×バイク生活を楽しんできました。ハイエースが100系シリーズにアップデートした平成元年以降は、新車や中古車を含めて100系ファミリーばかりを6台も乗り継ぎ、トランポライフを謳歌してきた私です。しかし、現在は軽ワゴンのサンバーディアスで「軽トランポ生活!!」を楽しんでいます。しかし、大型モデルの積載は大変で、ワゴンは不向きと判断しました。そこで「軽トラック」を大型車移動用に追加したいと考えました。バイク仲間から「軽トラ出ましたよ!! しかも大好きなサンバー!!」そんなお誘いがあまして、名実ともにスバリスタとなりました、が~
便利な軽バンも大型搭載には不向き
最後に所有したハイエース100系ファミリーは、バイク仲間からのお下がりで購入した平成12年式のレジアスワゴンでした。このレジアスの所有期間は大変短く約2年間。レジアスワゴンは、トランポとして使い勝手は素晴らしく良かったです。やっぱりハイエースは「100系シリーズがいいなぁ!!」なんて思いながらも、次に購入したののが、何と軽ワゴン!! 純粋スバル時代のサンバー・ディアスワゴンでした。

少々小さなボディですが「大型車でも積載できるはず!?」なんて思い込み、助手席を取り外したらヤマハV-MAX初期シリーズでも積載できるだろう!? なんて思い込み、実践してみたら見事に成功!! ただし、助手席を取り外した上に、バイクを固定するための前輪用ストッパーを取り付ける必要がありましたので、大型モデルの積載は却下となりました。
現実的に大型バイクの積載は不向き、やっぱり「軽トラしかないかなぁ~」と思っていた矢先に吉報が!? 軽トラ、しかも格安で車検付きのサンバーがあるというお話しでした。「軽トラ出ましたよ!! 車検も残っていて、しかもたぐちさんが大好きなサンバーですよ!!」との電話でした。しかし、その次に出てきた言葉が「訳あり車なんですけれど……」。お話しを伺うと、結論ありきで「超格安です。一応、走りますから……。たぐちさんなら、何とかできるでしょ?」との内容だった。

詳細を訊ねると、台風の影響で近所の河川が越水氾濫したらしく、近くの工業団地では、まるまる水没した車が数多く出たそうです。バイク仲間の自宅周辺は、地面から水位が180センチを超え、地域全体での水没車両は数百台に及んだそうです。
この軽トラのサンバーも、まさにその一台でした。水が引いて復旧作業へ入るまでに2日強要したそうです。この軽トラ置き場の最高水位は、ルーフ(天井)だけが水面からぽっかりと「小さな島のように見えた完全水没状態」でした。
東日本大震災の時は、津波による海水で水没した車両のため、復旧できた例はごく少数のみだったと聴きましたが、この軽トラサンバーは、台風による河川の氾濫で水没したため「真水」であることが最大の相違点です。海水ではなく真水だった点は、救われていたのかも知れませんが、後々、走り出してから気が付いたのが、室内のドロ汚れでした。
新品部品に交換されているバッテリーには数字が記してありました。その数字から想定して、水没から1ヶ月後には復旧したのがこの軽トラサンバーのようです。水が引いた直後には、高圧洗浄でボディはもちろん、キャピン内の天井や内張りなども洗い流したそうです。前後ホイールを取り外し、リヤのドラムブレーキはドラムも抜き取ってから徹底的に高圧洗浄したそうです。しかし、ダッシュボードの下や同裏側などは、高圧洗浄されていなかった様子です。
復旧開始から数日後には、エンジン始動が完了。そもそもの所有者が大型トラックを何台も所有する運送業者さんで、結果的には被災から1年後には事業保険の決着がついて、水没サンバーは廃棄処分になったそうです。そんな関係で「格安かつ走行距離が極めて少ないサンバーのダンプ仕様が、ありますよ!!」と、ぼくへ声が掛かったようです。
運送業者さんのターミナル内では、荷物を移動する車両としてダンプ仕様の軽トラサンバーが必要だったらしく、所有者さんは、サンバーの通常中古車を購入して、ダンプ装備を移植したそうです。そして、残った水没車両には、購入したサンバーの荷台と付属してきた幌を取り付け「訳あり車」になりますが……!? とお話しを頂いたのでありました。
いざ水没車にご対面
百聞は一見に如かず。早速、水没号の見学へ出向き、エンジン始動してみました。エンジン音や空吹かしのフィーリングは、ぼくのサンバーワゴンとはかなり違っています……。乗って帰るには、現地でそれなりのメンテナンスが必要だと判断しました。

そこで後日、工具と最低限必要だろうと考えた交換部品を用意して、仮置きしてもらっているバイク仲間の作業場へ向かいました。前回、試運転した際には、80km/h程度しか出ないことがわかっていましたので、エアークリーナーエレメントとスパークプラグを新品に交換しました。どうやら不調の原因は、スパークプラグにあった様子です。真っ黒で電極が摩耗したスパークプラグから、イリジウムの新品プラグへ交換したら、まったく別物のような走りへと復活しました!!

近所の高速道路で実走行テストしてみると、メーターはフルスケール近くまで指針が動いていることを確認できました。これなら普通に走って帰れそうだ!! 自走移動で走行距離は約200km強。おっかなびっくりの運転でしたが、目立ったトラブルは無く、無事に帰宅することができました。
数日後、いつもお世話になっているバイク仲間が営む鈑金屋さんへサンバーTT2を持込み、ご覧のようなアリサマとなりました。高圧スチーム洗浄機を使って、床下や足周りを含む全体がキレイになった一方で、不具合箇所も数多く露呈することになりました。不足部品や要交換部品も明確になりましたので、ここから先は、ネットオークションを利用して、スバルサンバーTT2部品をポチッとやりながら、しばらくは軽トラ仕上げと久々の軽トラライフを楽しませて頂こうと思います。

それにしても水没車両のダッシュボード外しは大変でした!! おそらく一生に二度と経験したくない部類の「クルマいじり」になりました。
帰宅途中の高速道路で、実は、気が付いていましたが、路面の段差でキャビンがガタガタっとなると、ダッシュボードあたりからパラパラッと何かが落ちて、夕陽に当たってキラキラ輝いている様子を見て見ぬふりをしていました。ダッシュボードの裏に指先を入れて、スーッと擦ってから指先を見ると、普通ならあるはずもないドロ汚れが大量に……。
そんな状況のままでは、気持ちが悪いので、バイク仲間の板金工場で場所をお借りして、ダッシュボードを取り外し、内部のドロ汚れを高圧スチーム洗浄機とバケツ+雑巾の拭き取りでキレイにしました。さすがに高圧スチームをダッシュボード裏側へ直射する気にはなれませんので(水没直後の復旧作業ならまだしも)、時間を掛けながら、何度も何度もバケツのお湯を交換して、雑巾掛けでドロ汚れを拭き取ったのでした。
Writer: たぐちかつみ
フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。









