プラスチック部品を採用した量産車第一号モデル「スーパーカブC100」 割れた部品の補修方法とは? 同い年のバイク=スーパーカブと生きるバイクライフVol.6
どんなバイク、どんなモデルでも、自分自身にとって思い入れがあるバイクには、ある種違った感情がありますよね!? 自分自身の生誕年は「記念すべき年」ですが、そんな生誕年に想いを馳せて、同い年の1962年型スーパーカブC100と暮らしているぼくなのです。日本のバイクに「プラスチック部品が数多く標準装備」されるようになったマスプロダクション第一号モデルがスーパーカブC100でもあるのですがそれゆえのトラブルも……。
プラスチック樹脂部品の黎明期は「樹脂板」の成型だった
樹脂部品が各所に使われている旧車の多くが、走行中の振動や紫外線によるオゾンクラック、単純な劣化などなどによって、樹脂部品にダメージを受けていることが圧倒的に多いです。大型車の場合は、脱着機会が多いサイドカバー周辺などで、割れ欠落症状が現れやすいでしょう。

樹脂部品をオーバートルク(強く)締め付けてしまうのも、部品にダメージを与えてしまう大きな原因のひとつですが、ゴムグロメットに向けて突起状の部品を押し込み固定するサイドカバーなどでは、受け側のゴムグロメットの劣化によって、ゴムに弾力性が無くなってしまい(最悪でプラスチック化してしまう)、簡単に抜けないのに、チカラ一杯引っ張り抜いてしまったことで、次の瞬間には「バリッ!!」と、突起部品が折れてしまい、欠落欠損してしまう例が圧倒的に多いと言えます。
単純なヒビ割れ発生のみでも残念なのに、グロメットに刺さるはずの突起部が折れてしまい、しかも欠損紛失してしまうのは、もはや最悪と呼べるケースです。

私の所有するスーパーカブC100は、ヘッドライトケースカバーを取り外した際に、ライト裏側の締め付け座部分の片側が、完全に割れてしまっていることに気がつきました。過去に修復した痕跡が無いため、おそらく割れたまま走っていたのだと思います。

このようなダメージ箇所は、単純に接着剤修理は困難です。実は、こんなときにこそ「熱源」を利用するプラスチックリペアキットを使って、折れてしまった部分を橋渡しする「金属の針(骨)」(溶着ピン)を埋め込むのが、簡単かつ確実な修理方法です。

単純に接着修復しても、締め付け固定時にストレスを与えてしまい、走行振動によって再び割れてしまう可能性もあります。しかし、ここで紹介する修理では、金属の骨のような針を埋め込むため、この針部分が締め付けストレスを受け止め、樹脂部品を欠損することなく固定できるようになります。

90度の壁状になった部分でも、針(ピン)には90度ベンドタイプや、太さ違いなどが数種類あるのと同時に、臨機応変に針を部品形状に合わせて曲げ施工することで、修理形状に合わせた補強も可能になります。

樹脂製サイドカバーの平面部分に亀裂が入ってしまったときには、見えにくい裏側から細い針を利用して埋め込むことで、目立たないように修理が可能になることも知っておくと良いでしょう。

バイクいじり、バイク修理が大好きなサンデーメカニックなら、必ず所有していたい補修ツールのひとつが、このプラスチックリペアキットなのです。
取材協力/ツールカンパニー ストレート
Writer: たぐちかつみ
フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。









