安心できる走りを得るにはホイールベアリング交換が必至!! 同い年のバイク=スーパーカブと生きるバイクライフVol.9
どんなバイク、どんなモデルでも、自分自身にとって思い入れがあるバイクには、ある種違った感情がありますよね!? 自分自身の生誕年は「記念すべき年」ですが、そんな生誕年に想いを馳せて、1962年型スーパーカブC100と暮らしているぼくなのです。何となく調子良く走れるから、点検整備せずに走ってしまうことが多い原付バイクの世界。オイル交換せずに走ってしまうのは論外ですが、ホイールベアリングのコンディションを確認しないでツーリングに出発して、出先でトラブッてしまったときの悲劇と言ったら、これはもうある意味、エンジン焼き付きより酷いトラブルになってしまいます。
お前が先か!? それともオレが先か!?
自分自身の生誕年と同じ年式のバイクを所有するという文化。というか、そんな趣味嗜好は、歴史が旧いハーレー・ダビッドソンの世界では、以前から知られているようです。詳しくは知りませんが、知り合いがハーレー・ダビッドソンの通称「パンヘッド」と呼ばれるモデルを購入しました。その時に「なんでパンヘッドなの?」と尋ねた時に返ってきた言葉が「自分の生誕年と同じ年式のモデルなんだよね!!」とのお話しでした。確かに、ハーレーの母国アメリカでは、そのような文化もあるらしいです。そんな車両年式に興味を持ち、それを実行したのが知り合いでした。

ぼくの生まれ年は1962年。仮に、ハーレーであれば同じパンヘッドエンジンの時代になります。しかし、ぼくにはハーレー愛好趣味はありませんので、国産モデルで1962年頃の生産モデルに「何があるのか?」「どんなモデルがあるのか?」調べてみました。
国内4メーカーにはそれぞれに1962年モデルがあり、廃業した数多くのバイクメーカーにも当然に1962年モデルがありました。この連載企画では、自分と同じ生誕年モデルのスーパーカブC100と過ごす、その様子をリポートしています。

ちなみに、そんな生誕年モデル、厳密には「アラウンド1962年モデル」が気になってしまい、その後、ボロボロな旧車を数台購入。今現在でも、複数台所有しています。
「お前が先か!? それともオレが先か!?」(あの世へ逝くタイミングです)、そんな想いでバイクに触れていると、あそこがここがと、メンテナンスをしてあげたい気持ちになるものなんです。
指先に感じる違和感……ハブベアリングは要交換
リヤホイールを取り外すタイミングがある時には(パンクなど)、スプロケットからドライブチェーンを取り外さなくても良い構造なのが、ビジネス車の特徴かも知れません。

またまた余談になりますが、この1962年型のスーパーカブは、そのようなリヤホイール周りの構造になっています。
しかし、同じスーパーカブでも、1960年型の後期生産車や1966年に登場した2代目C65(通称:オッパイウインカー型)に関しては違っていました。
通称名「富士山ブレーキパネル」を採用していたこれらのモデルは、リヤブレーキパネルの横にはサイドカラーが無いため、ブレーキパネルが「富士山」型をしています。そのため、スーパーカブなのにリヤホイールを取り外すためには、上下チェーンケースを取り外して、リヤアクスルシャフトを引き抜き、ドリブンスプロケットからドライブチェーンを外して、それからようやくリヤホイールを抜き取る段取りになります。
リヤハブ構造も、スプロケットマウントがカップリングダンパー式ではなく、ハブ本体にドリブンスプロケットを固定する構造を採用していました。過去にそれぞれの年式のC100とC65を所有したことがありましたが、パンク修理やタイヤ交換作業が面倒だったことを思い出します。明らかなコストダウン装備だと思いますが、スーパーカブシリーズの中では、希少な年式だと思います。

さてさて、チェーン周りのメンテナンスを目的に、上下チェーンケースやドライブチェーンを取り外しましたが、このようにリヤホイールを取り外した際には、ハブベアリングを点検したり、グリスアップを行うのが良いと思います。
せっかく分解したのだから、そのまま復元するのではなく、可能な限りできる限りのことを実践することで、トラブル予防メンテナンスにもなります。本来、リヤホイールを取り外したいだけなら、チェーンケースに手を触れる必要はありません。

しかし、今回はチェーンケースを取り外して良かったです!! なな何と!! ドライブチェーンのクリップジョイントが逆さまに組み込まれていました。逆組したまま走っていると、クリップが外れて走行不能になってしまうことが多いです。
また、ホイールベアリングの内輪に指先を当てて回してみると、明らかにゴロつきを感じたので、ハブ側2個とスプロケフランジカップリングに組み込まれる1個の、合計3個のベアリングを新品部品に交換しました。

ガレージにストックベアリングがあったのでラッキーでしたが、こんな作業時にベアリング不調に気が付いたら、迷うことなく作業を中断し、ベアリングの入荷を待ってから作業進行するように心掛けましょう。

ダストシールを凝視すると、シールリップ部分が摩耗していたので、このダストシールも交換することにしました。
しかし、さすがに手持ち部品が無かったので部品発注しましたが、偶然にも何かのエンジン用オイルシールがサイズ的に同じだったので、ダストシール代わりにオイルシールを組み込み、その場を回避することにしました。次回の分解作業時には、正規のダストシールに交換しようと思います。
Writer: たぐちかつみ
フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。











