トランポ企画スピンオフ第二弾!! あのモデルがトランポに!! トランポもリフレッシュしよう!! 【番外編】
現在は、軽ワゴンのサンバーディアスと軽トラサンバーで「軽トランポ生活!!」を楽しんでいる私です。この企画では、私とサンバーの動向をリポートしていますが、気になる1台、あの軽自動車「ダイハツミラ・ウォークスルーバン」が、実は素晴らしい軽トランポとして大活躍している様子をリポートします。
アイデア次第で楽しめてしまう軽トランポ!!
「軽自動車×トランポ生活」を考えた時に、最初に思い浮かぶのが、われらがニッポンの軽トラック!! 次いでの候補が、軽バンでしょうか……? ホンダの「N-VAN」は、トランポ需要や車中泊モデルとして人気モデルです。
自転車やバイクを積載する用途を考慮したタイダウンフックのアンカーを数多く装備するなど、これまで発売されてきた軽バンと比べれば、使い勝手は確実に良さそうです。しかし、バイク積載時にあると便利な「輪止め」への配慮がありません……。輪止めがあると、利用しない時には出っ張ってしまい、突起物が邪魔になります。だから装備の必要性は、不要だとも言えます。
しかし、輪止めが無くても、輪止めを取り付けるためのアクセスポイントは欲しかったですね。「車両を前後からタイダウンベルトで引っ張れば良いのでは!?」とのお話しもありますが、必ずしもそのような積み方が可能とは限りません。最近、バイク仲間が初代モデルのN-VANを購入しました。トランポ化するための相談を受けましたが、取り敢えずは「取り外し可能な輪止め作り」から始めようと思います。
また、テールゲートをオープンした時に、ラダーレールを引っ掛けるポイントがありませんでした。自転車のように軽い車体なら問題ありませんが、原付二種以上のモデルを積載する時には、ラダーレールを固定できないと危険です。
バイクを載せ降ろし中にラダーが滑って落ちてしまい、大変なことになった場面を、過去に何度も目撃しました。この装備も必要不可欠だと思います。バイク仲間は、Nバンに最大で250ccモデル、最小でスーパーカブを積載する予定だそうです。
ユニークなモデル「ダイハツのミラ・ウォークスルーバン」
歴代軽自動車の変遷を遡ると、一台のスペシャリティカーがあることに気が付きます。それは、ダイハツが誇るミラシリーズ「ウォークスルーバン」というモデルです。
昭和59年(1984年)、時はまさにバブル絶頂期でした。そんなタイミングで登場したのが、ダイハツのミラ・ウォークスルーバンでした。自動車メーカーが、遊び心満点のモデルをこぞって発表してきた、バブル期を象徴するかのようなモデルでもあります。
ミラ・ウォークスルーバンは、初代モデルの登場から約10年間生産されました。車両オーナーやオーナー経験がある方からお話を伺うと、高速走行時の空力抵抗が関係しているのか!?「とにかくパワー不足な印象です」といったお話しを数多く聴くことができました。
背高のっぽのため、高速走行時は空力抵抗が大きく、しかも「横風にハンドルが取られやすいです」との評価もありました。しかし、使い勝手が良ければ、それ以上に惚れ込んでしまうユーザーがいても不思議ではありません。
そんな走りの評価が影響したのだと思われますが、ミラ・ターボ系のパワフルエンジンに載せ換えられ「改造申請」されている車両が多いという事実もあるそうです。中古車を探してみると、確かにすでに「改」の文字が車検証へ入ったが車両を見つけることができました。
サーキットイベントに参加していたトランポとして、撮影させていただいたのがこのミラ・ウォークスルーバンになります。
オーナーさんによれば「いくらコンディションが良くても、ノーマル車はチカラが無くてダメなんです。だからミラ・ターボのエンジンに載せ換えられた中古車が多くて、このクルマも、ターボエンジンに載せ換え済だった車両を購入しました。もちろん公認です。使い道に合わせた改造を今でも楽しんでいます。自宅でのんびりするのではなく、このクルマで楽しむ時間の方が、圧倒的に増えていますね」とのお話しをいただきました。
コロナ禍以来、中古車市場も様変わりしているようです。今後、軽トランポ生活を楽しみたい方には、参考になる車両実例だと思います。
Writer: たぐちかつみ
フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。