装甲車がサーキットを全力疾走!? 「鉄馬withベータチタニウム」ではどんなバイクが走ってる?
10年前の初開催から着実にファンを増やし続けている旧車がメインのレース「鉄馬withベータチタニウム」とはどのような車両が走っているのでしょうか。自身もサンデーレースに参戦する後藤武さんが解説します。
様々なクラスが用意された鉄馬withベータチタニウム
九州のHSR九州(HONDA SAFETY & RIDING PLAZA Kyushu)で開催されている鉄馬withベータチタニウムは、アットホームでお祭り感のあるイベントとして人気になっていて、今までレースにまったく興味を持っていなかった人たちまでもがレースデビューしているのだと言います。
地元九州はもとより四国や関西、そして関東から参加するライダーもいるなど、確実に盛り上がってきているこのレース。どんなバイクが走っているのかを説明しておくことにしましょう。

鉄馬withベータチタニウムは、基本的にマルチエンジン搭載の旧車を中心としたレースです。車両の改造範囲が広いのでストリート仕様でカスタムしたマシンなどでも出場しやすいのが特徴、そうなるとチューニングがエスカレートしてレベルが上ってしまいそうなものですが、参加する人たちも皆で楽しむお祭りであることを大事にしているのがこのレースの素晴らしいところ。実におおらかな雰囲気なのです。

鉄馬の目玉となっているのはアイアンモンスターの各クラスです。1970年から1989年までに発売された鉄フレームに空冷4気筒以上のエンジンを搭載したバイクが対象。改造は自由で純正のクランクケースを使用していれば排気量アップも許されています。

アイアンモンスター750は生産時の排気量が650ccから860ccまでと規定されていてゼファー750やCB750などが参加しています。

アイアンモンスター17は排気量が650cc以上でホイールサイズが17インチ。XJR1300やホイールサイズが17インチにしたゼファー1100などがバトルを展開。

最も人気で参加台数が多いのがアイアンモンスター18。排気量はアイアンモンスター17と同じですがホイールサイズが18インチとなっています。
ちなみにこの写真でサイドバイサイドのバトルを繰り広げているのはCBX1000。オーナーは50代になってからバイクにリターン。サーキット走行をして楽しくなってしまいこのレースに参加するようになったのだとか。こんなマシンを見ることができるのも鉄馬の魅力でしょう。

アイアンモンスター以外の国産4 気筒でも参加できるクラスがあります。アイアンスポーツは空冷・油冷・水冷エンジンで排気量600 cc以上の鉄フレーム車が対象。写真はGPZ900Rニンジャですが、ZRX1100/1200、ホーネット600/900、ZR-7、フェザー等も出場することができます。

アイアンNK4は文字通り、90年代に盛り上がったミドルクラス(400cc)のネイキッドバイクによるレース。

もしもこれからバイクを購入して鉄馬に参加したい、という方がいたらこのクラスが良いかもしれません。他のクラスに比べればベースマシンが比較的安価で手に入れられますし、NK4のレースで使われていた実績があるのでセットアップの方向性なども分かっているからです。

少しずつ人気が高くなってきているのがZ900RS ワンメイク。Z900RSのオーナーズクラブによって提案されたクラスです。
現在では独立したクラスになって20台ほどの参加があり、レースと併催でオーナーズミーティングが開催されるなどの盛り上がりを見せています。

「見て楽しむ」アイアンエキスパートクラス
ここまで紹介してきたのは参加することを楽しむクラスですが、それに対して最高峰のアイアンエキスパートは観ることを楽しむレースと言っても良いかも知れません。
鉄馬レギュレーションに該当する車両で国際ライセンス保持者、または速さに自信のあるライダーがガチンコバトルを繰り広げます。

現在、圧倒的な速さでコースレコードを樹立しているのはモリワキレーシングの森脇尚護選手が駆るZ900RS。なんとST1000クラス(全日本ロードレース選手権において市販の1000ccクラスのスーパースポーツで行われるノーマルに近い仕様でのレース)のトップタイムより速いんです。九州勢がこれを迎え撃ちます。
ちなみに森脇尚護選手は数々のレースで活躍してきたライダー。鈴鹿8時間耐久ロードレースでは3位表彰台を獲得した経験もあります。そして現在はモリワキエンジニアリングの代表取締役社長でもあるのです。

今回2位になった植垣創平選手は九州の名門チーム、・グリーンクラブ能塚から鈴鹿4時間耐久に参戦し2位に入賞した経験のあるライダー。この2人の戦いは、鉄馬でしか観ることができません。

という感じで、観る人も参加する人も楽しめるのが鉄馬withベータチタニウムの特徴。しかもカスタムマシンで参加するライダーが多いので、ストリート派のライダーにとっても親近感があるのも嬉しい点。
2024年の大会では関東から参加するライダーのためにフェリーのサポートプランまで用意されていました。
「九州以外の方でしたらレースに出場して九州を観光するというプランも楽しいのではないかと思います。個人的にはカスタムショップの社長さんに出て欲しいんですよ。バイク好きなのにレースのときはお客さんのお手伝いとかアテンドで自分が走れないことが多いじゃないですか。そんな社長さんたちにも楽しんもらえたら嬉しいですね。」(モトジャンキー 中尾さん)
今回関係者の方々にお話をお聞きしましたが、全員から感じられるのが「多くの人達に楽しんでもらいたいという気持ち」。鉄馬withベータチタニウムが盛り上がってきているのもある意味当然のことなのかもしれません。
Writer: 後藤武
クラブマン誌や航空雑誌の編集長を経て現在はバイク、食、飛行機などのライターと
して活動中。飛行機とヘリの免許を所持しエアレースのTV解説も担当していたことも。2スト、旧車、V8のアメ車など多数所有。
































