カワサキ「Z2」エンジン お気楽過ぎる「丸塗り」では後々後悔 可能な限り緻密なマスキングを目指す!! 〜日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承〜Vol.23

メイド・イン・ジャパンのモーターサイクルを代表する一台として、誰もが認める存在と言えるのがカワサキZ1/Z2シリーズです。フルレストアに取り掛かり、薄汚なかったコンプリートエンジンは、完全分解しました。このタイミングで「機能ペイント」として知られるガンコートペイントをDIY作業で施すことにしましたが、せっかくペイントし直すのなら、可能な限りしっかり仕上げてみようと思いますが、果たして……

純正ペイントと塗り直しは作業工程が異なります

 メーカー出荷時に、ブラックアウト=黒塗りされているエンジンの多くは「完成部品」として仕上げられる以前の初期段階で、ペイント処理されているのが一般的です。

 具体的には、アルミダイキャストで鋳型から抜き取られたエンジン部品には、プラモデルでいうところのランナーのような部品同士の連結部分(ダイキャスト鋳物の場合は、その接続部分が溶けたアルミ=湯の注ぎ口やエアー抜きを併用していることが多い)があります。

 その連結部分を切り離し、大雑把なバレル研磨処理によって、鋳物のバリ(不要な部分)が取り除かれます。この状態で部品の切削加工は一切行われていません。

薄汚れていたブラックエンジンが蘇るだけでも、バイク全体の美しさは格段に良くなります。自分自身で行うフルレストアなのだから、可能な限り徹底的に美しく仕上げてあげたいものです
薄汚れていたブラックエンジンが蘇るだけでも、バイク全体の美しさは格段に良くなります。自分自身で行うフルレストアなのだから、可能な限り徹底的に美しく仕上げてあげたいものです

 次に、鋳物部品は脱脂洗浄が行われ、エンジンならプリヒートによる乾燥後に、耐熱ペイントが施されます。

 乾燥工程を経て塗りあがったエンジン部品は、機械加工による切削工程に入ります。国内仕様のZ2Eや初期型Z1Eのブラックエンジンは、このような作業工程でクランクケースやシリンダーやシリンダーヘッドが完成します。ペイント仕上げされた後に切削加工されているため、メーカーのエンジン製造工程では、マスキングなどの面倒な作業は行われません。

作業進行中の過程をリポート中のカワサキ750RS/Z2-A後期モデル。まさに仕上がった車両の姿がここにあります。威風堂々との表現が相応しい「4本マフラーが似合う美しいバイク」です。まさに日本の至宝と呼ぶことができる「機械遺産の1台」です
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 一方、今回のようなフルレストアの場合は、すでに「完成部品」になっているペイント済エンジン部品をサンドブラストで剥がし、アルミ地肌にしてからブラック仕上げするため、そもそもの作業工程が異なります。

 要するに、面倒なマスキングを施しからペイントされている訳ではないのが、メーカー純正部品になります。

 ペイント仕上げ後に、例えばシリンダーヘッドなら、基準面となるシリンダーヘッド面が切削加工されます。そこが決まれば、そこから先は図面寸法通りに数値が追いかけられ、スタッドボルト穴やプラグ穴などなど、次々と穴加工や面切削が進められていきます。

 また、Z2E/Z1Eの初代空冷Zシリーズは、シリンダーヘッドやシリンダーの左右冷却フィン端面がアルミ地肌になっていますが、これもペイント後に冷却フィンのエッジを切削して、空冷フィンの存在感を演出=魅せるエンジンとなっています。

【画像】ペイントは下処理が大事!! カワサキ「Z2」エンジン・マスキングのポイントを画像で見る(13枚)

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