「ヘルメットを気にしないで走ってくるのが一番」アライヘルメットのMotoGPレーシングサービスに聞く
「ヘルメットを気にしないで走って帰ってきてくれるのが、一番」
インタビューの中で、古厩さんがさらりと言ったある言葉がとても印象に残りました。
「ライダーが問題なく走って、ヘルメットを気にしないで走って帰ってきてくれれば、それが一番かな」

安全であることは、当然のこと。そのうえで、ライダーがヘルメットのことを気にせずに、自分のパフォーマンスだけに集中して走ることができて、そして帰ってくる。それが、一番だと。
「極論で言えば、ライダーが何も言わずに帰ってきて、何も言わずにコースに出ていく。それが一番いいんです。何も言わないということは、“何もなかったんだな”ってことだから」
そう言う古厩さんに、ヘルメット・レーシングサービスという仕事のやりがいとは何でしょうか、と聞きました。
「藍がチャンピオンを獲ったときは、すごく嬉しかったですね。優勝したときもね。マーベリックもMoto3でチャンピオンを獲りましたし。残念ながらもううちのライダーではなくなってしまったけど、(ブラッド・)ビンダー、ティト・ラバト、ホルヘ・マルティンも、うちのヘルメットでチャンピオンになってくれました。今年、マルティンが(MotoGPクラスの)チャンピオンになったらいいな、と思っているんですよ。
それまでノーポイントだったライダーがポイントを獲ったり、活躍してくれるのが嬉しいですね。勝つだけじゃなくて前進して卒業して、その後の人生の糧になってくれれば。それが一番です。怪我せずにね。
安全が、一番重要なんです。そうして走り切ってくれれば一番嬉しいです。僕は“アライにああいう人がいたなあ”というくらいでいいんです。こちらは表舞台に立つ人間じゃないからね。彼らを助けられればいいな、と思っていますよ」
インタビューの数時間あと、小椋選手のスペシャルヘルメットを撮影するために再びトラックにお邪魔すると、やっぱり訪問客がいました。ヘルメットのレーシングサービスだけではなく、アライはMotoGPのパドックで──きっと、特に日本人にとって──大事な寄り所なのです。
Writer: 伊藤英里
モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。








