国内外で大ヒット!! ツートンカラーで華麗なバイク新時代を切り拓いたホンダ「ドリームCB350エクスポート」

1968年に発売されたホンダ「ドリームCB350エクスポート」は、新感覚デザインのツートンカラーが特徴です。大幅に性能が向上した排気量325ccのバーチカルツインエンジンと現代的な車体設計で大ヒットし、その後のホンダ車のカラーリングに影響を与えました。

時代を超えて、カラーリングのコンセプトが受け継がれた

 日本国内でカラーテレビが普及するのは1960年代です。まだバイク雑誌のカラーページも少なく、実車を見て初めて「こんな色だったのか」と知ることもあったでしょう。そんな時代、国産バイクの海外市場への輸出が勢いづきます。販売に結びつけるために現地のライダーの要望を取り入れるのは今も昔も同じです。それもエンジン性能だけでなく、デザインも大切な要素でした。

ツートンカラーで若者を中心に人気を博した1968年発売のホンダ「ドリームCB350エクスポート」
ツートンカラーで若者を中心に人気を博した1968年発売のホンダ「ドリームCB350エクスポート」

 欧米車は、燃料タンクを明るく派手な色で塗り分けたり、前後フェンダーも同じ色に塗装したりとカラフルでした。一方、日本国内向けのホンダ車は、黒塗装にメッキパーツというコンサバで高級嗜好なデザインがメインでした。

 しかし国内でも明るいカラーが求められていると感じたホンダは、1968年の新型のミドルクラスバイク投入というタイミングで、両面作戦に出ます。

 伝統的なスポーツスタイルの「ドリームCB250/350」と、新感覚デザインの「ドリームCB250/350エクスポート」をそれぞれ2台ずつ、計4車種用意しました。車体は4車種とも基本的に共用で、エンジンもそれぞれ排気量を作り分けた兄弟車となっています。

 もともとは輸出用に開発していた「エクスポート」は、明るいツートンカラーで塗られています。さらにスポーティな燃料タンク形状とヘッドライトから独立させた2眼式のメーター、スリムなフェンダーなど様々な部分で仕様を変えていました。

 車両価格は「ドリームCB250/350」と同じでしたが、ユーザーが選んだのはカラフルな「エクスポート」で、新鮮なスタイルは大人気となり、その後に続く「CB750フォア」(1969年)など、ホンダ車にもカラフルなカラーリングが展開されていきました。

 性能も大きく向上しています。この時代の250ccクラスのホンダ車では、1960年に発売された「ドリームCB72スーパースポーツ」がお馴染みですが、8年間で他社の2ストロークモデルは一段と性能を向上していました。

 負けじと「ドリームCB250/350エクスポート」は、エンジンも車体もフルモデルチェンジとなり、前傾していた4ストローク並列2気筒エンジンは、全面的に新設計されて直立タイプの新型となりました。これにより24psだった馬力は30ps(350は36ps)へ大幅にアップします。

 フレームもセミダブルクレードル型となり、剛性バランスが向上しつつ車体重量(乾燥)は153kgから149kgへと軽量化を果たします。

「ドリームCB350」はライトケースに一体型のコンパクトなコンビメーターだったが、「エクスポート」では別体の2眼式を採用
「ドリームCB350」はライトケースに一体型のコンパクトなコンビメーターだったが、「エクスポート」では別体の2眼式を採用

 デザインも性能も魅力的な「エクスポート」は(特に北米で)大ヒット作となり、その後のミドルクラス「CB」シリーズを支えていきます。

 さて、モデル名の「350」から、2021年に発売されたホンダ「GB350」を連想する人もいるかもしれません。「GB350」はインドで生産されているホンダ「ハイネスCB350」がベースになっています。

「ハイネスCB350」を開発する時にオマージュしたのが、この「ドリームCB350エクスポート」でした。インドの「ハイネスCB350」には「ドリームCB350エクスポート」と同じツートンのカラーリングもあります。

 ホンダ「ドリームCB350エクスポート」(1968年型)の当時の販売価格は19万2000円です。

■ホンダ「DREAM CB350EXPORT」(1968年型)主要諸元
エンジン種類:空冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ
総排気量:325cc
最高出力:36PS/10500rpm
最大トルク:2.55kg-m/9500rpm
全長×全幅×全高:2090×775×1075mm
始動方式:セル/キック
燃料タンク容量:12L
車両重量:149kg(乾燥)
フレーム形式:セミダブルクレードル
タイヤサイズ(F):3.00-18(4PR)
タイヤサイズ(R):3.50-18(4PR)

【取材協力】
ホンダコレクションホール(栃木県/モビリティリゾートもてぎ内)
※2023年12月以前に撮影

【画像】ホンダ車でお馴染みのカラーリングはココから始まった!?(10枚)

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Writer: 柴田直行

カメラマン。80年代のブームに乗じてバイク雑誌業界へ。前半の20年はモトクロス専門誌「ダートクール」を立ち上げアメリカでレースを撮影。後半の20年は多数のバイクメディアでインプレからツーリング、カスタムまでバイクライフ全般を撮影。休日は愛車のホンダ「GB350」でのんびりライディングを楽しむ。日本レース写真家協会会員

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