バイクでの「すり抜け」は法律違反じゃないって知ってた? すり抜けが違反になってしまう条件とは
渋滞時、前方のクルマの横をすり抜けて進むバイクを目にしたことはありませんか。特に都市部では信号待ちのクルマの間を抜けて、先頭に出るライダーも多くみられます。少し危うくも感じるこの「すり抜け」は、違反ではありません。しかし、ある条件下でおこなうと、たちまち違反になってしまうので注意が必要です。
すり抜けは法律違反になる場合がある?
バイクの小さな車体やその機敏さを活かし、渋滞時にすり抜けをおこなうライダーは少なくありません。特に都市部では、スムーズな移動手段として重宝されることもあります。
しかし、この行為が法律的にどのような位置付けになっているのか、十分に理解している人は少ないでしょう。そもそもこういった「すり抜け」は、違反行為なのでしょうか。
結論として、すり抜け自体は道路交通法で明確に禁止されているわけではありません。しかし、状況によっては道路交通法第17条に規定されている、「通行区分違反」に該当する場合があります。
また、バイクがすり抜けをするために歩道のない道路で歩行者用のスペースである「路側帯」を走行したり、一時的に反対車線を逆走したりすると、通行区分違反となることも。
なお、歩道がある道路の「路肩」を通行することは問題ありません。

加えて道路交通法第32条の「割込み等」に違反する可能性もあります。信号待ちや渋滞中の車両の間をすり抜けて先頭に出たり、クルマとクルマの間に無理に割り込んだりする行為はこれに該当します。
さらに、信号待ちの先頭車の前に割り込んで停止線を越えた場合は「信号無視」とみなされる場合も。さらに、道路によっては道路交通法第26条の2に基づく「進路変更禁止違反」となる場合もあり、この違反のひとつがいわゆる「イエローカット」です。
そもそも車線が二車線以上あり、車両通行帯が黄色線で示されている道路では進路変更が禁止されています。そのため、バイクがすり抜けの際に黄線をまたいで隣の車線に移動すれば、上記違反にみなされる可能性があります。
このほか、道路交通法第28条から第30条に定められた「追越し違反」に該当することも。
道路交通法第28条から第30条では、バイクなどの車両がほかの車両を追い越すときは原則「右側追越し」をしなければならない旨が明記されています。
また、道路の曲がり角や横断歩道付近といった特定の場所の追越しは禁止されています。
この決まりを無視してバイクが前方のクルマを左側から追い越したり、道路の曲がり角付近でクルマを追い越したりする行為は、追越し違反にあたることがあるという訳です。
法律違反なだけじゃない、すり抜けの危険性とは
すり抜けには上述したような法律的問題だけでなく、さまざまな危険が伴います。
まず、クルマのドライバーからバイクが見えず、交通事故につながる危険性が高まります。
クルマはバイクよりも死角が多く、特に大型車両は傍をすり抜けるライダーの存在に気づかないことも少なくありません。
その結果、クルマが突然進路変更をおこなった際に巻き込まれたという事例も多々発生しています。

また、バイクがすり抜ける際に突然開いたクルマのドアにぶつかる、「ドア開け事故」の危険性もあるでしょう。特にタクシーなどでは、乗客が予告なしにドアを開けることがあるため、すり抜けているバイクが接触してしまう事故がおきています。
これに似た事例として、停車しているクルマとクルマの間から横断する歩行者と、すり抜けをしているバイクが衝突する事故にも気を付ける必要があります。
車体が小さく機動力のあるバイクに乗っていると先を急ぐために、ついすり抜けをしたくなることもあるでしょう。
しかし、すり抜けには危険性や、法律違反になる恐れが含まれる行為。ほかのクルマや歩行者を事故に巻き込まないためにも、すり抜けは行わないようにしましょう。









