【2台でGO!!】ロングツーリングで浮き彫りに!? ドゥカティ「モンスター」と「スクランブラー」の魅力

イタリアのバイクメーカー「DUCATI(ドゥカティ)」の現行ラインナップの中で、どちらかと言えばユーザーフレンドリーな2機種「モンスター」と「スクランブラー」でツーリングシーンを走り、乗り比べることでその魅力が浮き彫りになりました。

スポーツネイキッドと、ネオックラシック

 当記事の目的は、同じメーカーの2機種を同じ条件でじっくり比較して、各車各様のキャラクターを明らかにすることです。「ドゥカティ・ツイン編」として準備した素材は「Monster+(モンスター・プラス)」と「Scrambler NightShift(スクランブラー・ナイトシフト)」で、今回は私(筆者:中村友彦)と編集部のZ氏と共に出かけた、ロングツーリングで感じたことを紹介します。

2台のドゥカティ「Scrambler Nightshift」(手前)と「Monster+」(奥)を乗り比べながらロングツーリングへ。各車各様のキャラクターが浮き彫りに
2台のドゥカティ「Scrambler Nightshift」(手前)と「Monster+」(奥)を乗り比べながらロングツーリングへ。各車各様のキャラクターが浮き彫りに

 なお、「モンスター」と「スクランブラー」の両シリーズは、現在のドゥカティの中ではエントリーモデルと言うべき存在で、各車の価格(消費税10%込み)は「モンスター・プラス」が162万2000円、「スクランブラー・ナイトシフト」が153万8000円です。

 そして2台の車格はよく似ていますが、アルミ製フロントフレームに排気量937ccの水冷DOHC4バルブ90度Vツインを搭載する「モンスター」は、現代的な走りが楽しめるスポーツネイキッドで、スチール製トレリスフレームに排気量803ccの空冷OHC2バルブLツインを搭載する「スクランブラー」は、古き良き時代の味わいを意識したネオクラシックモデルです。

一昔前と比べると、相当にフレンドリー

「どちらの車両も、あまりの乗りやすさにビックリしました。この2台をちゃんと走らせるのは久しぶりですが、まさかここまで扱いやすくなっているとは……」

ドゥカティ「Monster+」に試乗する筆者(中村友彦)
ドゥカティ「Monster+」に試乗する筆者(中村友彦)

 編集部を出発して市街地と高速道路を走り、最初の休憩地点でZ氏の言葉を聞いた私は、やっぱり立場が異なる2人で比較試乗することには意義がある、と思いました。

 個人的にはビックリとまではいかなかったのですが、確かに一昔前と比べると、現代の「モンスター」と「スクランブラー」は相当にフレンドリーになっています。

「モンスターは先代以前の気忙しい雰囲気、スクランブラーは初代で感じたまとまりの悪さが消えて、どちらもフレンドリーなキャラクターになっていると思います。最近のドゥカティはエポックメイキンなモデルが多くて、この2台にはなかなかスポットが当たらないですが、いずれの車両も堅実な熟成を行っていたんですね」

各車各様のスポーツライディング

 休憩後に走ったワインディングロードで興味深かったのは、前を走る私と後方のZ氏の距離が、車両によって大きく変わったことです。

両車のフロントタイヤのサイズは、左の「Monster+」は現在のスポーツバイクの定番になっている120/70ZR17で、右の「Scrambler Nightshift」はクラシックテイストを意識した110/80R18
両車のフロントタイヤのサイズは、左の「Monster+」は現在のスポーツバイクの定番になっている120/70ZR17で、右の「Scrambler Nightshift」はクラシックテイストを意識した110/80R18

 私が「スクランブラー」に乗っているときは、後方を走る「モンスター」とZ氏との距離は安定していたのですが、車両を入れ替えると、私が乗る「モンスター」のバックミラーから、「スクランブラー」の姿が消えることが何度かありました。

「こういう表現が適切かどうかはさておき、モンスターは明らかに速いですね。前を走る中村さんとの距離が開いても、モンスターなら直線でスロットルを大きく開ければすぐに追いつけるし、その後の減速も容易なのですが、スクランブラーで同じことはできなかったです」

 Z氏の言葉を聞いた私は、「モンスター」の方がイージーなのかも? ……と思いました。

 例えば、ミドル以上のバイクを所有する数人とツーリングに出かけた場合、最高出力が111ps/9250rpmの「モンスター」なら仲間に遅れを取る場面はほとんど無さそうですが、73ps/8250rpmのスクランブラーは、運動性能に物足りなさを感じることがあるのかもしれません(あくまでも両モデルで比較した場合)。

「いやでも、カーブが連続するワインディングで、スクランブラーで中村さんについていけないと感じたのは、スイッチが入ったかのようにモンスターでバビューンと気持ち良さそうに走っていたからで(笑)、一般的なライダーの基準で考えれば、スクランブラーはけして遅いバイクではないですよ。もちろんモンスターのようなイージーな速さは備わっていないですが、そのぶんスクランブラーは頭を使って走る必要があって、それはそれで楽しかったですよ」

 なんだか諭されるような展開になってしまいましたが、Z氏の言うことはその通りで、絶対的な速さで「モンスター」に及ばなくても、「スクランブラー」で走るワインディグロードは十分に楽しいのです。

 また、他メーカーが販売する2気筒のネオクラシックモデルと脳内比較をしてみると、「スクランブラー」にはエンジン幅が狭いLツインならではの軽快さが備わっていて、その資質はライバル勢に対するアドバンテージになると思いました。

自分で所有するなら、ドッチ?

 約半日に及んだ比較試乗ツーリングを終えると、私とZ氏の会話は自然に「自分で所有するならドッチ?」というテーマになりました。

 ちなみに、2人は複数台のバイクを所有していて、Z氏は昔から軽量なシングルロードスポーツ、最近の私は1970~1980年代生まれの旧車をメインとしたバイクライフを送っています。

ドゥカティ「Scrambler Nightshift」に試乗する筆者(中村友彦)
ドゥカティ「Scrambler Nightshift」に試乗する筆者(中村友彦)

「自分の日常に当てはめてみると、スクランブラーの方が使い勝手が良さそうです。このバイクなら日常の足として気軽に使えるし、穏やかな特性や良好な乗り心地のおかげで、ツーリングが快適にこなせるでしょう。一方のモンスターは、ドゥカティならではの快感は魅力的なのですが、絶対的な速さや運動性能を重視しない自分には、宝の持ち腐れになりそうな気がしました」

 Z氏の意見とバランスを取るわけではないのですが、私の場合は僅差で「モンスター」です。

 もっともその背景には、近年の自分がガチの旧車、1974年型モトグッツィ「V850GT」を常用しているという事情があるのですが、スポーツライディングが大好きで、サーキットを走る機会がそれなりにあって、最新の電子デバイスの効能を普段のバイクライフで実感したいと考えている私にとって、「モンスター」は絶妙な性能を備えていたのです。

 ちなみに、今回の「2台でGO!!」では「エントリーモデル」という言葉を多用しましたが、それは「初めてのドゥカティ」という意味で、初心者向けという意味ではありません。

 事実、「モンスター・プラス」と「スクランブラー・ナイトシフト」をじっくり乗り込んだ私は、この2台は経験や技量に関係なく、久々にバイクに乗るリターンライダーや、酸いも甘いも知り尽くしたベテランを含めて、幅広い層のライダーの支持を集められるモデルだ……と感じたのです。

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Writer: 中村友彦

二輪専門誌『バイカーズステーション』(1996年から2003年)に在籍し、以後はフリーランスとして活動中。年式や国籍、排気量を問わず、ありとあらゆるバイクが興味の対象で、メカいじりやレースも大好き。バイク関連で最も好きなことはツーリングで、どんなに仕事が忙しくても月に1度以上は必ず、愛車を駆ってロングランに出かけている。

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