バイクを軽快に操るにはどうしたら? 意識するだけでだいぶ違う「ロール軸」とは!!

バイクは車体を傾けて曲る乗りものですが、ドコを基準に傾けているのでしょうか? なんとなく前後のタイヤの接地点を中心軸に車体を左右に扇型に傾けているイメージですが……じつはかなり複雑なのです。

傾きの中心軸が「ロール軸」

 バイクは曲がるときに車体を傾けます。そして前後に2つのタイヤしかないので、それぞれの接地点を結んだ線が、車体を傾ける時の中心軸になっているような気がします。

黄色の線が「ロール軸」。後輪の地面との接地点からバイクの重心付近を貫き、フロントフォークとおおむね90度に交差する
黄色の線が「ロール軸」。後輪の地面との接地点からバイクの重心付近を貫き、フロントフォークとおおむね90度に交差する

 停めたバイクを左右に傾けるなら、たしかに前後タイヤの接地点が中心軸になっていますが、走行中のバイクだと状況が変わってきます。

 コーナーに進入したバイクは、車体を傾けることで前輪が自然に切れながらイン側に向かって行きます。しかもバンク角が深まると路面に対して車体が低くなり、その間もバイクは進んでいます。

 このようにバイクのコーナリング時の動きはかなり複雑で、飛行機が旋回する時の3次元的な動きに似ています。

 バイクが傾くときは、後輪の接地点から斜め上方に向かった線が中心軸となり、これを「ロール軸」と呼んでいます。

 ロール軸の位置は車種やバイクのジャンルによって異なりますが、基本的には後輪の接地点から、バイクの重心付近(クランクシャフトより少し後ろ辺り)を貫き、フロントフォークとおおむね90度に交差する線になります。

ロール軸の高さや向きを意識して傾ける!

 コーナーを曲がるために車体を傾ける動作を「リーン」と呼びます。バイクを軽快に操り、バイク本来の曲がる性能を引き出すには、ロール軸を中心に「回す」イメージでリーンするのがオススメです。

 とはいえ前述したように、バイクが曲がる時の車体の動きはかなり複雑で、ロール軸もコーナリング中はつねに移動しています。直線の直立状態からコーナーに進入して曲り始めると、ロール軸の後ろ側は後輪の接地点をトレースし、前側は路面に対して徐々に下がりながらイン側を向いていきます。

 このロール軸の動きや位置に完璧にシンクロして重心移動するのは、じつはプロライダーでも至難の業です。なので「バイクにはロール軸がるから、できるだけ合わせよう」くらいの気持ちで乗るだけでもしっかり効果があります。

車体を傾けて曲がる際の「ロール軸」の動きのイメージ
車体を傾けて曲がる際の「ロール軸」の動きのイメージ

ロール軸の高さは、バイクによって異なる

 ロール軸の傾きは、角度が小さいと「低い」「寝ている」、反対に角度が大きいと「高い」「起きている」といった具合に呼びます。そしてロール軸の高さは車種によって異なりますが、バイクのカテゴリーによって傾向があります。

 コーナリング性能が最優先のスーパースポーツ系は、ロール軸を低く設定して、少ないリーンの動作でクイックに曲がれます。その反面、小さく素早いロール軸の動きにライダーの重心移動が遅れると、フラつくように感じて無意識に動きを抑えてしまい、かえって乗り味を重く感じることもあります。

 これに対し、オーソドックスなレイアウトのネイキッド車や旧車は、ロール軸を高めに設定して曲がり始めが穏やかなハンドリングを狙っています。乗り味がおおらかなので、アグレッシブに乗りたいライダーはハンドルをコジったり、腰でエイッと車体を寝かそうとしがちですが、これは自然なハンドリング特性を損なうのでオススメできません。

 またクルーザー系(いわゆるアメリカン)の中には、さらに高いロール軸でユッタリと安心感の大きなハンドリングの車種もあります。

 このように、ロール軸の低い・高いは、どちらがエラいというものではなく、バイクのカテゴリーやコンセプトに合った乗り味を生むように設定されています。

 それも踏まえてロール軸を意識して乗るのが、それぞれのバイクを楽しく操るコツと言えるでしょう。

【画像】バイクを軽快に操るために! 車種によって異なる「ロール軸」を画像で見る(7枚)

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Writer: 伊藤康司

二輪専門誌『ライダースクラブ』に在籍した後(~2005年)、フリーランスの二輪ライターとして活動中。メカニズムに長け、旧車から最新テクノロジー、国内外を問わず広い守備範囲でバイクを探求。機械好きが高じてメンテナンスやカスタム、レストアにいそしみ、イベントレース等のメカニックも担当する。

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