「これぞ!!」と思わせてくれる2025年型のハーレーダビッドソン「ローライダーS」 伝統のハンドリングと往年のワイルドさを満喫!!

2025年型のハーレーダビッドソン「LOW RIDER S(ローライダー・エス)」は、かつてとは立ち位置が変わっても唯一無二の資質を維持する「ハーレーらしさ」を感じさせてくれました。

位置づけが分かりづらくなっている?

 近年のハーレーダビッドソンが販売する車両は、グランドアメリカンツーリング、トライク、クルーザー、アドベンチャーツーリング、スポーツ、「X」という6種類のジャンルに分類でき、ここで紹介する「LOW RIDER S(ローライダー・エス)」はクルーザーに該当します。ただし、7機種が存在するクルーザーの中でこのバイクがどんな位置づけかと言うと、門外漢にはなかなか判別しづらいでしょう。

ハーレーダビッドソン「LOW RIDER S」(2025年型)に試乗する筆者(中村友彦)
ハーレーダビッドソン「LOW RIDER S」(2025年型)に試乗する筆者(中村友彦)

 などと書くと、一部のファンはお怒りになるかもしれません。何と言っても1977年に初代がデビューした「ローライダー」は、1971年型「スーパーグライド」と並ぶメーカーメイドのカスタムバイク、クルーザー用語で言うならファクトリーチョッパーの先駆け的な存在で、シリーズの歴史はほぼ半世紀に及んでいるのですから。

 とはいえ、現在のハーレーダビッドソンのラインナップに並ぶ7機種のクルーザーは、いずれもファクトリーチョッパーと言うべき資質を備えているのです。だからかつてと比較するなら、やっぱり「ローライダー」シリーズの存在意義は分かりづらくなっているような気がします。

1977年に登場した初代「ローライダー」は、既存の「スーパーグライド」の思想を推し進めたファクトリーチョッパー。2-1式マフラーやキャストホイール、フロントダブルディスク、角型スイングアーム、バケットタイプのシート、オイルクーラー、ハイウェイペグなど、当時のカスタム界で流行したパーツを随所に取り入れていた
1977年に登場した初代「ローライダー」は、既存の「スーパーグライド」の思想を推し進めたファクトリーチョッパー。2-1式マフラーやキャストホイール、フロントダブルディスク、角型スイングアーム、バケットタイプのシート、オイルクーラー、ハイウェイペグなど、当時のカスタム界で流行したパーツを随所に取り入れていた

スポーツ性重視のキャラクター

 さて、冒頭から微妙なことを書いてしまいましたが、近年の「ローライダーS」は他のクルーザーは異なる装備として、倒立式フロントフォーク、ダブルディスクのフロントブレーキ、ヘビーブリーザーインテーク、ミッドコントロール式ステップなどを採用しています。

 また、2025年型からは115.6ps/5020rpmを発揮するハイアウトプットエンジン(他のクルーザーは92.5・104.7ps。装備とパワーは兄弟車の「ローライダーST」も同様)を導入しました。その事実から推察するなら、現在の「ローライダーS」はスポーツ指向という位置づけなのでしょう。

 なお2025年型のクルーザーは、3種のライディングモードや設定を刷新した前後ショックを導入し、「ブレイクアウト」と「ファットボーイ」以外は2-1式マフラーを採用しました。

 近年の「ローライダー」シリーズのマフラーは2本出しでしたから、初代を思わせる2-1式を歓迎するライダーは大勢いるはずです。

エボリューション時代を思わせる乗り味

「これぞ、ハーレーダビッドソンのビッグツイン!!」──2025年型の「ローライダーS」でさまざまな場面を走った私(筆者:中村友彦)は、そんな印象を抱きました。

 もちろん、何をもって「これぞ!!」と感じるかは人それぞれですが、このモデルは私が人生で初めて体験したハーレーダビッドソンのビッグツイン、1990年代中盤の「ダイナローライダー」に通じるハンドリングと鼓動感を味わわせてくれたのです。

 私がそう感じた一番の理由は、フロント19/リア16インチのタイヤです。そのサイズと前後16インチのみだったかつてとは異なり、近年のハーレーダビッドソンのビッグツインにはフロント19/リア18インチや、フロント21/リア18インチ、前後18インチなども存在します。

 とはいえ、フロント19インチならではの穏やかで分かりやすい舵角、そしてリア16インチならではの濃密なトラクションを実感した私は、伝統のタイヤサイズ(と言っても、かつてと比べると前後とも幅が太くなっている)に改めて好感を抱くことになりました。

 それに加えて感心したのは、エンジンの力強さです。最近のクルーザーが搭載している空冷・空油冷45度VツインOHV4バルブのミルウォーキーエイトは、ノーマルでは微妙な物足りなさを感じることが少なくないのですが(インジェクションマップやマフラー、カムシャフトなどを変更すればキャラクターが激変するらしい)、高度なチューニングが行われたハイアウトプットエンジンは、1990年代のエボリューションを思わせるワイルドさを備えていたのです。

排気量1923ccの高出力V-Twinエンジン「Milwaukee-Eight 117」を搭載。最高出力114HP(85kW)/5020rpm、最大トルク173Nm/4000rpmを発揮する
排気量1923ccの高出力V-Twinエンジン「Milwaukee-Eight 117」を搭載。最高出力114HP(85kW)/5020rpm、最大トルク173Nm/4000rpmを発揮する

 ちなみに、エボリューション時代のビッグツインの排気量は一貫して1340ccだったのですが、当時の2輪の世界には排気ガス規制が存在しなかったため(騒音規制は存在。世界各国に先駆ける形で日本が排気ガスの有害物質に関する規制を施行したのは、250cc以下が1998年、251cc以上が1999年)、現代の視点で考えればエンジンフィーリングは相当にワイルドでした。

 逆に言うなら1999年以降のビッグツイン、ツインカム88・96・103(1450・1584・1689cc)、ミルウォーキーエイト107・114・117(1745・1868・1923cc)は、年を経るごとに厳しくなる排出ガス規制に対応しながら、本来の資質を維持するために少しずつ排気量を拡大してきたのではないか……と、私は感じています。

 いずれにしても2025年型「ローライダーS」は、私にとってはハーレーダビッドソンのビッグツインらしさを存分に感じるモデルでした。もっとも、価格は1990年代中盤の「ダイナローライダー」の約1.5倍となる300万800円から(カラーによって異なる・消費税10%込み)ですが、現在のミルウォーキーエイト搭載車の中では比較的安い部類に入ります。

【画像】ハーレーにしては威圧感少なめ? ワリとシンプルな部類の「LOW RIDER S」(2025年型)を見る(20枚)

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Writer: 中村友彦

二輪専門誌『バイカーズステーション』(1996年から2003年)に在籍し、以後はフリーランスとして活動中。年式や国籍、排気量を問わず、ありとあらゆるバイクが興味の対象で、メカいじりやレースも大好き。バイク関連で最も好きなことはツーリングで、どんなに仕事が忙しくても月に1度以上は必ず、愛車を駆ってロングランに出かけている。

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