超激レアな非売品「ハンターカブ」が存在していた?? 本田宗一郎から手渡し!? カタログにも載っていないカブの正体とは

スーパーカブC100の大規模プロダクションを担当した、三重県の鈴鹿製作所の稼働が順調になった頃から、C100シリーズをベースにした派生モデルも積極的に開発投入されました。その中には、カタログにも掲載されなかった「非売品」モデルもあったそうです。

OHVエンジンを搭載したメッキボディシリーズ

 今なお人気の高いカワサキ「Z1」やホンダ「CB750K」シリーズ、カワサキ2スト・トリプルが里帰り絶版車の横綱だとしたら、「CB400F」や「KH400」は、大関、関脇、小結の三役クラスでしょうか? 一方で、原付クラスになると、里帰り車数が圧倒的に少ないのが現実のようです。

 輸出車として海外へ旅立ったモデルは、日本への里帰りも含めて、再び第三国に渡るとすれば、それは当事国にとっては輸出車両になります。そのため、様々な意味で制約があるのが現実のようです。

初期に登場したC105HやC105Tトレール(オフロード系)モデルは、ダウンマフラーを採用していましたが、1962年からスポーツカブのようなアップマフラーになりました
初期に登場したC105HやC105Tトレール(オフロード系)モデルは、ダウンマフラーを採用していましたが、1962年からスポーツカブのようなアップマフラーになりました

 以前は、それほど厳しくなかったようですが、現在では、アメリカなら国内で登録していた「タイトル」と呼ばれる届出証明書類が無いと、コンプリート車両として国外へ輸出するのが難しいそうです。盗難車問題や犯罪に対する当局の措置だと思われますが、そんな厳しさが増す中で、タイトルを持たないコンプリート車両は、原則輸出禁止となっているそうです。

 広大な北米市場(アメリカやカナダ)では、個人所有の敷地内だけで乗ることを目的に、バイクを購入する例も多いそうです。近年では、オモチャ感覚で日本の軽トラックが注目されていますが、登録せず=ナンバー取得せず、農場などの敷地内を走っている例も数多いようです。そのため、日本国内では見掛けることが無い、珍しい原付クラスのモデルを里帰りさせる例が少ないとも言われています。

 そのような現状でも、珍しいバイクがあると、興味本位で仕入れる個人輸入業者もいます。ここで紹介するフルメッキ仕様の「C105H」通称ハンターカブ(1962年式)も、その珍しさから里帰りしました。

 実は当時、優秀な販売成績を残したディーラーさんに対して、現地法人のホンダからプレゼントされた非売品が、このメッキ仕様でした。したがって、カタログにも掲載されていません。

 現地のディーラーさんから直接伺ったお話では、当時、拡販に貢献したディーラーに対し、アメリカホンダモーター、もしくは本田宗一郎社長(当時)ご本人から、メッキ仕様のモデルが手渡されたそうです。

 そんなお話を伺ったバイクディーラーの壁には、バイクディーラーの社長と本田宗一郎社長とメッキモデルの3ショット写真が飾られていたそうです。また、C105H 以外にもCA102(ホンダ50)、CA105(55ccモデルのスーパーカブ)などが、特別なクロームメッキ仕様車として生産輸出されたといいます。

 現地で見つけたこの車両を里帰りさせたバイク仲間は、過去にもメッキ仕様のスーパーカブを複数台里帰りさせていて、オフ仕様のC105Hはこの車両が初めてだったそうです。

 所有者だったディーラーの社長さんのお話しでは、他のモデルに対して生産数は少なかったそうです。里帰り後は、傷んだ部分の補修とエンジン始動を目的に、ガレージへ運ばれました。エンジン始動は後回しに、まずは間になる部分の溶接補修から始めます。実際の作業については写真とキャプションを参考にしてください。

【画像】出会えたら超ラッキー!! メッキ仕様のホンダ「C105H」ハンターカブを画像で見る(14枚)

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Writer: たぐちかつみ

フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。

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