台湾を代表する2輪メーカー「KYMCO(キムコ)」の日本法人が10年の活動に終止符 すべての事業は「Eisyu」が引き継ぐ

台湾を代表するバイクメーカー「KYMCO(キムコ)」の日本法人が国内市場から撤退します。先進的な技術搭載と高いコストパフォーマンスを持つスクーター開発で独自の地位を築いてきましたが、海外展開するニューモデルの国内投入も進まず、コロナ禍以降は4輪バギー販売に軸足を移していました。

都内に部品ストックを持ち、顧客満足度の向上に努めたが……

 台湾南部の高雄市に本社を持つ「KYMCO(キムコ)」(光陽工業)と、その100%子会社である「キムコジャパン」が連名で声明を発表しました。

イタリアでは「LIKE(ライク)」のモデル名で投入されている「AROMA 150(アローマ150)」は、日本ではトップケースを標準装備する特別仕様が販売されている
イタリアでは「LIKE(ライク)」のモデル名で投入されている「AROMA 150(アローマ150)」は、日本ではトップケースを標準装備する特別仕様が販売されている

 キムコジャパンのウェブサイトに掲載された「日本市場における事業継承およびサービス継続に関するご案内」によると、キムコジャパンは2025年8月末日で活動を停止。日本国内における新車や部品販売などの全事業を移譲することを公表しています。

 2025年9月1日からキムコ製品について取り扱いをスタートするのは、東京都足立区に本社を持つ「Eisyu株式会社」です。3輪屋根付きバイク「VECTRIX」の販売・業販などを手がける会社で、同社のウェブサイトでは40年の輸入販売の経験を持つと紹介されています。

 3社連名の声明によると、事業を引き継ぐことになったEisyuは製品の販売促進、部品の安定供給、アフターサービス体制の維持・強化を担当する日本国内での正規業務パートナーであるとされています。

 1964年創業のキムコは、人口100人当たり65台のバイク普及率を誇る台湾で、ナンバーワンブランドとしてのポジションを構築。ドライブレコーダーの標準装備モデルや、カラーのマルチディスプレイ搭載の通信機能を備えたモデルなど、日本国内メーカーに先駆けた先進技術の搭載で注目を集め、欧州市場にも進出しています。

 かつては円高のメリットを活かし、圧倒的なコストパフォーマンスで独自のポジションを築き上げてきましたが、コロナ禍を経て、価格面での有意差が縮小すると、小型の4輪バギーに販売の軸足を移しました。

 沖縄名護市などで展開する「ジャングリア沖縄」のオフロードコース踏破にも、キムコのバギーが採用されています。

 もともとホンダの関連企業として出発したキムコは、日本国内の市場開拓には意欲的でした。2000年から日本の商社を通じて進出し、2015年からは100%出資の日本法人「キムコジャパン」を設立。独自のパーツセンターを備えて顧客満足度の向上にも努めてきました。

 そして日本でのパイオニアとなった商社が、今回再び事業を引き継ぐことになったEisyuです。

 キムコは日本国内事業のEisyuへの譲渡後も、協力して「日本市場におけるブランド展開を一層強化」すると宣言し、日本市場からの撤退については否定しています。

 キムコジャパンの王量增社長は離日し、現在の日本法人社長は空席になっています。

 大田区平和島にあるパーツセンターや日本法人スタッフは9月末日までにEisyuに引き継がれ、日本法人と同じ体制が保たれる予定です。

 取材に応じたキムコジャパンの関係者は、次のように話します。

「9月末日の移転に伴い、準備をしているところです。今の段階では未定のこともありますので、販売店様を含めてそのタイミングで対外的にお話できればと考えております」

【画像】2輪大国台湾で圧倒的なシェアを誇る「KYMCO」が日本市場で展開する代表モデルを見る(5枚)

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Writer: 中島みなみ

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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