MotoGPルーキー小椋藍選手 第16戦の舞台ミサノ・サーキットでは“想定内”の苦戦 習熟を重ねるも決勝レースで転倒リタイア
2025年9月12日から14日にかけて、MotoGP第16戦サンマリノGPがイタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行なわれました。MotoGPクラスに参戦する日本人ライダーにしてルーキーの小椋藍選手(トラックハウス・MotoGP・チーム)は、スプリントレースは12位、決勝レースは転倒リタイアでした。
スプリントは12位、決勝レースで転倒リタイア
小椋藍選手(トラックハウス・MotoGP・チーム)は、MotoGP第16戦サンマリノGPの週末を楽観視していませんでした。

前戦カタルーニャGP決勝レースで、自己ベストリザルト(タイGPの5位)に次ぐ6位フィニッシュを果たしたことは確かです。しかし、そこには当然ながら、6位を獲得した要因がありました。
バルセロナ-カタルーニャ・サーキットは、路面グリップの低いサーキットです。こうしたサーキットの方が、タイヤをうまく使うことができる小椋選手は自分の強みを発揮することができます。最後までペースをマネジメントして、タイムの落ち幅を抑えて走ることができるのです。
ただ、路面グリップが良いサーキットの場合、当然ながら、他のライダーのタイムは上がります。一方、小椋選手は周りのライダーほどタイムを上げることができずにいます。これは現状の小椋選手の課題です。
ミサノ・サーキットは路面グリップが良いサーキットです。懸念していたように、小椋選手は初日から順位としては厳しい位置にいました。土曜日、予選の順位は15番手。前のライダーがスプリントレースを走らなかったことで14番手からスタートしたスプリントレースは12位でした。
と言っても、サンマリノGPの週末、小椋選手はしっかりと前進していたのです。前述のように、小椋選手が周りほどタイムを上げることができなかった、という要因はありますが、ルーキーシーズンの小椋選手にとっては、ほとんどすべてのサーキットがMotoGPマシンでの初走行です。サンマリノGP土曜日のスプリントレース後、囲み取材での小椋選手は、もちろん結果に満足していません。けれど、話を聞くと初日から確実に経験を蓄積していました。
「金曜日から土曜日にかけての上がり幅は、ほかのサーキットとあまり変わらないと思います。(経験の蓄積という点でも)金曜日よりもずっと上手に乗れているとは思いますし、いつもと同じような上がり方をしていると思います」
ルーキーである小椋選手は、2025年シーズン、具体的なリザルトを追いかけて走っているのではなく、今後のための経験と学びをターゲットとしています。そういう意味では、順位だけでは苦戦しているように見えるサンマリノGPでも、しっかりと階段を上がっていました。それが今の小椋選手にとって重要なことなのです。
「明日は、今日から明日にかけて『成長できたな』と思える走りができたらいいんじゃないかなと思います」
そう語っていた小椋選手ですが、決勝レースでは3周目、12コーナーで転倒し、リタイアとなりました。決勝レース後の囲み取材は行われず、翌日の公式テストも参加しませんでした。
9月15日のチームからの情報によると、右手の人差し指、中指、薬指の中手骨基部(中手骨の下の部分)に骨挫傷(骨の内部に炎症や内出血が生じた状態)が確認され、小指を含むすべての指に炎症があり、また、手首と左足のかかとにも腫れがあるということでした。
次戦、第17戦は小椋選手の母国グランプリとなる、日本GPです。9月26日から28日にかけて、栃木県のモビリティリゾートもてぎで行なわれます。
小椋選手にとって、MotoGPライダーとして迎える初めての母国グランプリとなります。
Writer: 伊藤英里
モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。




