旧車乗りの冬の楽しみ 昭和22年創業の『手打ち中華そば松屋』 88歳の2代目店主が作る1杯500円の味わい

レースや飛行機、グルメなど多方面に造詣の深いライターの後藤武さんが、昭和の雰囲気全開の店「手打ち中華そば松屋」についてレポートします。

心も体も温まる、昭和の雰囲気全開の店で味わう「中華そば」

 ライターのゴトー(筆者:後藤武)、ちょい古の旧車に乗っているもので日本の四季を強く感じます。空冷エンジンは気温が下がるとオーバーヒートしにくくなるし、空気密度が高くなるのでメッチャ快調。水冷、インジェクションの新しいバイクみたいにいつでも同じように走れるわけじゃないんですけど、これも風情があって良いなあ、と思います。

 ただ、気温が下がってくると当然ながら寒くなるわけです。旧車に電熱服もなんか違うかなぁ、なんて思いながら革ジャンだけ着て(旧車乗りはレザージャケットなんて言いません)痩せ我慢して走っているんですけど、これもある意味、季節を体で感じること。

 そして食堂に飛び込み、ラーメンを食べるのがお約束。湯気をあげたスープが体を内側から温めてくれる瞬間もまた、旧車乗りの(最新バイクの人も同じですが)寒い時期の楽しみだと思っています。

「手打ち中華そば松屋」のラーメン(中華そば)は1杯500円! スープは醤油味のあっさり系で麺は清水さんが毎日手打ち。うどんぽい感じがこの店の個性です
「手打ち中華そば松屋」のラーメン(中華そば)は1杯500円! スープは醤油味のあっさり系で麺は清水さんが毎日手打ち。うどんぽい感じがこの店の個性です

 そんなときには店の雰囲気も重要。ご存知のように日本のラーメンの進化はすごいものがありまして、色々な味のラーメンが登場しています。価格もどんどん上がってきて、先日都内で食べた某有名ラーメン店では1杯2000円オーバー。支払いはキャッシュレスのみでした。

 最新スポーツバイク並に進化しています。確かに美味しいしオシャレなんですが、こういう店は、バイクでぶらりと走って食べに行くような気持ちにはなりません(ゴトーの主観です)。

 で、紹介したいのが今回のお店「手打ち中華そば松屋」です。店内の雰囲気は昭和全開。昭和22年から営業していて、店内の雰囲気はその頃からあまり変わっていません。店主の清水さんは2代目で御年88歳。明るい性格で近所の方々の癒やしの場になっています。

2代目店主の清水さん(88歳)。明るい性格でこちらまで笑顔になってしまいます
2代目店主の清水さん(88歳)。明るい性格でこちらまで笑顔になってしまいます

 スープは煮干しとチャーシューの茹で汁で出汁を取った醤油味のあっさり系。麺は清水さんが毎日麺棒を使って手で打っています。これもまた創業当時から変わっていないのだそうです。

 ちょっとうどんぽい感じのする麺はこの店の個性。チャーシューは脂分が少なくて歯ごたえシッカリ。

 言ってみれば、戦後間もない時期の原動機付き自転車が今でも発売されているようなもの。最新モデルのような走りはできないかもしれませんが、逆を言えばこんなに体に優しくて、温かい気持ちになるラーメンは他にないと、ゴトーは断言してしまいます。

 しかもラーメン1杯500円。今どきワンコインで食べることができるのって貴重。これで儲かるのかと思って訊いてみると「儲かってるのかどうか分からないんですよ。ほとんど趣味ですね」なんて言って笑います。つられてこっちまで笑顔になってしまいました。

店内の雰囲気は昭和全開。昭和22年の創業当時からあまり変わっていません
店内の雰囲気は昭和全開。昭和22年の創業当時からあまり変わっていません

 ご高齢ということもあって体調が良くない時は店を閉めてしまうこともあります。閉業しようと考えたことも一度や二度ではありません。

「昔からのお客さんもいるし、友達も遊びに来てくれて、皆から辞めないでくれと言われるんです。だから元気なうちは頑張って続けていこうと思っています」

 この年齢で元気に商売していられるのは、お客さんの笑顔を見て元気をもらっているからでしょう。

店は「JR箱根ヶ崎駅」近く。「箱根ヶ崎駅」交差点から50mくらいの場所にあります
店は「JR箱根ヶ崎駅」近く。「箱根ヶ崎駅」交差点から50mくらいの場所にあります

 店は「箱根ヶ崎駅」交差点から50mくらいの場所にあります。横田基地周辺を走ったときや、奥多摩から都心方面に帰るときに立ち寄ってみてはいかがでしょう?

 たぶん、心と身体の両方がポカポカになるのではないかと思います。

■手打ち中華そば松屋
住所/東京都西多摩郡瑞穂町箱根ケ崎258-22
営業時間/11:00~14:00(不定休)

【画像】旧車に通ずる昭和の味わい!? 「手打ち中華そば松屋」を画像で見る(15枚)

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Writer: 後藤武

クラブマン誌や航空雑誌の編集長を経て現在はバイク、食、飛行機などのライターと
して活動中。飛行機とヘリの免許を所持しエアレースのTV解説も担当していたことも。2スト、旧車、V8のアメ車など多数所有。

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