台湾「KYMCO(キムコ)」 国内販売は新会社「SMIモビリティ」が引き継ぐ
台湾スクーターの代表的ブランド「KYMCO(キムコ)」が日本法人を第三者に移管して半年。その後の動きが見えてきました。キムコ日本法人のパーツセンターは柏市に。輸入と国内販売を分離する体制が整いました。
輸入元「EiSYU」、国内販売「SMIモビリティ」
2025年10月、キムコ(KYMCO)日本法人「キムコジャパン」(以下、ジャパン)の事業を引き継ぐ形で、国内販売を担う法人として「SMIモビリティ株式会社」(東京都足立区東和4)が設立されました。
ジャパンの持っていた東京都大田区のパーツセンターは、同社所有の「柏サービスセンター」(千葉県柏市柏インター東1)に移設され、2015年から約10年間続いたキムコ日本法人の活動に幕が下ろされました。

当初、ジャパンの事業を引き継ぐとされていた「Eisyu株式会社」は、キムコの輸入会社として機能し、「SMIモビリティ株式会社」と役割を分担します。
両社の代表取締役は、ジャパン設立前に日本にキムコのバイクを広めた顧暁次郎(コウ・ギョウジロウ)氏です。
顧社長は、関係者向けに同社の開設を明らかにし、好調の4輪バギー事業について注力していくことを表明しましたが、2輪事業については部品供給を引き続き担っていくものの、具体的な販売計画については言及しませんでした。
SMIモビリティ関係者によると、2026年以降の新型モデルの販売を含めた2輪事業について近く取りまとめる予定です。
また、海外ブランドのインポーターで組織する「日本自動車輸入組合」(JAIA)から脱退していることも分かりました。
次世代エネルギー車を巡る対立か
日本法人の閉鎖は、キムコの新しい経営体制が影響していると考えられます。
2025年4月、キムコはチョンピン・コー氏が新しい会長に就任。会長だったアレン・コー氏は、エグゼクティブディレクターに就任しました。
両氏は親子ではなく、「コー」一族による家族経営です。さらに同年9月には、研究開発(R&D)担当副社長を務めたビクター・シュウ氏がグループプレジデント(総統)に任命され、チョンピン・コー新会長体制の下でグループを率いることになりました。
チョンピン新会長は、一族経営から脱却し、グローバル事業全般における市場地位の強化と、業務効率の強化に戦略的に注力していくことを掲げています。
日本市場での不振をよそに、キムコは2025年11月の「EICMA」(ミラノ・モーターサイクルショー)に出展しました。バッテリーとエンジンを使ったハイブリッド技術「TRI-POWER TECHNOLOGY」を搭載した新型「People R Hybrid 125」などを発表し、欧州とアジア約90カ国で活動を続けています。
ただ、日本国内では2022年以降、世界で主力とされる新型モデルの投入が途絶え、日本市場からの撤退が懸念されています。
Writer: 中島みなみ
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。













