「あ、これ好きだな」 トライアンフ「トライデント660」には長く乗りたいと思わせる力がある!! ~高梨はづきのきおくきろく。~
毎月「8」がつく日は『高梨はづきのきおくきろく。』です。今回は2020年にイギリスの老舗ブランド「トライアンフ」から新型として登場した「TRIDENT 660(トライデント660)」の魅力についてお届けします。
「ちょうどいい」大型バイク!
皆さんこんにちは、バイク女子の高梨はづきです!
今回はイギリスの老舗メーカー、トライアンフが現代のスタンダードとして世に送り出した「トライデント660」についてお届けしていくよ!
大型バイクという言葉には、どこか特別な響きがある。パワーがあって、車格があって、「ちゃんと構えて乗らなきゃいけない」そんな緊張感を、自然と想像してしまう人も多いと思う。
私自身も、大型免許を取ってから「楽しい」と「気合が必要」はずっとセットだった。
でも「トライデント660」に乗ったとき、その前提が少しだけ揺らいだんだ。

まずは見た目から!
カラー展開は全4種類で、試乗車はこのモデルを象徴するシグネチャーカラーのコズミックイエロー。明るいけど子供っぽくないポップさが魅力的だよね!
「トライデント660」を前にして、まず印象的だったのは燃料タンクの造形。横に張り出すタイプではなく、中心にポコんと盛り上がりがあって、まるで一本の芯が通っているようなデザイン。
車体中央に塊感があって、全体が間延びせずキュッと引き締まって見える。派手なラインや誇張はないのに不思議と記憶に残るのは、この中央に軸があるような見え方のせいかもしれない。
ではまたがってみるよ!
車重は190kgでシート高は805mm。わたしの身長158cmではつま先ツンツン。
低身長組としては決して低くはないけれど、数値ほどの高さを感じなくて車重もあまり感じさせず、重さがきちんと下に集まっていて安定感がある。車体を支えるときに怖さがないから、挑戦できないほどじゃない。
足つきの感覚に慣れたところで、次に気づいたのはタンクの触れ方だった。
見た目では中央の盛り上がりが印象的なのに、実際に触れる両サイドはきれいに絞られていて、太ももが自然に収まる。ニーグリップをしようと意識する前に、もう挟めている……!
タンクを「掴む」というより、体が勝手にフィットしてくれる感覚だった。意識しなくてもフォームが整う。この収まりの良さがまたがった瞬間に理解できた。
タンクの幅、シート前方の絞り、ステップ位置。すべてが自然に体を導いてくれる。ニーグリップを意識して力を入れなくても、気づけば太ももがタンクに沿っている。これは「慣れ」ではなく、「設計」だと思う。

では乗っていくよ!
エンジンを始動すると、耳に届くのは機械的な中低音。迫力はあるけれど主張しすぎない。排気量660ccの水冷直列3気筒エンジンは、整った音でどこか落ち着きがある。
最高出力81PSは扱いやすさを優先した設定。大型らしい余裕はありながら、必要以上に尖らせていない。パワーを誇示するような雰囲気はなくて、むしろ「扱いやすさ」に重きを置いているのが伝わってくる。そのバランスが、構えずに付き合える大型にしているんだね。
身長的に見ると、私より10cmほど高い人がドンピシャに感じるはず。でも不思議と私でも違和感がない。大きすぎないというより、大きさが邪魔にならない、みたいな。
走り出してすぐに分かるのは、エンジンの扱いやすさ。最大トルク64Nmは、比較的低めの回転数から立ち上がる。アクセル操作に対して素直で、ギクシャクしない。
回さなきゃ走らないわけでもなく、不用意に開けると怖いわけでもない。ただ必要な分だけ自然に前へ出てくれる。

走り出してまず気持ちよさを感じたのは、街中での扱いやすさだった。ストップ&ゴーの多いシーンでも車体の重さを意識することはなく、発進や減速のたびにストレスが溜まらない。日常の中で自然に付き合える乗り心地の設計が、ここではっきりと伝わってくる。
そしてその余裕は、ワインディングに入っても崩れない。車体の安定感があって、入力に対する反応も穏やか。無理に攻めなくても、流すようなペースで気持ちよさが続いていく。
高速道路や峠など、走るシーンを選ばずに付き合えそうだと感じたのは、スペックの数字以上に、このバイクの性格がそうさせるからだと思う。
カーブでは車体の安定感が際立った。車体の剛性バランスがしっかりしていて、フロントが安定しているから怖さはなく、路面の状況も伝わって、ライダーの狙ったラインを無理に力を入れなくても可憐に走り抜ける心地よさがあった。
倒し込みは穏やかで、挙動は落ち着いている。攻めなくても楽しいし、流すように走るだけでもちゃんと気持ちいい。気持ちがスーッと軽くなるようなバイクもいいね!
だからこそ、つい無駄に遠回りしてしまう。目的地に着いているのに「もう少しだけ走ろうかな」と思ってしまう。もうバイクって沼だよね。どのバイクは良い、とか言えないもん。

「トライデント660」は速さを競うバイクじゃないし、刺激を押し付けてくるタイプでもない。長く乗りたいと思わせる力があるんだよね。
ライドモードは「ROAD」と「RAIN」の2種類だけど、足りないこともない。トラクションコントロールとABSは標準装備で、安心感はきちんと確保されている。それを過剰に主張しないところも、このバイクらしい。
「トライデント660」は、「大型バイクとはこうあるべきだ」と語らない。「こういう選択もあるよ」と静かに差し出してくる。
大型らしい余裕がありながらも日常で疲れない。しっかりした質感だけど気取らない。その全部を成立させるのは、実はとても難しい。
派手な装備や尖った性能よりも、乗り手がどう感じるかを丁寧に積み重ねてきた結果なんだと思う!
一目惚れするバイクじゃないかもしれないけど、何度も乗って、何度も走るうちに、ふとした瞬間に気づく。「あ、これ好きだな」って。
「ちょうどいい」という言葉は、ときどき地味に聞こえるけど、本当はいちばん誠実で、いちばん贅沢な答えなのかもしれない。
「トライデント660」は、そんなちょうどよさを、ちゃんと形にした大型バイクだったよ。
ということで本日はここまで! また「8」のつく日にお会いしましょ~♪

Writer: 高梨はづき/hapi
(役者/YouTuber)17歳で普通自動二輪免許取得し、当時の愛車はホンダCB400T。声優を目指して専門学校に入学後、勉学に専念するため同車を手放し一時バイクを離れる。2020年3月にカワサキ・エストレヤを購入し、数年ぶりにバイクの世界にリターン。声優活動を経て、現在は舞台役者・バイカーモデルとして活動中。同時に"hapi"名義でYouTubeチャンネルを開設、自身のバイクライフをマイペースに投稿してます!チャンネル登録お願いします!!














