人気のホンダ「CB1000F」カラーの元ネタは? 「スペンサーカラー」ってナニ? ほかにもあった!?
ホンダファン待望の「CB1000F」が2025年11月に発売されました。かつての「CB900F/750F」を彷彿させる流麗なスタイリングで、伝説とも言える「スペンサーカラー」を纏っていますが、そもそもどのような由来があるのでしょうか。
カラーの元ネタは?
高い注目度で登場したホンダ「CB1000F」は、イメージカラーとなる「ウルフシルバーメタリック(ブルーストライプ)」について「1982年のデイトナ1000マイルレースで、フレディ・スペンサー選手のライディングで優勝した“CB750Fデイトナレーサー”のカラーリングがモチーフ」と解説しています。「CB1000F」と「CB750デイトナレーサー」を見比べたら一目瞭然で、誰もが納得でしょう。
フレディ・スペンサーは、若年の頃からダートレースで頭角を現し、アメリカで開催されるAMAロードレースで名を馳せ、1983年に世界ロードレースグランプリの最高峰WGP500クラスでチャンピオンを獲得します(1985年はWGP250&500でダブルチャンピオン)。
そんなレジェンドライダーであるフレディ・スペンサーが、デイトナ100マイルレースで優勝した際のマシンのカラーリングが、後に「スペンサーカラー」と呼ばれるようになりました。

国内では不在のカラー!?
「CB750Fデイトナレーサー」は、サイドカバーにも「CB750F」のロゴが入っていますが、じつはエンジンのベースは「CB900F」で、車体とともに大幅に手が入ったワークスマシンです。レースのレギュレーションで外観は市販モデルを踏襲するよう定められ、「CB750Fデイトナレーサー」のカラーリングは1982年の北米仕様「CB900F」の「プレアデスシルバー」になります。

しかし当時の日本は排気量上限の自主規制のため「CB900F」は販売されず、「CB750F」が1979年から1982年までの4年間生産されましたが、いわゆるスペンサーカラーはどのモデルにも採用されていません。
なので当時の国内で有名なカラーは、某漫画で人気を博した1981年(FB型)のキャンディブルゴーニュレッドだったのではないでしょうか。
初スペンサーカラーは、なんと「モンキー」だった!
じつはスペンサーカラーを纏ったバイクは、「CB1000F」が初めてではありません。なんと初スペンサーカラーは、2004年の「モンキー・スペシャル」で、2500台の限定販売モデルでした。

シルバーの燃料タンクや前後フェンダーはもちろん、ハンドルやホイールなど細部をブラックアウトし、カーボン調のシート表皮など特別装備を奢られ、燃料タンク上面のステッカーとキーには、フレディ・スペンサーのサインがデザインされていました。
次に登場したのは2007年の「CB750 Special Edition」で、期間限定受注生産でした。「CB750」は当時の教習車によく使われていたので、大型自動二輪免許を取得する際に教習所で乗ったライダーも多いのではないでしょうか。
ホンダが公式に「CB750Fデイトナレーサーをモチーフ」としているのは、現時点では「モンキー・スペシャル」と「CB750 Special Edition」、そして「CB1000F」の3機種になります。
しかし過去の「CB400 SUPER FOUR」や「CB1300 SUPER FOUR」の中には、「コレってスペンサーカラーの発展では?」と思わせるカラーリングも多数登場しています。
元ネタを探してみよう!
2025年11月に発売された「CB1000F」は、いわゆるスペンサーカラーのウルフシルバーメタリック(ブルーストライプ)の他に、ウルフシルバーメタリック(グレーストライプ)とグラファイトブラックもラインナップされていますが、こちらのカラーにも「元ネタ」があるのでしょうか?

ウルフシルバーメタリック(グレーストライプ)は、かつての「CB900F/750F」の北米仕様にも同一カラーは無いようです。しかしグラフィックパターンこそ異なりますが、配色としては2021年の「CB1300 SUPER FOUR」のベータシルバーメタリックが近しい印象です。
グラファイトブラックは、公式に「初代CB750Fのストライプをモチーフ」と記されています。完全に同一の配色ではありませんが、1981年に遅れて発売されたブラックが近いでしょう。
「CB750F」は人気を博しただけに、最終型となる1982年(FC型)のレッド×ホワイトおよびブルー×ホワイトのツートーンカラーも、モチーフとしたカラーリングが後の「CB750」や「CB1300 SUPER FOUR」で幾度か登場しています。
たとえばカワサキ「Z900RS」も、かつての「Z1」や「Z2」、さらには「ゼファー」シリーズをモチーフとしたカラーリングを纏っています。
このように、オーセンティックなモデルやレトロスポーツ系のカラーリングは、過去の名車をモチーフとする場合が少なくありません。
なのでホンダ「CB1000F」も、今後はFC系のツートーンや、他の人気車のカラーで登場するかも……? 新色が発売されたら、元ネタを探してみるのも楽しいかもしれません。
Writer: 伊藤康司
二輪専門誌『ライダースクラブ』に在籍した後(~2005年)、フリーランスの二輪ライターとして活動中。メカニズムに長け、旧車から最新テクノロジー、国内外を問わず広い守備範囲でバイクを探求。機械好きが高じてメンテナンスやカスタム、レストアにいそしみ、イベントレース等のメカニックも担当する。
























