人気のホンダ「CB」ブランド 最新モデルへ至る過程は「進化系コンサバ」だった!? 4本マフラーに新型DOHCエンジン搭載の「CB750K」とは
伝統的なスタイルを継承しつつ、新型DOHCエンジンを搭載して1978年に登場したホンダ「CB750K」は、「CBナナハン」第2世代として先陣を切りましたが、直後に斬新なデザインで「CB750F」が登場したことで主役交代劇となりました。
伝統のスタイルにDOHC16バルブエンジン搭載
2025年11月に発売されたホンダ「CB1000F」シリーズは、現代のスポーツバイク新基準をホンダ独自の解釈で具現化し、「CB」ブランドの節目を感じさせる進化に胸アツのファンも多いのではないでしょうか。
1978年に登場した「CB750K」も、「CBナナハン」第2世代のスタートラインという「CB」ブランドの節目になる重要なバイクでした。
CBナナハンの歴史を簡単に振り返ると、元祖「CB750フォア」が1969年に登場し、ホンダを名実共に世界一のバイクメーカーへと押し上げます。
ライバル車が続々とリリースされ、「CB750フォア」も毎年のように変更や改良を施し、バリエーションモデルの「CB750フォアII」や「エアラ」を追加しつつ1977年まで生産されました。SOHCエンジンを使用した第1世代は、シリーズ累計67万台以上を生産する大ヒット作となりました。

いよいよDOHCエンジンを搭載した第2世代がデビューを迎え、1978年に先陣を切ったのが「CB750K」です。1970年代の伝統的な「CB」スタイルに、アップハンドルの落ち着きある佇まいと4本マフラーの風格は、まさに「CB」シリーズの正統後継車でした。
一方、燃料タンクからサイドカバーへと流れるフローイングラインは、ホンダの新しいデザインの方向性を示すものでした。コンサバの中に流行を取り入れた、整った大人向けファッションのようなデザインです。
「CB750K」の新型エンジンは、空冷4ストローク並列4気筒DOHCで、1気筒あたり4つの吸排気バルブを装備し、最高出力は65PS/9000rpmを発揮します。無接点式トランジスター点火装置の採用により強力な点火が安定して得られるので、エンジン始動もキックアームを廃止してセルモーターだけになっています。
車体は新設計のフレームで乾燥重量は231kgに抑えられ、ホンダ独自のアルミ製プレートで構成されるコムスターホイールを採用し、これによってチューブレスタイヤを導入できました。
またロングライフのオイル封入シールチェーンなど、現在では常識となっている数々の装備も採用し、デザインに見合った進化が施されています。
国内販売車両の排気量自主規制が1990年に撤廃されるまで、排気量750ccクラスのバイク(ナナハン)は最上位機種だったので、当時のホンダの最新型「CB750K」はカタログのコピー通り、まさしく「ザ・グレート・クルーザー」でした。

しかし発売から翌1979年には、「CB1000F」シリーズのデザイン元となる「CB750F」がデビューします。同じエンジンを使用しながら、デザインと車体構成は欧州で好まれるスタイルを巧みに取り入れました。
新時代のナナハンに相応しい、個性的で洗練されたルックスに魅了されたユーザー達は「CB750F」へと大きく傾きます。
SOHCエンジンの「K」シリーズからDOHCの新型エンジンへ、「CB750F」に代表される「F」シリーズへのモデル転換期となった節目でした。
ホンダ「CB750K」(1978年型)の当時の販売価格は49万8000円です。
■ホンダ「CB750K」(1978年型)主要諸元
エンジン種類:空冷4ストローク並列4気筒DOHC16バルブ
総排気量:748cc
最高出力:65PS/9000rpm
最大トルク:5.9kg-m/7000rpm
全長×全幅×全高:2225×885×1150mm
始動方式:セルフ式
燃料タンク容量:20L
車両重量:250kg
フレーム形式:ダブルクレードル
タイヤサイズ(前):3.25H19-4PRチューブレス
タイヤサイズ(後):4.00H18-4PRチューブレス
【取材協力】
ホンダコレクションホール(栃木県/モビリティリゾートもてぎ内)
Writer: 柴田直行
カメラマン。80年代のブームに乗じてバイク雑誌業界へ。前半の20年はモトクロス専門誌「ダートクール」を立ち上げアメリカでレースを撮影。後半の20年は多数のバイクメディアでインプレからツーリング、カスタムまでバイクライフ全般を撮影。休日は愛車のホンダ「GB350」でのんびりライディングを楽しむ。日本レース写真家協会会員








