1975年の「東京モーターショー」で熱い視線を浴びまくり!? ヤマハ50cc原付「GR50」はヒップが魅力の小さなカフェレーサーだった

ヤマハ「GR50」は、1976年に発売された50cc原付のミニスポーツ車です。小柄なサイズにカスタム車のような本格カフェレーサースタイルを凝縮させた、ヤマハらしいユニークなモデルでした。

海外で流行したカフェレーサースタイルを原付に!?

 今も昔も、話題のバイクはモーターショーで華やかに登場します。98万人が来場した1975年の「東京モーターショー」では、ヤマハブース中央の回転テーブル上で50ccスポーツモデル「GR50」が来場者の視線を集めていました。

 当時、ヤマハはロードスポーツの「RD50」とトレールモデルの「MR50」、トライアルバイクの「TY50」に加え、ミニトレール「GT50」もあり、充実したラインナップとなっていました。

 さらにここに加わったのが「GR50」です。「GT50」の兄弟車で、同じミニサイズのロードスポーツバージョンです。

ヤマハ「GR50」(1975年)
ヤマハ「GR50」(1975年)

 そのスタイルは、世界的に流行していたカフェレーサー風のデザインとなっています。流行していたと言っても大型バイクの話で、原付の「GR50」はそのデザインテイストをいち早く原付サイズに落とし込んだ、と言えます。

 若い年齢層にたいへん人気のあった50cc原付スポーツでしたが、「GR50」はかつてバイクに乗っていた熟年層にも受けるシブい魅力を持っています。

 燃料タンクは上級車の「RD」や「GX」シリーズに採用されていた角のある長方形のスリムなスタイルです。レーシングタイプのストッパー付きシングルシートにはシートカウルも装備し、テール部分を引き締めています。

 しかもシートカウルの側面はゼッケンプレート形状となっており、小さなレーシーフォルムに注目が集まりました。兄弟車の「GR80」は2人乗り可能なダブルシートで、シートカウルはついていません。このクールなシングルシートは、50cc原付の「GR50」専用スタイルでした。

 フラットで幅の狭いコンチネンタルハンドルとともに、マットブラックに仕上げた太いマフラーがさらに雰囲気を盛り上げます。オプションでタコメーターの追加や一文字ハンドルも選べました。

幅の狭いフラットなコンチネンタルハンドルバーが上級スポーツ車のカスタムを思わせる
幅の狭いフラットなコンチネンタルハンドルバーが上級スポーツ車のカスタムを思わせる

 もちろんスタイルだけではなく、エンジンはミニトレなどと同じ元気の良い空冷2ストローク単気筒で、最高出力は4.5PSを8000rpmで発揮します。当時の原付としては贅沢な5速ミッションを装備し、軽快な加速感も楽しめました。

 フレームも他の原付スポーツ同様の本格的ダブルクレードル型で、前後サスペンションは油圧ダンパー内蔵です。

「GR50」は原付バイクですが、真横だけでなく斜め前から、あるいは斜め後ろの少し上から、「角度を変えて眺める楽しみ」も持っている、そんなヤマハらしいバイクです。

 ヤマハ「GR50」(1976年型)の当時の販売価格は10万6000円です。

■ヤマハ「GR50」(1975年)主要諸元
エンジン形式:空冷2ストローク単気筒
総排気量:49cc
最高出力:4.5PS/8000rpm
最大トルク:0.43kg-m/7000rpm
全長×全幅×全高:1585×590×850mm
シート高:635mm
始動方式:キック式
燃料タンク容量:7.0L
車両重量:64.5kg
フレーム形式:ダブルクレードル
タイヤサイズ(F):2.50-15-4PR
タイヤサイズ(R):2.75-14-4PR

【取材協力】
ヤマハ・コミュニケーションプラザ(静岡県磐田市/ヤマハ発動機本社隣接)
※本記事中の写真は許可を得て撮影しています

【画像】小っちゃいボディがカワイイ!! 50cc原付に本格カフェレーサースタイルのヤマハ「GR50」を画像で見る(11枚)

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Writer: 柴田直行

カメラマン。80年代のブームに乗じてバイク雑誌業界へ。前半の20年はモトクロス専門誌「ダートクール」を立ち上げアメリカでレースを撮影。後半の20年は多数のバイクメディアでインプレからツーリング、カスタムまでバイクライフ全般を撮影。休日は愛車のホンダ「GB350」でのんびりライディングを楽しむ。日本レース写真家協会会員

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