「100人乗っても大丈夫!」 バイク価格高騰で保管も心配 ニーズに応えてガレージも進化
同じ車両価格だったとしても、クルマとバイクでは圧倒的に盗難に対する意識が違います。例えば200万円のクルマとバイクでは、クルマなら気軽に駐車できても200万円のバイクは自宅でも置き場所には気を遣います。そんなオーナーの心を知ってか知らずか、あの会社のガレージが進化を遂げていました。
プレミアムカーの次は? バイクのための「デザイナーズガレージ」
自宅でバイク、どこに置いてますか? 一般的にはクルマのガレージのスキマか、賃貸物件だと自転車置き場のような場所に、というユーザーも多いでしょう。
放置駐車もクルマ同様に取り締まられるバイクですが、自宅での駐車(保管)場所で言えば、思ったほど市民権ならぬバイク権を得られていないのではないでしょうか。
そんな中で、2026年の大阪・東京モーターサイクルショーに出展した“あの会社”が異彩を放っていました。
それはバイク専用のガレージを展示する「稲葉製作所」(本社=大田区)です。カタログには今も『やっぱりイナバ! 100人乗っても大丈夫!』のフレーズが記載されている、鋼板収納庫のトップクラスメーカーです。
バイクメーカーをはじめとするバイクだらけのイベントで、何を「売り」にしていたのか? イベント会場に実際の建造物を建て、来場者の関心を集めていたのは「ARCIA FIT(アルシアフィット)」と名付けられたデザイナーズバイクガレージでした。バイク用のガレージとして、同社はすでにバイク保管庫を販売しています。
アルシアフィットの特徴について、大阪営業所・野崎俊治係長に聞きました。
「当社ではシンプルで上質なデザインのガレージに力を入れて、好評を得ています。同じシリーズでクルマでは『アルシア』という名のデザイナーズガレージを販売し、プレミアムカーのオーナーに支持されているのですが、バイクにも専用の優れた防犯性を持つガレージとして『アルシアフィット』を販売しています」
モダンな家にふさわしい、デザインと防犯性を備える
白と黒を基調とするモノトーンの外観と垂直の造形は、庇がなくビルのようなキューブ型住宅のトレンドを反映し、違和感なく増設できるそうです。工夫されたシャッターケースを標準装備することで、雨天時にシャッターを巻き上げたときの雨水や雪の巻き込みも防ぎます。

防犯性の高いオプションやデザインは、バイク専用ガレージの最大のポイントになっています。野崎氏が解説します。
「標準装備で、シャッターはディンプル式の2段錠です。オプションでシャッターの前には防盗バーを設置できます。シャッターをこじ開けられても頑丈なバーが犯行時間を稼ぎます。屋内後面にはワイヤーロックバーも設置できるので、ここに愛車を固定することで、さらに効果的な防犯対策ができます」
壁面の最上部には、自然光を取り入れる高窓が選択できます。自然光を庫内に取り込むと同時に、どんなバイクが保管されているか外部の視線を遮る効果があるとのこと。
庫内にはプションで棚を設置するなど、憧れのガレージライフを楽しむスペースとして仕上げることも可能です。
アルシアフィットは、床をコンクリート仕上げで段差をなくした土間タイプと、ブロックの上に床付きのガレージ本体を設置する床付タイプの2種類が用意されています。
人力で入庫することを考えると、段差の無い土間タイプが便利ですが、床を張る工事期間と費用がプラスされます。そのかわり、床付きのように収納重量を気にする必要がないのは、大きなポイントです。
土間タイプと床付きタイプの差は、価格にも反映されます。間口の広さにより価格は変わりますが、最もコンパクトな1870mmの高窓付きでは、土間タイプが50万5000円から、床付きタイプが57万4000円からです。土間タイプは床が無い分ガレージ本体は安いのですが、工賃がプラスされて、床付きより割高になります。
タイヤが2倍あるクルマよりバイクは安い、ということは間違いありませんが、同じ車両価格でもバイクとクルマでは気の使いようが違います。
保管場所で安心を得たいのは、むしろバイクユーザーの方が切実かもしれません。
Writer: 中島みなみ
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。








