決死の撤退戦!!「金ヶ崎の退き口」で一体なにが起きていた? 『豊臣兄弟!』ゆかりの地をバイクで巡る旅

2026年NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』の主役の1人、豊臣秀吉にとって、元亀元年(1570年)の「金ヶ崎の退き口(かねがさきののきぐち)」は大きな危機でした。その舞台となった「金ヶ崎城跡」(福井県敦賀市金ヶ崎町)をバイクで巡りながら、「天下取り」を目指した豊臣秀吉と、秀吉を支え続けた弟・秀長の関わりに思いを馳せました。

かつての天然の要害は、意外と上りやすいなだらかな山道に

 2026年NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』の主役の1人、豊臣秀吉にとって、元亀元年(1570年)の「金ヶ崎の退き口(かねがさきののきぐち)」は大きな危機でした。その舞台となった「金ヶ崎城跡」(福井県敦賀市金ヶ崎町)をバイクで巡りながら、「天下取り」を目指した豊臣秀吉と、秀吉を支え続けた弟・秀長の関わりに思いを馳せました。

 1570年春(4月頃)、織田信長が越前の朝倉義景(あさくらよしかげ)を討伐すべく進軍した際に、浅井長政(あざいながまさ)の裏切りによって挟み撃ちの危機に陥った撤退戦「金ヶ崎の退き口」は、戦国武将たちの運命を大きく左右しました。

 福井県敦賀市の「金ヶ崎城跡」は、現在は緑豊かな山道と石碑が残る静かな地ですが、戦国の世には日本海の波が間近を洗う山城だったと言われています。

以前、徳川家康ゆかりの地を巡るバイク旅で訪れた福井県敦賀市の「金ヶ崎城跡」。立派な解説板や駐車場が完備され、訪れる人も少なくないようだった
以前、徳川家康ゆかりの地を巡るバイク旅で訪れた福井県敦賀市の「金ヶ崎城跡」。立派な解説板や駐車場が完備され、訪れる人も少なくないようだった

 当時、織田軍は信長を先頭に、徳川家康、明智光秀、そして木下藤吉郎(後の豊臣秀吉)らを従えて朝倉攻めを進めていました。機知と交渉術に優れていたことで知られた秀吉は、信長の重臣としてこの遠征に参加し、弟の秀長も兄を支える影の存在として共に行動していたと考えられます。

 ある日、戦況は突然動き出します。同盟を結んでいた浅井長政(あざいながまさ)が朝倉方へ寝返り、織田軍は挟み撃ちの危機に立たされました。

 信長はこの窮地を悟ると、最小限の兵を連れて撤退を決断します。しかし追撃の勢いは激しく、退却する軍勢を守る殿(しんがり)の役目が不可欠でした。ここでまさに、秀吉が抜群の働きを見せたと伝えられています。

「金ヶ崎の退き口」と呼ばれるこの撤退戦は、ただ後退するだけの戦いではなく、秀吉は後退する織田軍の最後尾で巧みに指揮を執り、追撃をかわしながら味方を守る役目を務めたとされています。

 殿役としては、光秀や家康、池田勝正(いけだかつまさ)らの複数の説があるようですが、秀吉に勝負どころでの冷静な判断と戦術眼、そして運の強さがあったことは確かで、それは天下人への道を歩む原点のひとつだったのかもしれません。

 弟・秀長もまた、秀吉の行動を支えながら物資の補給や後方支援に尽力し、この壮絶な退却戦を生き延びることに貢献したはず。兄弟の絆と信頼は、ここでも戦国という混沌の中で互いを支える力となっていたのではないでしょうか。

「金ヶ崎城跡」の「月見御殿」と呼ばれる断崖上からの眺め。現在は一部埋め立てられているが、かつては三方を海で囲まれていたという
「金ヶ崎城跡」の「月見御殿」と呼ばれる断崖上からの眺め。現在は一部埋め立てられているが、かつては三方を海で囲まれていたという

「金ヶ崎城跡」には現在、往時を偲ぶ石碑や案内板が整備されています。かつて三方を海に囲まれた天然の要害は、今や季節の風を感じるのどかな山道に変わっていますが、バイクで移動していると、当時の撤退戦の険しさは谷間の風景などを通じて十分に感じられます。

 道中にある「国吉城跡」や敦賀湾を見渡す断崖など、まさにこの地が戦国の要衝であったことが実感できました。

「金ヶ崎の退き口」を乗り越えた秀吉は、その後も信長の下で多くの戦いを経験し、織田家随一の重臣として信頼を勝ち得ていきます。

 一方、秀長も兄の側で政務や軍事面の補佐に従事し、秀吉が天下人として歩む道を影から支え続けました。この撤退戦で豊臣兄弟、光秀、家康の誰か1人でも討たれて亡くなっていたら、日本の歴史は大きく変わっていたことでしょう。

「金ヶ崎城跡」は単なる古戦場跡ではなく、豊臣兄弟、そして家康がその後の歴史を切り開くための「試金石」とも言える出来事の舞台でした。

 今回は戦国時代に思いを馳せての登城でしたが、南北朝時代を描いた小説などを読むと関心度が高まり、その時代の激闘の舞台としても非常に興味深いものがあります。

 またいつか訪れる際は、その時代のことを考えながら紀行できれば、と思いつつこの地を後にしました。

【画像】NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』ゆかりの地「金ヶ崎の退き口」を画像で見る(11枚)

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