クランクケース内側は真っ黒!! 高齢エンジンの現実…… 同い年のバイク=スーパーカブと生きるバイクライフVol.15

自動遠心クラッチと呼ばれる部品の基本構造は、OHCエンジンのシャリィやダックスやモンキーなども同じです。しかし、C100系OHVエンジンは、クラッチハウジングの中央に遠心式オイルフィルター機能がありません。だから締め付けカバー(遠心オイルフィルター室のフタ)が無く、クラッチハウジングを固定するロックナットへ直接アクセスできる構造です
フライホイールの取り外しには、フライホイールホルダーやプーラー必要になりますが、C100は、この時期ですでにエンジンが完成されていたようで、後のC50系エンジンにその構造が継承されています。したがって、OHCエンジンのスーパーカブやモンキーやダックスのエンジン分解で使う特殊工具は、OHVエンジンで使うものと共通のようです
フライホイールの内側中央には、ポイントを作動させるポイントカムが組み込まれてます。カム山に磨耗やサビが無いか、必ず点検して、汚れは磨き落としましょう。ポイント調整、タイミング調整は「ポイントギャップ」で司る構造です。逆に言えば、タイミングランプやストロボで点火時期を合わせた段階で、一般的なポイントギャップである、0.3~0.4ミリへなるように設計されています。
フライホイールを取り外し、点火コイルと充電コイルを固定するステーターベースを一式取り外すと、クランクケースに組み込まれたオイルシールが現れます。指先で触れる前に必ず凝視し、オイルシールリップにオイル漏れや汚れの堆積が無いか確認します。まったく問題ありませんが、久しぶりに走らせたことでオイル漏れが発生するもあります。
クランクケース左前方からシリンダーヘッドへ接続するパイプがロッカーアーム周りを潤滑するオイルライン(銅パイプ)になります。カムジャーナルのスパイラル溝が回転することでエンジンオイルをシリンダーヘッドへ立ち上げます。僅かにちょろちょろ流れるオイルでも、ロッカーアーム周りは焼き付くことなく潤滑されます。
1962年の秋頃、おそらく9月末から10月頃に本田技研工業鈴鹿製作所で生産されたスーパーカブ。1961年の前期生産車までは、赤い表皮のシートを装備していましたが、この1962年後期には、C100/C102/C105ともに黒/白ツートンのサドルシートを採用していました。個人的には、初期の赤表皮シートが好きなので、後々張り替えようとも考えています。そもそもこの黒/白シートも、すでに張り替えられているシートのようです
シリンダーヘッドを取り外すと、上死点にあるピストントップと燃焼室内に堆積したカーボンの様子を確認できます。いずれもコゲ付いたような印象ではなく、オイルにまみれながらカーボン堆積している様子が見て取れます。こんな燃焼状況だから、白煙モクモクだったのですね
オイル交換せずに走らせ続けたり、オイル交換サイクルが長くなってしまうと、エンジン内部は真っ黒に汚れてしまいます。ブローバイガスがこの汚れの元だと考えられます。クラッチカバーの内側も、想像通り汚れたオイルスラッジで真っ黒状態でした。こんな状況を見たら、完全分解=のーバーホールへ取り掛かりたいところですが、ここは我慢して、エンジン腰下の洗浄に留めることにしました。まずは実走行を優先しました
遠心クラッチ式のホンダ横型エンジンのルーツがここにあります。見た目では、モンキーのそれと酷似していますが、オイルポンプがレイアウトされる代わりに、クランクシャフト右下にはカムシャフトが組み込まれます。それにしてもエンジン内部が真っ黒け……
後のOHCエンジンでは、オイルポンプが取り付けられる部分に大きなギヤがあるOHVエンジン。クランク側のプライマリーギヤに対して2倍の歯数があるカムギヤ。クランクシャフト2回転に対してカムシャフトは1回転なのが4ストロークエンジンです。カムシャフト+ギヤはクランクケースへ差し込んであるだけで、クラッチカバーの内側に組み込まれる2個のスプリングに押されて(オイルストレーナーカバー越に)抜け止めとなっているおおらかな設計。カムジャーナル軸受けにあるスパイラル溝を伝って、エンジンオイルがシリンダーヘッドへ立ち上がっていく!!
プライマリードリブンギヤの構造は、その後のスーパーカブやモンキーやダックスに合い通じるデザインです。ドリブンギヤの内部には、発進時やギヤチェンジ時のショックを吸収するためのラバーダンパーが組み込まれてます。このラバーダンパーにガタが出ると、激しいメカノイズや走行時にギクシャク感が出るので、歯車を指先でつまんでガタの有無を確認しました
クランクケースは分解しませんでしたが、クランクケースカバーはシルバーに焼き付けペイントを行い、鋳鉄製のシリンダー、シリンダーヘッド、シリンダーヘッドカバーは、半ツヤブラックで焼き付けペイントを行いました。車体は生産当時からのそれを磨いただけで、エンジンの見た目は美しく仕上げることにしました

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