ヤマハ「TMAX530」 スポーツバイクのようなビッグスクーター

スクーター独特のスカスカ感がないTMAX

 エンジンを取り囲むようにアルミフレームが車体中央を貫いているため、乗車時は一般的なスポーツバイクと同様、足を後方に上げてまたぎながらシートに座ります。座面やフットボードが幅広のぶん、足つき性に関しては一定の体格があった方がよく、スポーツ性を重視したモデルとしてある程度の割り切りが必要な部分です。

ライトウエイトスポーツのような軽やかなハンドリング

 事実、それが功を奏してハンドリングにはダイレクト感が溢れています。車体をリーンさせる時はほとんど抵抗なくスパッと倒し込むことができ、それでいてバンク角も充分。218kgという車重をまったく意識させず、クルリと旋回してみせる軽やかさはライトウェイトスポーツのようでもあります。

 そうやってスポーティなライディングを楽しんでも、足もとにスクーター独特のスカスカ感がないところもポイントです。なんなら腰をズラすようなフォームをとっても足首や内ももで車体をホールドしやすく、積極的に旋回力を引き出すことができるはずです。

 コーナリング中もリンク式のリヤショックとアルミスイングアームのおかげもあってタイヤの接地感は分かりやすく、高い路面追従性を発揮。DXにはスプリングプリロードと伸側減衰力の調整機能も備えられているため、好みに応じてセットアップすればさらに一体感や安定感が高まるでしょう。

「TMAX530DX ABS」には、高速巡航時に役に立つ電動調整式スクリーンを装備

 既述の通り、電動調整式のスクリーンを備えるDXならツーリング時の快適性にも抜かりはありません。上下に135mmスライドするこのスクリーンはもちろん走行中でも操作が可能。体格やスピードに合ったポジションに合わせることによって優れた静粛性や防風性が得られることはもちろん、クルーズコントロールを併用すれば高速巡航がさらに安楽になるのは間違いありません。

 というわけで、TMAXは単なるコミューターではありません。ライダーの使い方によってスポーツバイクにもグランドツアラーにもなり、もちろんビジネスエクスプレスとして日常的に活用するのもアリ。オールラウンダーとしての資質が磨かれたマルチツールが、TMAXの実態と言えます。

【了】

提供:くるまのニュース

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Writer: 伊丹孝裕

二輪専門誌「クラブマン」編集長を務めた後にフリーランスとなり、二輪誌を中心に編集・ライター、マシンやパーツのインプレッションを伝えるライダーとして活躍。マン島TTやパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムなど、世界各国のレースにも参戦するなど、精力的に活動を続けている。

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