フォルクスワーゲン「ザ・ビートル」とカワサキ「W800」2台のネオクラシックモデルの共通点は「ゆとり」!!

ドイツのクルマらしくガッチリしていて運転しやすい

 走り出すとすぐにドイツのクルマだな! と感じます。理由は、とにかくガッチリとしたボディにあります。路面の凹凸、継ぎ目などの振動がしっかり伝わり、その振動はバラバラに動くモノではなく、キレのいい正確な振動で、とくに不快には感じないモノなのです。またアクセル操作に節度感がありスピードのコントロールがしやすく、ブレーキもまた同じ。ハンドルも路面の影響を受けにくく、イメージしたところを走らせやすい。とにかくクルマの全てがガッチリとしていて運転がしやすく感じます。

キレのいい正確な振動は決して不快には感じない

 そして、デザインを重視した場合、ボディサイドのしぼり込みなどの関係で、バックでミラーを確認しながら駐車スペースへ入れる場合、スペースに対して平行を出すのが難しいクルマがあるのですが、ザ・ビートルは平行も出しやすく、誰が運転しても扱いやすいというところも注目です。

 しかし本当に注目したいのは、このザ・ビートルを運転していると、気持ちに余裕が生まれ急がなくなってくるところです。急いでいそうなクルマや、横から入って来そうなクルマと遭遇しても「どうぞ、お先に行ってください♪」という気持ちになってきます。不思議にドライバーがおおらかな気持ちになれるのです。

 実はこれこそが「ビートル」というクルマが持つ、最大の魅力なのかも知れません。しかし、そんな「ザ・ビートル」ですが、80年の歴史に終止符が打たれました。Wが復活したように「ビートル」という名がまたいつの日か戻って来ることを、期待したいと思います。

ネオクラシックモデル「W800」と「ザ・ビートル」

 近年は情報社会でいろいろな意味でもスピードは大切ですが、移動を楽しみながら、世界観を楽しむ。そんな「ゆとり」の気持ちを与えてくれる。それが今回取り上げたネオクラシックな2台「ザ・ビートル」と「W」という先駆者達に共通したポイントだと感じます。

【了】

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Writer: 金子陽一

トップドライバーを目指し自動車レースに参戦。幾度かの資金難から挫折しかけたところをチューニングカー雑誌の編集部に拾われ、タイムアタック/レポートドライバーを担当。現在、それらの経験を活かし自動車ブランドが開催するドライビングレッスンのインストラクター、そして販売店スタッフ向けの研修トレーナーとしても活躍中。学生時代に乗っていたバイクからはしばらく離れていたが、近年、最新バイクの進化、またバイクを取り巻く最新アイテムの進化に感動しバイク熱が復活。大型自動二輪免許も取得。クルマで経験してきたセンサーを活かして「バイク」「ブランド」「アイテム」「こだわり」など、最新のバイク界をピュアな目線でレポートする。

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